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('A`)イシのようです

2011/05/07 Sat 14:29

  
386 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:02:30 ID:MkrdH5hA0
日の光は入らず、ベッドと机しかない無機質な部屋を
小さな電球一つが、なんとか辺りを、ほのかに照らしている。
ドクオはその中で、机に向かって作業に没頭していた。
何時間経っただろう、もしくは何日経っただろう。

('A`)「ふぅー、やっと完成した……」

彫刻刀を片手に、ドクオはそう呟いた。

('A`)「そうだなー」

先程掘り終えた、冷たい”それ”を撫でながら、ドクオは考えた。

('A`)「よし決めた!お前の名前はモララー!」

( ・∀・)

('A`)「性格は、ちょっとキザな感じだけど、誰にでもフランクな人気者!」

( ・∀・)

('A`)「どうだ、嬉しいか?」

( ・∀・)

('A`)「そうかそうか。じゃあ、お前は……ショボンの横に並べような」

ドクオは、モララーと名付けた”それ”を、ショボンと名付けた”それ”の横に並べた。


387 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:03:34 ID:MkrdH5hA0
( ・∀・)(´・ω・`)

('A`)「ヒヒ……いっぱいだ」

ドクオは、”それら”を自分を囲むように、地面に置いてみる。
”それら”の数は、偶然にもドクオの周りをキッチリ一周する数だった。

('A`)「なんていうか、壮観だな」

キョロキョロとドクオは、自分の周りに置かれた”それら”を見回した。

('A`)「……デミタス、あんまり悩んでも仕方ないぞ?」

(´・_ゝ・`)

ドクオの真横に位置する場所に置かれたデミタスに、ドクオはそう言った。

('A`)「ワカッテマス?お前が俺の事見てるの、わかってます」

( <●><●>)

ドクオの真後ろに置かれてあるワカッテマスに、ドクオはそう釘を刺した。

('A`)「ショボン、モララーは新入りなんだ。いきなり『ぶっ殺すぞ』は無いだろう」

( ・∀・)(´・ω・`)


388 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:04:24 ID:MkrdH5hA0
('A`)「ツンさん、今日も綺麗ですね。
   美人で優しくて、誰からも愛されてるってのも頷けますよ」

ξ゚⊿゚)ξ

('A`)「おーい、モナーさん。今日は腰痛大丈夫なんですか?」

( ´∀`)

('A`)「なんかお前……日に日に、眉毛濃くなってね?怖いんだけど俺」
  _
( ゚∀゚)

('A`)「なんてね」

コンコン

('A`)「!!」

扉を叩く音に、ドクオは身構えた。
そして程なくして、扉の向こうから声が聞こえてきた。

「ドクオ、ブーンだお」

('A`)「また、アンタか」


389 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:05:02 ID:MkrdH5hA0
「今日もブーンと、お話するお」

('A`)「……話だけなら」

「ありがとだお」

('A`)「……」

「昨日は、ブーンの友達のモララーって奴の話をしたけど、覚えてるかお?」

('A`)「覚えてない」

「……うん、でも仕方ないお!他人の事ってなかなか覚えられないもんだお
モララーって奴は、キザだけど誰にでも、気さくに接する事が出来る奴で……」

('A`)「いいよもう、モララーの話は」

「お?」

('A`)「別の奴の話してよ」

「いいのかお?」

('A`)「いいから」

「わかったお……と言っても、他に誰がいたか……」

('A`)「早くしてよ」


390 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:05:36 ID:MkrdH5hA0
「すぐに『ぶっ殺すぞ』って言うショボンは……」

('A`)「聞いた」

「いつも悩んでるデミタス……」

('A`)「聞いたよ」

「いつもブーンの事を見てくる……」

('A`)「ワカッテマス」

「……」

('A`)「アンタの事は?」

「お?」

('A`)「ブーンさん、だっけ?自分の事話してよ」

「ブーンの事かお……んー……」

('A`)「……」

「ブーンは、こうしてドクオの家に来て、お話して、ドクオと友達になりたい。
そう思ってるだけの男だお。」

('A`)「それ以外は?」

「それだけだお」
 
 
391 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:06:30 ID:MkrdH5hA0
('A`)「じゃあ、俺が死んだらどうする……?」

ドンドンドンドンッ!

(;'A`)ビクゥッ!

ドクオがその言葉を発した直後、扉を壊さんばかりに、凄い勢いで扉が叩かれる。

「絶対にダメだおッ!!」

(;'A`)「じ、冗談だよ……」

「……ならいいお。死ぬなんて絶対に言っちゃダメだお」

('A`)「わかったよ……」

「ドクオの事は、教えてくれないのかお?」

('A`)「……」

「ドクオの事、聞きたいお」

近頃よく訪ねてくる、ブーンと言う男。
ドクオの中で徐々にではあるが、ブーンという男への心境が変化してきていた。
最初は、なんて怪しい奴だと、素っ気ない態度で接していたが
ブーンは、そんな自分を咎めようともせずに、根気よく会話してくれた。

そしてその話は実に面白く、毎回違った個性的な友達の話をしてくれる。
覚えてないなんて、嘘だ。


392 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:06:58 ID:MkrdH5hA0
ドクオは、ブーンから聞いた人間を想像し、その人間を石で掘り上げる。
無気力で無趣味なドクオ唯一の、日課であり、趣味になっていた。
誰もいないこの部屋に、友達が溢れていく。

そしてブーンは、自分が死ぬと言えば、全力でそれを止めようとしてくれた。
ドクオの固く閉ざされた心は、静かに開き始めた。


('A`)「俺は、最近この町に来たんだ……」

「知ってるお」

('A`)「あれ、なんで……?」

「ここらは、ご近所ネットワークが凄いんだお」

('A`)「なるほどな……で、ずっと引き籠ってる。これも知ってるよな」

「知ってるお」

('A`)「働かなきゃいけないのは、わかってる……でも外に出るのが怖いんだ」

「……何でだお?」

('A`)「周りの目だ……」

「目……?」

('A`)「あぁ、ここらは、ご近所ネットワークが凄いんだろ?
   なら俺がどういう人間かも、知ってるんじゃないのか?」


393 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:07:24 ID:MkrdH5hA0
「……知ってるお」

('A`)「そんな俺と友達になりたいなんて、ブーンさんも物好きだな」

「おっおっおっ……」

('A`)「悪意は無かったんだ……気付いた時には、轢いてしまってた……」

真夜中で、気付けなかった。
ブレーキに足を置いた瞬間には、フロントガラスが粉々に砕け散っていた。

「ドクオは刑務所でキチンと罪を償ったお。それ以上、自分を責める必要は無いお」

('A`)「でも……他人の人生を奪った事に変わりはない……」

「ドクオ、なら生きなきゃダメだお」

('A`)「……」

「奪ったなら、もう誰の人生も奪っちゃダメだお。それが自分の人生でも、だお。」

('A`)「……」

「わかったかお?」

('A`)「……あぁ、ありがとう……」

「こちらこそ、話してくれてありがとうだお」


394 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:08:02 ID:MkrdH5hA0
('A`)「俺が……」

「お?」

('A`)「もし俺が、この部屋から出たら……」




('A`)「友達になってくれるのか?」





「もちろんだお」

('A`)「そっか……」

「出るのかお?」

('A`)「いや、まだ……でも近いうちに、ちゃんと出るから……その時は……」

「ずっと待ってるお」

('A`)「ありがとう……本当に……」

「じゃあ……今日はこれで帰るお」

('A`)「あぁ、わかった」


395 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:08:29 ID:MkrdH5hA0
「じゃあ、また来るお。バイバイだお」

('A`)「あぁ、また……」

扉の向こうのブーンの気配が消えた後も、ドクオは暫く扉の方を見ていた。

('A`)「……よし」

そして何かを決意したかのように、机に向かう。
引き出しから取り出したのは、頭ほどの大きさの石と、彫刻刀。
先程、モララーを作っていた時のように、慣れた手つきで彫刻刀を石に当て、削っていく。

('A`)「きっと、いつもニコやかで……口元は優しそうで……」

想像を働かせながら、彫刻刀を走らせる。
そして、”それ”はすぐに出来上がった。

( ^ω^)

('A`)「こんなもん、かな」

完成させた”それ”を抱きかかえ、先程丸く並べた、石達の真ん中に座る。

('A`)「こんな顔なのかな……ブーンさんって……」


396 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:09:23 ID:MkrdH5hA0
ドクオがブーンに想像を膨らませている頃。
ブーンは、ドクオの家から離れた所を、早足で一人歩いていた。

「今日も、顔は見れなかったお……」

「死ぬなんて、許さないお……」

「やっと見つけたんだお……」

「それを……死ぬ?死ぬって?」

「ブーンのツンを、殺しておいて?ハッ、死なせるかお……」

「誰からも愛される……美人で優しいツン……」

「奪ったなら、次は奪われろお……」

('A`)「俺が外に出たら……」

「ドクオが外に出たら……」


397 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 02:10:08 ID:MkrdH5hA0












('A`)「友達、か……」

(  ω゚)「殺す……」










rano18.jpg
('A`)イシのようです 終わり。

 





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