スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
原作があるようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1308313692/ より



 
2 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:30:56 ID:RsZP5tJ6O
シベリア図書館から移りました

まとめ様
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-885.html


3 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:41:11 ID:RsZP5tJ6O

***

(  ω ) 妙だお

薄霧とオレンジ色にまたたく太陽光に抱かれた街のカフェで彼、ホライゾンは対面の男性モナーに向けて言った。

(  ω ) 例の海賊連中が太陽系管理宙域に進入してからの被害は少なすぎる、いや少ないに越したことはないんだろうけどね。動かなすぎるお、連中は

(  ∀ ) 単に身動きがとれないだけモナ、連中はもともと対海賊課に追われていたし

丸テーブルにコーヒーカップを置いて椅子に深く座り直すホライゾン。
彼は窓の向こうのビル群、それに囲まれた人気の無い交差点を一瞥してから首を横にふった。

(  ω ) 楽観視しすぎだお。対海賊課をふりきった連中なら太陽系軍を突破するのは可能なはず。対海賊課だって派遣したのはフリゲート1隻に2人の刑事、連中の規模を考えれば追いきれない


4 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:43:55 ID:RsZP5tJ6O
(  ∀ ) では、何だと言うモナ?

射抜くようにホライゾンを見つめ、言葉を待つ。実はモナーは不安を感じ始めていたのだ。焦燥感がモナーを険しくさせる。

(  ω ) それは分からない、でも連中は待っていると思うお

(  ∀ ) チャンスを?

(  ω ) うん、連中は自ずから太陽系に向かった気がする

モナーは背もたれに思い切り体重をかけ、顎に手をあて考える。

(  ∀ ) うーん、確かに太陽系は色々と目をつけられてるモナ…そのうえ国連が交渉に手間取ってるから、まだ星系間連盟に入れてないし

(  ω ) そう、連中はだから、他星系からあまり干渉されずに動けるお

(  ∀ ) 太陽系全域で一斉に暴れられたらまずい…自身の力不足はつくづく恐ろしいモナ

(  ω ) …僕は、そうでもないお

(  ∀ ) え…

(  ω ) だって、僕らはどの道限界だから

(  ∀ ) そ、れは

本来感じることができないはずの終末感。
それを感じてしまう事がなによりの証左だとホライゾンは思っている。

(  ω ) 記憶のバックアップと、維持のためのシミュレートは限界だお。メモリが足りないわけじゃない、もっと根本的な限界

(  ∀ ) …もともと、僕らは幽霊だ。いや更に酷い。自分として意識しているのは一人なのに存在しているのは複数で、新しい脳に移された僕らと同期することも可能だし…

(  ω ) 僕らが限界なのはだから、とても自然なんだお。仮想空間と死後の世界の狭間をうろついているんだからね、意識と体が別々の生命で無い限りは

沈黙。
重い表情でうつむく2人。
しかし長くは続かず、ホライゾンの携帯電話が振動を共だっていきなり歌い出した。

(  ω ) おっ…マナーモードにするの忘れてたお
 
 
5 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:50:24 ID:RsZP5tJ6O
もしもし、とホライゾンが言い切るよりも早く、甲高い女性の声が鼓膜をふるわせた。

『ねえ、あんたたち今どこ?』

(  ω ) おっ、ごめんごめん。今そっちに行くお!

(  ∀ ) もうそんな時間かモナ!

『まったくもう…2人して相変わらずなんだから』

慌ててカフェを飛び出した2人は、他にだれもいない静かな大通りに出で、車が一台も見あたらない交差点を走って渡り、妻と約束していた場所を目指して湿り気のあるアスファルトを蹴りまくる。

ξ ⊿ )ξ 遅いじゃない、どうしたのよ

川 - ) 何かあったのか?

果たして彼女たちはそこにいた。

(  ω ) ごめんツン、クー。うっかりしてたお

(  ∀ ) 悪かったモナ

ξ ⊿ )ξ そう思うなら、これ持って

(  ω ) お?ツン、随分買ったんだおね

ショッピングを堪能したことをアピールするかのごとく、彼女たちの両手にはいくつも袋が下げられている。


6 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:51:52 ID:RsZP5tJ6O

(  ∀ ) クーも

川 - ) 私は自分で持つよ

(  ∀ ) いや、是非に持たせてほしいモナ

川 - ) そうか?なら頼もうか

所謂、ダブルデート。
4人の男女は談笑しながらバス停へと歩き、ちょうど停車していたバスに乗り込むと、最奥部のベンチシートに座り込んだ。

ξ ⊿ )ξ あー楽しかったわ

川 - ) 四人で出かけるのも久しぶりだからな

(  ω ) おっおっ、足の疲れも良い思い出だおね

(  ∀ ) そうモナね

言いながらもそれほど疲れを感じてはいなかったのだが、それぞれの家に着いた途端両足に反旗を翻されてしまった。

(  ω ) ぬおお…

ξ ⊿ )ξ はやくお風呂はいりましょ

(  ω ) えーはいんの?

ξ ⊿ )ξ 殴られたいのかしら?

(  ω ) すんませんなんでもないっす

汗と疲れと高揚感が洗い流されたホライゾンはパンツ一丁、ツンは全裸でふかふかのベッドに潜り込んだ。

ξ ⊿ )ξ いっとくけど、今夜はだめよ?

(  ω ) うん…


7 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:54:39 ID:RsZP5tJ6O
ξ ⊿ )ξ …どうしたの、難しい顔して

(  ω ) あのねツン、笑わないで欲しいんだけどね

ξ ⊿ )ξ うん

(  ω ) 明日になったら、全て消えている気がしちゃって不安になったんだお。それだけ

ξ ⊿ )ξ そ…まったくもう

ツンはもぞもぞと体を動かし、ホライゾンをあやすように抱きしめ。

ξ ⊿ )ξ 死にたくないのね

(  ω ) おっ…

ξ ⊿ )ξ でも私たちは死なないじゃない

(  ω ) え?

ξ ⊿ )ξ 二度は死ねないわよ

(  ω ) …

ξ ⊿ )ξ それでもまだ意識は蒸発してないわ…ね、私はここにいるわよ?

ツンはホライゾンの手を取り自身の胸に押し当てる。

ξ ⊿ )ξ 私という意識も、記憶もここにあるわ。この体は確かに偽物かもしれない、でもこの世界のおっぱいも現実世界のおっぱいも触り心地は変わらないでしょう?

ξ ⊿ )ξ だから落ち着いてホライゾン

(  ω ) …ごめん、ツン

ξ ⊿ )ξ おやすみなさい

(  ω ) おやすみ

目を閉じて、闇を漂う。ツンの感触を忘れないように強く感じてから。


8 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:58:01 ID:RsZP5tJ6O


…次に目を開けた時。


(‘_L’) おはよう、ホライゾンくん

ホライゾンは、シルフィールドとしてのホライゾンであり。

「おっ…僕は撃墜されたのかお?」

ツンは、シルフィールドとしてのツンであった。

(‘_L’) そうだ、妻と共にね。安心したまえ、ツンくんも無事に再生が完了したよ

「…ああ、いたいた。おはようツン」

おはよう、そう答えたツンの声は確かにホライゾンへと届いた。

(‘_L’) さて、早速今日から任務についてもらう…別星系から、我々が海賊をかくまっていると、あらぬ疑いをかけられてね。非常にまずいんだ

ホライゾンが気を引き締めると、シルフィールドに内蔵されている一対のマニピュレータが微かに反応した。

「了解したお」

言いながらホライゾンは、仮想空間を練り歩いていた自分に思いを馳せる。
存在は、感じる。あの、静かになってしまった街では今この瞬間もホライゾンやツン達が仲良く暮らしているのだ。

彼はここにいて、仮想空間にも彼はいて、けれども体はとうに無い。


9 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/17(金) 21:59:32 ID:RsZP5tJ6O
今回は以上です


10 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:27:51 ID:0aCt05zsO
****

一方ヒッキーは。

ヒッキーは自分が今見ているのが現実ではないとすぐ分かった。匂いも体の感覚もない、あるのは音と視界に写るもの。

(゚、゚トソン 見えますかヒッキー

そして普段と変わりないトソンの声だけ。

(うん、見えるよ。なんだい?これ)

(゚、゚トソン 夢としておきましょう。本当便利ですねこの漢字一文字は

(゚、゚トソン まあそんな事よりもヒッキー、この風景に見覚えありませんか?

(ある。昨日の放課後、あの三人に連れてこられた場所だ)

(゚、゚トソン そうです。そして右手に見えますのは、あの三人組です

  _
( ゚∀゚) ( ^Д^) 爪'ー`)y‐

(゚、゚トソン ところでヒッキー、人間の脳味噌って実は凄い便利なんですよ。具体的に言いますと

(゚、゚トソン 右脳と左脳の思考ディファレンスを利用して、超空間チャンネルを開くとか

(…何それアニメ?)

(゚、゚トソン ま、あんな感じですね

三人組の中央に立つ彼が、突然頭を抱えて膝をついた。


11 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:32:53 ID:0aCt05zsO
※閲覧注意

(;^Д^) あで…いたたた痛い痛い!

  _
( ゚∀゚) おい何だよプギャ

爪'ー`)y‐ ははは、覚醒するのか

(;^Д^) ちが、マジいてえ

  _
( ゚∀゚) おいおい

爪'ー`)y‐ 飲み過ぎだろ

(;^Д^) あ

  _
( ゚∀゚) ん?

爪'ー`)y‐ どう

(; ゚Д ゚) あぎゃあああああああ!!

  _
(;゚∀゚) !

爪;'ー`)y‐ !

大絶叫。体全体が大音量でノイズを発するスピーカーかのような、細胞ひとつひとつの悲鳴。それはしかし長く続かず、すぐに止んだ。

爪;'ー`)y‐ おいプギャ、しっかりしろ!


12 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:33:13 ID:0aCt05zsO


一人が介抱しようと一歩踏み込んだ直後に、叫んでいた彼の頭から。

爪;'ー`)y‐ ひっ

  _
(;゚∀゚) つの?

勢いよく伸びる、昆虫を連想させる四本の足。

  ┃┏
┗┓┃┃┏┛
 (; ゚Д ゚)

足は伸びることをやめず、前触れもなく唐突に、鋭い爪先を人間の頭に突き立てた。

  _
(;゚∀。) げぴ

爪;゙皿゙)y‐ う゛っ

足を強引にねじ込まれ脳をかき回されている2人に、最初と変わらない視線を送るトソンは言った。

(゚、゚トソン はい、このようにして三人は死にました。

(…いや……うん…)


13 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:36:02 ID:0aCt05zsO

(゚、゚トソン この後、足を出すだけで精一杯なマヌケさんは私にも攻撃してきました。私は当然反撃したわけなのですが

言いながらトソンは、迫り来る足の三本を紙一重でかわして一本をつかみ、ゆでた蟹の足だとでも言わんばかりに、あっさりとへし折りちぎりとり投げ捨てて。

(゚、゚トソン このように

トソンは足を生やしている彼の頭に自分の右腕をねじ込み、そのまま貫通させた。

(゚、゚トソン これで、マヌケさんも活動停止です

ずるりと、納豆のような糸をのばしながら引き抜いた右腕は、黒と赤と黄色に濡れている。

(…そう…)

(゚、゚トソン 以上が事の顛末です…そうそう、マヌケといえば送り主ですかね。相手側の許容量を越えた物を送ったんですから

そんなことはどうでもよかった。ヒッキーは訊ねずにはおれない疑問が生まれている。

(ねえ、あのさ)

(゚、゚トソン はい

けれどもそれを言葉にする前に、ヒッキーの視界が急激な場面転換を迎える。暗転したのだ、ゆっくりと、瞼がおりるように。

(夢?が終わるのか)

果てしない闇の中に、自身が引きずり込まれた気がした。


14 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:38:45 ID:0aCt05zsO
***

(゚、゚トソン 女性の胸に埋まった状態で目覚めるなんて、なかなかリア充ですね

(-_-) 目覚めた直後に聞いた台詞がそれじゃなければね

ヒッキーはベッドの上でトソンを押し倒しているような体勢、加えて顔は柔らかな谷間に挟まれている。
視覚と感触で自分がしている事実を認識したヒッキーは慌てて体を起こそうとしたものの、背中と頭にまわされた腕に阻まれた。

(゚、゚トソン あれ、なに目を閉じてるんですかヒッキー

(-_-) や、別に

トソンの、穏やかに脈打つ心臓が自分の顔のすぐそばにある事が猛烈に恥ずかしくなったヒッキー。

(゚、゚トソン ヒッキーは顔に出やすいんですね

(;-_-) (…だめだ、早めに聞かないと忘れそうだ)ねえトソン

(゚、゚トソン なんでしょうか

(-_-) 君は、どんな生き物?

(゚、゚トソン あなたの兄がそこに居ますから、聞いてみたらいかかでしょう

(-_-) へ?

言われて目を開け、トソンの視線を追うと。

( ・∀・)…ヒッキー、心配で来てみれば君という奴は…

モララーが、部屋の入り口で呆然と立ち尽くしていた。

( ;∀;) ブワッ!

(;-_-) えっ、なんで泣くの

( ;∀;) ヒッキーが…

(;-_-) な、なに?


15 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:41:21 ID:0aCt05zsO

( ;∀;) ヒッキーが大人の階段かけあがっちゃったあああああ!!

(;-_-)そ ビクッ

(;∀; )≡ うわあああんお邪魔しましたあああああ!ミセリいいいい!!

疾風のようにかけだしていったモララーを、ヒッキーは何が何やらわからないまま見送り。

(-_-) あれ?

トソンに目をやった瞬間、ヒッキーは硬直した。ピキッ、という擬音が聞こえそうなほどに。

(゚、゚トソン どうしました?

(;-_-) …なんで服着てないのさ

(゚、゚トソン あ…

トソンはヒッキーに絡めていた腕をほどき、かわって剥き出しの乳房にからめて一言。

(^、^*トソン 忘れてました

言い終わると同時、ヒッキーは風になって玄関をめざした。


16 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:44:18 ID:0aCt05zsO
***

(-_-) 兄ちゃん

( ・∀・)ヒッキー

ヒッキー達が住むアパートが面している道路でモララーは呼び止められた。
空はすでに漆黒、人気の無い道路で街灯と民家の灯りに照らされているモララーはスポットライトを浴びているよう。

( ・∀・) ヒッキー…ちゃんと責任はとりなよ?

(-_-) いやさっきのはそういうのじゃないから。それより兄ちゃん

( ・∀・)なんだい?真面目な話かい?

(-_-) トソンについて

( ・∀・)トソンか…トソンは人間じゃないよ

衝撃。予想していたのにもかかわらずヒッキーは、一瞬目眩がした。

(-_-) …トソンは暖かいし、鼓動は優しい

( ・∀・) フィギュアだって暖かいし、鼓動は優しい

(-_-) フィギュア…人工妖精のこと?

( ・∀・) そう。トソンはね、人工妖精の原種なんだよ

かいつまんで話すよ、と前置きしてからモララーは語り出す。

( ・∀・) 歴史の授業で習ったと思うけど、僕らの御先祖様がこの星に移り住んだ時、僕らにそっくりな生物の高度な文明の名残があった。その中に、人造人間の技術もあってそれを頼りに人工妖精が生み出された


17 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:48:57 ID:0aCt05zsO

( ・∀・) んで、最近になって、前地球人の造っていた人造人間が再現された。それがトソンなんだけど…いかんせん忠実すぎた

(-_-) 忠実すぎた?

( ・∀・) 前地球人の造った人造人間は兵器だったみたいでさ。いやトソン以外の人工妖精は弄くってあるから僕らと大差ないんだけどね

( ・∀・) ま、つまりこれがトソンの正体さ。

(-_-) …聞いても良い?

( ・∀・) うん

(-_-) トソンの父親って、今の地球人?

( ・∀・) どうしてだい?

(-_-) なんとなく…そうだよね、うん

( ・∀・) ヒッキー?

(-_-) 僕は、生きている地球人だよね


18 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:49:14 ID:0aCt05zsO


そうだよね?ヒッキーはモララーに問いかけた。

( ・∀・) …そうだよ当たり前じゃないか

モララーは、即答する事ができなかった。

( ・∀・) 僕はもう行くよ

踵を返したモララーの背中に、ヒッキーの声がすがりつく。

(-_-) あ、あのさ…兄ちゃん

( ・∀・) ん?

(-_-) 次はいつ、帰ってこれるの?

( ・∀・) え?あー、あー…わかんないやっていうかもう帰れないかもしんない

(-_-) そんな!


19 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:52:05 ID:0aCt05zsO

( ・∀・) いやーなにせね、他の星系の軍隊が来ちゃうからね。頼もしい助っ人も、そろそろ帰っちゃうし。最悪戦争かな

(-_-) …

( ・∀・) まっ、大丈夫だよヒッキー。ヒールさんがいるじゃない!なっ!

(-_-) うん

( ・∀・) それじゃね

走り去ったモララーの姿はすぐに闇に紛れてしまった。

***

川*` ゥ´) ちょっと

( ・∀・) おや、せっかく格好つけて走り去ったのに

ヒッキーから離れてすぐにモララーが右折し、その先で彼女とばったり出くわした。

( ・∀・) 君はあれかい、少女漫画のヒロインかい。それにしちゃパンをくわえていないな

川*` ゥ´) 何言ってんのさこのトンチキが

( ・∀・) …何の用かな、養育費が足りないの?

川*` ゥ´) あれで足りないわけないわよ。そんな事よりアンタ、ヒッキーと遊んでやれないの?あの子アンタがくるたびこっそり喜んで、アンタが帰るたびこっそり悲しんでんのよ

( ・∀・) へえ、そいつは心苦しいね。でも今はこれで精一杯だからこそ君に頼んでいるわけで。いやあ感謝してますよ、たいした説明もなく承諾してくれたから


20 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:54:01 ID:0aCt05zsO
川*` ゥ´) あんなガチムチ共引き連れてこられたらね…昔の恩もあるし

( ・∀・) 恩?…あれか、君ら姉弟が肩代わりさせられた借金かい?

川*` ゥ´) そうよ…まさか額に肉を書かれるとは思わなかったわさ

( ・∀・) あの時、僕は代償をちゃんともらったんだ。もう気にすることないのに

川*` ゥ´) ふん…まあ、私も弟がいるからね。アンタの気持ちは解るのさっ

( ・∀・) そいつはありがたい。で、もういいかい?

川*` ゥ´) まだよ。モララー、アンタ随分忙しくなるらしいじゃない

( ・∀・) うん、まあいつもよりか少しだけね

川*` ゥ´) これあげる

( ・∀・) …なんだいこれは

川*` ゥ´) 安産祈願の御守り、500円なり

( ・∀・) いやわかるけど…どうしろと…

川*` ゥ´) 職場の恋人さんに渡してやんな

( ・∀・) ええ…いやすごくコメントし難い…てか素直に受け取るとして子供をもうける事に関しては複雑な大人の事情が……あー、まあいいや。うん、ありがとう、健康的でいろよという意味で受け取っておくよ

川*` ゥ´) はい、以上。用件おしまい。さあ行った行った

( ・∀・) 僕は犬じゃないんだから、手で追い払うなよ…


21 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 21:58:39 ID:0aCt05zsO
走りだそうと足を一歩踏み出したモララーは、はたと振り向き彼女に言う。

( ・∀・) なあ、ヒール

川*` ゥ´) な、なによ。いきなり呼び捨ては止めんしゃい

( ・∀・) なんとなく聞くけど僕のこと嫌い?

川;` ゥ´) え゛っ

( ・∀・) どうなの?

川;` ゥ´) え?あーいやえーとあのそのあのさなのさ

( ・∀・) なにさなのさ

川;` ゥ´) あー…うー…

( ・∀・) 時間がない、さらば

川;` ゥ´) まっ、またれい!

彼女はつきだした右手を戻すとそのまま胸元で握りしめ、左手はこれまた握り拳をつくり震えていた。

川;` ゥ´) ひっひっ、ふー

( ・∀・) 君の方が要るんじゃない?この御守り

川;` ゥ´) はーっ…

深いため息をついた彼女は、意を決して一言。

川;` ゥ´) …好きだよばか

川;  ゥ ) 好き…だった


22 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 22:00:44 ID:0aCt05zsO

(  ∀ ) …あー

( ・∀・) うん、ありがとう、親友

川*` ゥ´) …本当だかんね?

( ・∀・) うん

川*` ゥ´) …その右手は何さ?

( ・∀・) 握手、握手

川*` ゥ´) まあいいけどさ。握りつぶすなよー

( ・∀・) えーだめなのー?

モララーは彼女の右手を極力優しく握った。

( ・∀・) …

川*` ゥ´) …

( ・∀・) やれやれだな

川*` ゥ´) さあさ、もういいでしょ?さっさと行って、御守り渡してきな

( ・∀・) ああ、まあ、もう行かないとまずいな。ヒッキーをよろしくね

川*` ゥ´) トソンはいいのかよ

( ・∀・) 別にいいや。そいじゃあね

モララーは今度こそ、走り去っていった。
もう誰にも引き留められる事無く。





23 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/06/20(月) 22:01:14 ID:0aCt05zsO
今回は以上です



 




 ←(4)へ   (6)へ→


 ←(インデックス&1)へ戻る

 
総合短編(シリアス・鬱・ホラー) | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。