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410 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:46:01 ID:lZVrCK2o0
俺は、何か
彼女は、何か
俺とは、何か
彼女とは、何か

貴方の笑う顔が、俺は大好きだ
貴方の幸せが、俺の幸せだ
貴方が幸せになるのに、もう俺は必要ないならば
俺は貴方の幸せを 願おう
貴方に最後のプレゼント
▼・ェ・▼
俺に全く似てないけれども
全てをこいつに託すから
貴方はこれを持って
誰かと幸せになればいい


411 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/21(土) 20:47:01 ID:UXKMF4W.0
広告のヤツか・・・wkwk


412 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:47:32 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡 もう戻れないようです 从 ゚∀从

 
 
413 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:47:53 ID:lZVrCK2o0


第一部
ミ,,゚Д゚彡 一人 ワガママごめんね  のようです



414 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:48:23 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「……もう、いいよな」

呟きは部屋に浸み込み、消えていく
自室のベッドから起き上がり、長い前髪を掻き上げた

ケータイを開くと、一通のメール


 *月*日  23:13
  ハイン
  Re:
  ――――――――――――――――
  
公園で、待ってるから

                           』

簡潔で飾りっ気のない、彼女からのメールだ

時計を見ると、もう0時を回っている
俺は身支度を整え、家を抜け出した


ハインとは、付き合って半年になる
男勝りでガサツで可愛げのない  そこが可愛い、俺の彼女だ
大好きだ 愛している
だからこれから、  サヨナラしに行くんだ


415 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:49:08 ID:lZVrCK2o0

俺達は今、大きな分岐点にいる
正確には、彼女が大きな分岐点にいる

彼女には、憧れている男が居る
寡黙な男だと、聞いている
彼女のガサツなところをフォローし、いけないことはきちんと注意してくれる
そんな 彼女にとって、必要不可欠な男である
彼は俺よりも彼女に接する機会が多い

今まで、俺の役割だったことを
やってくれる男が、今彼女の傍に居る

彼女はそれに甘んじ、尊敬の念を抱き、そしてとても懐いている
その男ならきっと、ハインともそのうち鞘に収まるだろう

なら俺は、身を引くべきではないか

彼女はきっと否定するだろう
俺を選んでくれるだろう

だが俺は、彼女を拒否するつもりだ
彼女の為を思えば、俺は身を引くべきなのだ


416 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:50:32 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「……なーんて、独り善がりなんだろうけどなぁ」

点滅を繰り返す街灯の下を、のっそりと歩く
肩につく髪をわしゃわしゃと掻き上げて、手をポケットに突っ込む

五月
梅雨が近いせいか、夜はひんやりと冷えている
こんな中待たせてい待っている彼女を思い、少しだけ歩調を速くした

青々と繁る桜の木を眺めて、
あれがまだ薄紅色に咲き乱れていた頃に、彼女とこの下を歩いていたことを思い出す
まだ最近のことのような気もしていたが、あの花は もうない

ミ,,゚Д゚彡「人に夢と書いて儚い……か
      人生を桜に例えた奴は天才だと思うね」

从 ゚∀从「あんなに風流に散れたら苦労ねぇよ」

桜並木を曲がると、そこはもう公園
正面のブランコに座っていたハインが、手招きをする

ミ,,゚Д゚彡「…………」

招かれて、ハインに寄る

……嗚呼  桜みてぇに、散りてぇもんだ


417 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:51:06 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「悪い」

从 ゚∀从「おせーっつーの。来ねぇかと思ったぜ」

出来れば、来たくなんてなかった
別れを、告げなければならないのだから

从 ゚∀从「お前悩んでるようだから言っとくけどなぁ、俺はミルナさんのことは……」

ミ,,゚Д゚彡「ハイン」

ミ,,゚Д゚彡「……悪い、別れよう 俺達」

从 ゚∀从「……」

ミ,,゚Д゚彡「……」

从 ゚∀从「……本気で言ってんのか?冗談だったらぶっ飛ばすぞ」

ミ,,゚Д゚彡「本気だ」

从 ゚∀从「…………ミルナさんとはそういう関係じゃねぇぞ」

ミ,,゚Д゚彡「違うんだ  俺の、我儘なんだ」

ミ,,゚Д゚彡「俺はハインを愛してる 大好きだ   ……だからこそ今、さよならしなきゃいけないんだ」


418 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:52:37 ID:lZVrCK2o0

ハインは黙って聞いている
俺も揺らぐ前に  此処に来る間必死に考えた台詞が、頭から真っ白に消える前に
全て、伝えないと

ミ,,゚Д゚彡「俺達はもう学生じゃない  いつまでも子供のままじゃいられないんだ
      社会に出て、その環境に馴染む  今俺達は、それに専念しなきゃいけない」

从 ゚∀从「……」

ミ,,゚Д゚彡「俺の方は大丈夫だ きっとやっていける
      お前も、社会人にしては心配になるくらい直情型でガサツだったけど、
      俺の代わりにお前を見守ってくれる上司がいる」

あえて、 上司 と表現した
ハインの癪に触れない為だ
わかっている

ミ,,゚Д゚彡「俺の役目を受け継ぐ奴が傍に居て安心した
      だから俺も、自分の仕事に専念できる」


419 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:53:04 ID:lZVrCK2o0

从 ゚∀从「……まるで俺が、俺一人じゃ仕事も出来ねぇみてぇじゃねぇか」

ミ,,゚Д゚彡「コンビニ店員の時、客に喧嘩売ったことあったじゃねぇか」

从;゚∀从「うっ……」

ミ,,^Д^彡「はは……俺は嫌いじゃねぇけどな ハインのそういうところ」

ミ,,゚Д゚彡「でも、社会じゃそうはいかない
      その上司に、しっかり教育されて来い
      お互い社会に慣れて、余裕が出てきたら、
      ……その時は、また会おう」

言い切った
言い切れた
これが、俺の言ってやれる最後だ


420 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:54:21 ID:lZVrCK2o0

从 ∀从「……本当に、本気なんだな?」

ミ,,゚Д゚彡「あぁ、すまん」

从 ∀从「ちゃんと仕事ができるようになったら、また……」

从 ;∀从「『愛してる』って、撫でてくれるんだよな?」

ミ,,゚Д゚彡「ああ、絶対にだ」

从 ;∀从「……約束、だぞ?」

ミ,,゚Д゚彡「約束だ、ハイン  お互い、頑張ろう」

ミ,,゚Д゚彡「そうだハイン、こいつをやろう」

ずっと隠し持っていた、手のひらサイズのプレゼント
ミ,,゚Д゚彡⊃▼・ェ・▼

从 ;∀从「ぬい、ぐる…み?」

ミ,,゚Д゚彡「ああそうだ  俺に似てるだろう」

从 ;∀从「wwww似てww…ねーよwwwwこの猫顔wwww」

ミ,,゚Д゚彡「ぬっ、聞き捨てならんな  俺は犬だ」

从.^∀从「ねーwwよwwww」


421 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:54:51 ID:lZVrCK2o0

ハインが、笑った
もう大丈夫だろう
最後まで付き通した嘘は  きっとハインの為になるだろう

俺達は公園の前で別れた
手を振って
涙を拭いて
笑顔で

『また会おうね』


ミ,,゚Д゚彡 一人 ワガママごめんね  のようです  終








422 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:55:13 ID:lZVrCK2o0


第二部
从 ゚∀从 求めてももう 掴めないようです



423 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:55:51 ID:lZVrCK2o0

兄貴

それが第一印象だった
ミルナ先輩は、面倒見のいい上司だった

何処となくフサに似てるな とも思った
お節介なんかは、本当にそっくり
で、そのお節介に毎回本気で助けられる俺は……


***

从 ゚∀从「でなっ!俺の失敗を、『一緒に謝りに行こうな』って言ってくれたんだぜ!ミス、サビ残してまで手伝ってくれたんだぜ!!」

ミ,,゚Д゚彡「今時んな上司いねぇよな お前みたいな奴育てる物好きなんか」

从 ゚∀从「ひでぇwwww」

ミ,,゚Д゚彡「ま、俺もその物好きの一員か」


424 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:57:41 ID:lZVrCK2o0

フサは、よくできた彼氏だ
ハチャメチャでオチャメでテンシンランマンで元気マンマンな俺をうまーくコントロールしてくれる
ぶっちゃけフサが居なかったら人生詰んでたんじゃないかと思う
そこらの不良チャンと同じ道を歩んでたかもわからん
マジ感謝 マジ重宝

ミルナ先輩にそのことを話したら、
( ゚д゚)『物好きもいるもんだな 大切にしろよ』
とのたまいやがった

で、フサからも同じ言葉が出てきたから、二乗して殴っておいた
別に八つ当たりなんかじゃねぇ 絶対に


ミ,,゚Д゚彡「いってぇ!!お前そこらの女子と腕力に差があるんだから手加減しろよ」

从 ゚∀从「失敬な奴」


425 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:58:12 ID:lZVrCK2o0

……で
就職して暫く

お互い忙しいこともあり、会う回数が減った
電話の回数も減り、メールもよく途絶えた

フサのメールは絵文字が消え、顔文字もまばらになってきた


俺も仕事は忙しかった
主にミスの訂正に


426 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 20:59:13 ID:lZVrCK2o0

( #゚д゚)「いい加減見限るぞ」

从 ゚∀从「そういいながら七割手直ししてくれるミルナ先輩ってカッコいいですよね」

( ゚д゚)「おだてても何も出んぞ」

从 ゚∀从「そうでもないですよ こんだけ毎回毎回面倒見てくれてるんですから」

( ゚д゚)「よし、ならあとは自分でやれ」

从 ゚∀从「可愛い新入社員を苛めるのが好きなんですか ドSですね」

( ゚д゚)「じゃっ、お先」

从;゚∀从「ちょっ!!先輩待って!!ごめんなさい俺が悪かったですすいません!!!!」


427 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:01:03 ID:lZVrCK2o0

( ゚д゚)「明日も早いしなぁ」

从;゚∀从「昼飯一回でどうっすか!?」

( ゚д゚)「飯で上司を釣る新人がいるか  おろしポン酢ハンバーグ定食だぞ」

从;゚∀从「一番高い!!」

( ゚д゚)「お先―」

从;゚∀从「わかりました奢りますからっ!!」

( ゚д゚)「仕方ない お前の為じゃないぞ。おろしポン酢ハンバーグ定食の為だぞ」

从 ゚∀从「先輩ツンデレ具合が渋いですね」

( ゚д゚)「よーしお先―」

从;゚∀从「あああああ冗談ですごめんなさああい!!!!」


428 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:02:01 ID:lZVrCK2o0

***

ミ,,-Д゚彡】『……お前、その上司居なかったら完全にニートだぞ』

从 ゚∀从】「だよなー マジ感謝  フサみたい」

ミ,,゚Д゚彡】『…………』

从 ゚∀从】「フサ?」

ミ,,゚Д゚彡】『ん、何でもない』


違和感を感じたのはこの時だった
正体に気付いた時には、もう遅かった


 husahusaわんこ
 ―――――――――――――
 身を引くって、大事かもなぁ

 三時間前
 ―――――――――――――
                      』


429 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:03:06 ID:lZVrCK2o0


  フサギコ
  Re:
  ――――――――――――――――
  
 公園で、待ってるから

                           』


メールを送って、家を飛び出した

フサは、きっとわかっているだろう
あのツイートは、きっと引き金だったんだ

青い桜の樹の下を走り抜き、公園に駆け込む
ぽつんとついた街灯の真下の、ブランコに腰掛けた


430 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:05:06 ID:lZVrCK2o0

きぃ きぃ

こぐと錆びた音を立てるブランコ

昔はそんなことも気にせず、立乗りをして遊んだものだ
立乗りはもう出来ない
思い出の中の自分だけが、楽しそうにこいでいた


从 ゚∀从『ふさ!たちのりでしょーぶだ!!高くまでこげた方のかち!!』

ミ,,;゚Д゚彡『はいんちゃん、かーちゃんが、立乗りはダメって言ってたから!!』

从 ゚∀从『今しかできないことをして、なにがわるい!!!!』

その後、ブランコのすぐ上にまで伸びた桜の樹に衝突して転落 左の瞼を三針も縫う怪我を負った
それから桜は嫌いだ
訂正 散り時だけは好きだ


431 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:05:38 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「人に夢と書いて儚い……か
      人生を桜に例えた奴は天才だと思うね」


丁度そんなことを考えていたとき、やっとフサは来た
公園の小さな時計台の時計を見ると、もう0時をとうに回っている
だいぶ待たされたようだ
独り言のようだったが、ここは返しておこう


从 ゚∀从「あんなに風流に散れたら苦労ねぇよ」


人ってのは、華麗に散るわけじゃない
地べた這い蹲って、それでも頑張って生きてく雑草みたいなもんなんだから


432 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:06:40 ID:lZVrCK2o0

フサを手招きして、サクッと本題を切り出す

从 ゚∀从「お前悩んでるようだから言っとくけどなぁ、俺はミルナさんのことは……」

ミ,,゚Д゚彡「ハイン
      ……悪い、別れよう 俺達」

从 ゚∀从「……」

結構頑張って切り出したのに、これだよ
こいつは人の話も最後まで聞けなくなったのか

从 ゚∀从「…………ミルナさんとはそういう関係じゃねぇぞ」

ミ,,゚Д゚彡「違うんだ  俺の、我儘なんだ
      俺はハインを愛してる 大好きだ   ……だからこそ今、さよならしなきゃいけないんだ」

从 ゚∀从「……」


433 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:07:26 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「俺の方は大丈夫だ きっとやっていける
      お前も、社会人にしては心配になるくらい直情型でガサツだったけど、
      俺の代わりにお前を見守ってくれる上司がいる」

……やっぱり、ミルナ先輩じゃねぇか

ミ,,゚Д゚彡「その上司に、しっかり教育されて来い
      お互い社会に慣れて、余裕が出てきたら、
      ……その時は、また会おう」

从 ∀从「……本当に、本気なんだな?」

ミ,,゚Д゚彡「あぁ、すまん」

知っている
フサは頑固だ
意志を変える気はないんだ


434 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:08:53 ID:lZVrCK2o0

込み上げてくるものは止まらない
流れてくるのは走馬灯 もとい、フサとの思い出

幼稚園 ぶらんこ 小学校 影鬼 けいどろ 中学校 席替え 受験勉強 高校 学園祭 部活 就活
全ての思い出の中に、フサがいた
フサを巻き込んで、成長してきた

わかる 知っている  フサの弱点も、小さな癖も
髪の毛を掻き回して右下に視線を泳がせた
元の鞘に戻る約束も、撫でてくれる約束も、嘘だ

フサはこのまま俺が誰かとくっつくまで、今までのようには接してこないだろう
そういう奴だ
昔からそうだ
ずるい 奴だ

俺がこのまま抱きつかないように、距離をとって立っているのも、奴の手口だ
卑怯だ 最低だ
…………ばかやろう…………
畜生…………


435 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:09:25 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡「そうだハイン、こいつをやろう」

無理矢理声色を明るくして、フサはずっと後ろ手に隠していたものを、ずいとこちらに差し出した

ミ,,゚Д゚彡⊃▼・ェ・▼

从 ;∀从「ぬい、ぐる…み?」

ミ,,゚Д゚彡「ああそうだ  俺に似てるだろう」

『俺の代わり』とか言うつもりか? ちょwwww笑わせんなよww今シリアスパート

从 ;∀从「wwww似てww…ねーよwwwwこの猫顔wwww」

ミ,,゚Д゚彡「ぬっ、聞き捨てならんな  俺は犬だ」

从.^∀从「ねーwwよwwww」


436 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:10:02 ID:lZVrCK2o0

奴なりの気遣いに甘んじる
これで、恋人として笑い合うのは最後だろう

最後くらい、笑って別れたいもんだ
どうせ繋ぎ止められやしないのだから

心はまだ泣き叫んでいる
壊れてしまいそうなくらい、悲鳴を上げて
届かないと、知っているからこそ


俺達は公園の前で別れた
手を振って
涙を拭いて
笑顔で

『また会おうね』


从 ゚∀从 求めてももう 掴めないようです  終










437 : ◆zynqho4iRI:2011/05/21(土) 21:10:45 ID:lZVrCK2o0

ミ,,゚Д゚彡 もう戻れないようです 从 ゚∀从  終



 
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