スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
  
458 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:05:56 ID:fXilGOj.0
“テンゴク”という場所に来て思った事は
『ああ、ここもあまり下界と変わらないんだな』
という事だった。

都村トソンという人間は、死んでもまた変わらない生活を送るんだ。
そう思っていた。だけど、

「キミ、今日から天使ね」

その一言で私は、あっけなく人間から天使へとランクアップしてしまった。
実際、羽とか自然に生えてきて違和感も無かった。

基本的に好きな事をして過ごして良い。

そう言われた私は日々、天使達の発着場から空を眺めていた。


(゚、゚トソン天使と空のようです


460 :>>455 先に失礼します;:2011/05/05(木) 03:07:11 ID:fXilGOj.0
(゚、゚トソン「……」

「なぁーにしてーんの?」

いつも通り空を見ていると、後ろから声を掛けられた。
何となく人を小馬鹿にしそうな感じの声。そんな人は一人しか知らない。

(゚、゚トソン「あら、これはこれは“カミサマ”」

( ・∀・)「止してよ。いくらオレが偉いったって、そんな畏まんなくても」

振り返ると案の定、中の上ぐらいな顔をした、白スーツの男が立っていた。

(゚、゚トソン「いえ、性分なのでお気になさらず」

私の返事に“カミサマ”は、あっそ、とだけ言って私の隣に腰を下ろす。

( ・∀・)「ねえトソンちゃん。こんな所でずぅっと空眺めてて、退屈じゃない?」

(゚、゚トソン「そうでもないですよ。
     それに、空を見ていると何か思い出しそうな、そんな感じがするんです」

( ・∀・)「えっ、マジ?」

(゚、゚トソン「ええ、マジですけど。それが何か?」

( ・∀・)「うーん……普通、そういう風に何かを思い出す、
      もしくは思い出そうとするって事は有り得ないんだよね」

(゚、゚トソン「はい?」


462 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:08:37 ID:fXilGOj.0
( ・∀・)「ああ、勘違いしないでね? こっちで過ごした時間の事を思い出すのは、可能なんだよ。
      ただね、トソンちゃんはこっちに来てまだ日が浅いでしょ? という事は――」

(゚、゚トソン「私が思い出そうとしているのは、生前の記憶だと?」

問い掛けに“カミサマ”は大げさに頷いた。

( ・∀・)b「That's right ! でもねぇ、それはなるべく思い出さない方が良いモノなんだよ」

(゚、゚トソン「どうしてですか?」

( ・∀・)「昔の話ね。……居たんだよ、一人。生前の記憶ってヤツ? 思い出しちゃったのがさ。
      んで、どうなったと思う?」

彼はニヤニヤしながら私を見る。
ええい、何て小憎たらしい笑顔。額に 『肉』 でも書いてやろうか。
なんて事、一応“テンゴク”の主相手に言えるわけも無く。

(゚、゚トソン「ううん、ちょっと分かりませんね」

と、無難に返す。

( ・∀・)「んー、分からないかなぁ? 本当に? ねぇ?」

それが仇になったのか、どうやら彼を調子付かせてしまったようだ。
私は、出来るだけ笑顔を保ちながら下手に出る事にした。

(゚ー゚#トソン「ええ。分からないので教えてくださいお願いしますモ・ラ・ラ・ー・さ・ま!」
 
 
463 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:09:53 ID:fXilGOj.0
(*・∀・)「しょうがないなぁ、トソンちゃんは。いいかい?
       仮にソイツの事を『彼』とするけど、その『彼』は帰りたがったのさ、下界に」

(゚、゚;トソン「えっ? それのどこが――」

悪いんですか?
そう聞こうとした私の言葉は“カミサマ”に遮られた。

( ・∀・)「勿論、悪くは無いよ。寧ろニンゲンからすれば当然かもしれない。
      ちなみに『彼』の理由は、家族の顔をもう一度近くで見たい、だったよ」

(゚、゚;トソン「じゃあ、尚更」

合いたかったのだろう、その家族に。
死んでからも大事に思っていたのだ。
こんな所でただ見ているだけなんて、我慢出来なかったのだろう。

( ・∀・)「うん、そうだろうね。ただ、取った手段が悪かった。
       まあソレについては僕等も悪かったんだろうけどね」

(゚、゚;トソン「……その『彼』は一体、何をしたんですか?」

質問は、たった一言で片付けられた。


( ・∀・)「天使殺し」


(゚、゚;トソン「なっ!?」


465 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:11:38 ID:fXilGOj.0
絶句した私を余所に、“カミサマ”は言う。

( ・∀・)「下界に行こうとした『彼』を見つけた天使――ああ、ペニサスちゃんって言うんだけどね――
      彼女が『彼』を取り押さえようとしたら、逆にやられちゃってね。こう、首をポッキリ」

話しながら“カミサマ”は自分の首を、ニンゲンなら絶対に死んでいる位置まで動かす。

( ・∀・)「天使もニンゲンと同じような感じで死ぬからさ。ペニサスちゃんマジ昇天。
      御霊は転生に廻したんだけどね」

(゚、゚;トソン「それで、『彼』の方は……」

私の言葉に、“カミサマ”はこれまたあっさり答えた。

( ・∀・)「トソンちゃんにも最初に教えたよね。天使殺しは大罪。
      勿論、魂を消滅させたよ」

( 、 ;トソン「――っ」

魂を消滅させる。
それはつまり、“無”に還るという事。
二度と転生出来なる。
『彼』はもう下界で生を謳歌する事は、無い。

( 、 ;トソン「そんな、ことまで、しなくても」

( ・∀・)「ん?」


467 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:13:38 ID:fXilGOj.0
(゚、゚#トソン「そんな事までしなくても、行かせてあげれば良かったじゃないですか!」

怒鳴っていた。
会ったことも無い『彼』を思って、私は怒鳴っていた。
転生を繰り返していれば、もしかしたらまた、家族の魂を持った誰かに会えたかもしれないのに。
もうそれも出来ない。
そんなの、そんなのって、

(゚、゚#トソン「悲し過ぎるじゃないですか!」

( ・∀・)「そう言われてもねぇ」

“カミサマ”はいつもの態度を崩さない。
なんだこれ。
これじゃあまるで私が駄々捏ねてる子供で、向こうがそれを諭す大人みたいじゃないか。
そう思ったら、泣けてきた。

(;、;トソン「“ガミザマ”ば何ども思わないんでずが!?」

( ・∀・)そ「うぉ!? 何で泣くかなぁ、キミは。いいかい?
        そもそもこちらから下界に干渉することは禁止されてるんだよ?
        あちらさんを不必要に驚かせちゃいけないし、色々と修正するのに手間が掛かるんだよ。オーケイ?」

(つ、゚トソン「……はい」

つまり、“カミサマ”は何とも思ってないわけか。
ルールを守ること、あと自分の都合。
やっぱりこっちも下界と変わらないわけですか。


469 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:15:31 ID:fXilGOj.0
( ・∀・)「よしよし。聞き分けのいい子は好きだよ――っと、そういえば何の話だっけ?
       ああ、そうだ。記憶の話ね」

(゚、゚トソン「……」

黙って聞くことにした。
“ガミザマ”は構わず話を続ける。

( ・∀・)「実はね、『彼』の後にも居たんだよ。記憶を思い出した人。
      そして全員が全員、帰りたがった。理由はバラバラ。
      怨恨、後悔、さっき話した『彼』のようなものまで、本当バラバラ」

(゚、゚トソン「彼等は」

( ・∀・)「ん?」

(゚、゚トソン「彼等は、どうなったんですか?」

( ・∀・)「心配しなくていいよ。消滅はさせてないから。
      ただ――」




もう一度記憶を失わせてもらったよ、面倒だからね


470 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:17:16 ID:fXilGOj.0
(゚、゚トソン「……」

あの後、“カミサマ”は二言三言話してふらりと何処かへ行った。

私は相変わらず、空を眺めている。
あの蒼や白を見ていると、やはり生前の記憶とやらを思い出しそうなのだ。

思い出しても、どうせ消されるのに。
下手すれば消滅するのに。

(゚、゚トソン「……はぁ」

私はこのまま、空を眺め続けて思い出すべきなのだろうか?
それとも――?


『いつも空ばかり見ているトソンに、これを贈るのである』


不意に頭の中で、誰かの声が響く。

私の心はまだ決まらない。


rano19.jpg


(゚、゚トソン天使と空のようです 丁






471 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 03:17:55 ID:fXilGOj.0
以上です。
ありがとうございました。


 



 ←プチラノベ祭りまとめページへ戻る

 
総合短編(シリアス・鬱・ホラー) | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。