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( <●><●>)理想郷のようです

2011/05/07 Sat 14:17

 
294 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:36:26 ID:PiYP7ISIO
時間になったので、投下しますね

http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-876.html

より、No.21
rano21.jpg


( <●><●>)理想郷のようです


295 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:37:36 ID:PiYP7ISIO

ケタケタケタケタ。

舞台で独り、道化が笑う。

ケタケタケタケタ。

縫われた口を歪ませて。

ケタケタケタケタ。

道化が独り、舞台で笑う。


296 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:38:21 ID:PiYP7ISIO
発端は、両親の喧嘩だった。
毎日、毎日。同じ事を飽きもせずに繰り替えす。
それは実の息子すら対象と成り、僕には暴力が襲い掛かる。
学校に行けば、行けばで家での影響からか僕は協調性というものを無くしていた。
そこから、始まるいじめ。
転落は早かった。
登校し、上履きを洗い、机を拭き、椅子を探し出す毎日。
そんな日々の度重なるストレスで、僕の精神は擦り減りきってしまった。
何をするにもやる気が無く、何をするにも力が出ない。
だから僕は、引きこもることを選んだ。


297 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:38:56 ID:PiYP7ISIO
( ・∀・)「誰にも見られない」

それは、僕にとって救いだった。
人に侮蔑されることなく、人に嫌われることなく。
ただ、部屋に篭り続けた。

今日も昨日と同じ一日が繰り替えされる。
真夜中に起きて、PCをいじり朝になれば寝る。
それだけだった。

( っ∀・)「もう寝るか」

気付けば、午前4時。
寝るのにはちょうどいい。
着替えもせずに、僕は寝台へ倒れ込んだ。


299 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:39:45 ID:PiYP7ISIO
――いやはや、なんとまあ珍しい。久方ぶりのお客様だ。

声がした。
いつの間にか眠っていたみたいだ。

( っ∀-)「何……?」

――いらっしゃいませ、お客様。『理想境』へようこそ。

( っ∀-)「ユー……トピ……ア?」

――ええ、ここは『理想境』。 なんの因果か迷い込まれてしまったようですが。

ぼんやりとした意識が、段々と覚醒していく。

――お客様には変わりありませんので、丁重におもてなしさせていただきます。

( -∀・)「はあ……どうも――ッ!?」

(;・∀・)「な、なんだこれ!?」

僕は自室で眠りについたはずなのに。
開いた目が捕らえたのは、劇場の舞台。
薄暗い菫色の光の中に、小さな何かが立っていた。
 
 
300 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:40:44 ID:PiYP7ISIO
( <●><●>)

ぎょろりとした大きな目。
ステッキを片手に、シルクハットを被っている。
黒い略式礼服に、あれは……クラウンパンツといったか。
それだけでも、目を逸らしたくなるのだが、極めつけに。
それの口が綺麗に縫われていた。

なんだ、こいつは。


――先程も申しましたが、ここは『理想境』。貴方のための劇場と思ってくれて構いません。

(;・∀・)「劇場?……待て、お前はなんだ?」

――私めはただの道化にございます。

( <●><●>)

縫われた口が開かれずに歪む。
だが、声はきちんと聞こえてきた。

(;・∀・)(なんだ、どうなっている……なにが……)

何が何だかさっぱり分からない。夢か?にしては、現実味が……。





302 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:41:31 ID:PiYP7ISIO
――気にする事は、ありません。貴方は、今宵の出し物を楽しむ。ただ、それだけです。

(;・∀・)「出し物?」

何も分からない以上、話には乗らざるを得ない。
最悪の愚手ではあるが、他に情報を得る手段はないのだ。

――ええ、まあ簡単な物ではありますが。

( <●><●>)

――貴方が持つべきものは、右手に針を。 左手にハサミを。

(;・∀・)(針とハサミ……?)

――さあ、始めましょう!

(;・∀・)「えっ……うわっ!?」

いつの間にか、自が手に握られていた針とハサミ。


303 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:42:13 ID:PiYP7ISIO
――さあさあ、貴方は何を縫いますか?

――私の腕? 私の目? それとも、貴方の目?

(;・∀・)「……何を言っている」

――これが、今宵の『理想境』の出し物『切り縫き』にございます。

――さあさあ、貴方は何を切ります?

――私の脚? 私の耳? それとも、貴方の首?

ぎょろりとした目が僕を射抜く。
幾重にも、幾重にも、幾重にも!

(;・∀・)「僕を見るな!」

――おやおや、如何しましたお客様?

(;・∀・)「訳が、訳が分からないんだよ!」

――ほお、意味を求めますか。ですが、それこそ意味がありません。

(♯・∀・)「何をっ!」

――意味を求める。つまり、納得したいのでしょう。ですが、それは無駄なことです。

――意味などない。意味を求めることも意味がない。理解出来ないことは、納得出来ない。そういうことです。

( <●><●>)

(;・∀・)「……くッ」

――さあ、改めて始めましょう?


304 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:43:01 ID:PiYP7ISIO
( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも

( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも。

( <●><●>)

幾重にも。


305 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:43:46 ID:PiYP7ISIO
僕を捕らえる、天多の双眸。

――理由?必要ないですよ。

――意味?だからなんです?

――意義?いらないでしょう?


――さあ、貴方のお好きなように!

――理性など無価値。本能のままに!

――『切り縫き』を始めましょう!


何かが、僕の中の決定的な何が切れた。
もう、どうでもいい。

(  ∀ )「だったら…………」

(♯・∀・)「僕を見るなあああああああぁぁぁぁっっ!!」

君の悪い双眸に向かい、針を突き立てた。
何も考えていない。
ただ、勢いに任せて、針を動かし続けた。


307 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:44:31 ID:PiYP7ISIO
( <●><●>)

針が踊る。

( <〇><●>)

針が舞う。

( <+><●>)

針が翔ける。

( <+><〇>)

針が貫く。

( <+><+>)

針が――――。


308 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:45:22 ID:PiYP7ISIO
彼はそうして、針を動かし続けました。
力尽きて、倒れ伏すまで。
そして、目を覚ましたら、忘れていたのです『理想境』の事を。
そこで何があって、そこで何をしたのかを。

ただ。

――ようこそ、『理想郷』へ。


( +∀+)「今日も真っ暗、か」

望んた理想の中に、彼はいるのです。








311 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:47:27 ID:PiYP7ISIO
以上で終わりです

ありがとうございました

うへへ、早漏なので早く投下したくてたまんなかったんすよ

以降の素晴らしい作品にも期待してます


では






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