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608 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 03:19:09 ID:ZahctoAU0
私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん

ただのせぇるすまんじゃございません

私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・

この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします

いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・

さて今日のお客様は・・・

爪'-`)y‐ 「はぁ…」

爪'ー`)y‐  煙藤 和夫  36歳 会社員

    【シベリア公園のアル・カポネ】

オーホッホッホ・・・・・・


609 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:20:06 ID:ZahctoAU0
 シベリア物産にて

爪'-`)y‐ 「……」

(ν・ω・)ν 「煙藤ちゃん!」

爪'ー`)y‐ 「おう、ほわっちょどうした?うちの部署に来るなんて珍しいじゃねェか」

(ν・ω・)ν 「ちょっとお前の様子を見に来たんだよ」

そういうとほわっちょは近くにあった椅子を引き寄せ腰を降ろす

爪'ー`)y‐ 「へぇ」

(ν・ω・)ν 「ところでお前のタバコどうしたんだよそれ?いつものタバコじゃねェじゃん」

爪'ー`)y‐ 「電子タバコよ、値上げしたからワイフに禁煙しろって言われたのさ」

(ν・ω・)ν 「マジかよ、ヘビースモーカーだったお前が禁煙か、まぁ奥さんの言うことだったらしょうがねェな」

爪'ー`)y‐ 「ハハハ…」

(ν・ω・)ν 「ところでよ…」

ほわっちょが声のトーンを落とし顔を近づけてきた


610 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:20:51 ID:ZahctoAU0
爪'ー`)y‐ 「おいおいどうした?オレはそんな趣味無ェぞ」

(ν・ω・)ν 「給料、やっぱカットされてたか?」

煙藤の軽口を流しほわっちょは聞いてくる

爪'-`)y‐ 「ああ、だいぶ削られてたよ…」

近年の不況のあおりを受け煙藤たちの給与は今月から5万円前後削られていた

(ν;・ω・)ν 「5万円カットは痛いよなぁ、ますます家計が苦しくなる」

爪'-`)y‐ 「しょうがねェよ、オレ達にはどうすることも出来ねェ」

(ν;-ω-)ν 「はぁ、二人目がデキたばっかりだと言うのに…胃が痛くなるな…」

爪'-`)y‐ 「お前のうちは大変だな」

(ν;・ω・)ν 「お前のほうこそ大変だろ、カミさんにはちゃんと言ったのか?」


611 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:21:22 ID:ZahctoAU0
爪'-`)y‐ 「今日話そうと思ってる」

(ν;・ω・)ν 「お前のカミさんのことだ、またなんかギャーギャー言われるんじゃねェか?」

爪;'ー`)y‐ 「大丈夫だよきっと、別に俺が悪いわけじゃないし」

大丈夫と言ったものの煙藤は心配だった
もともと煙藤の妻は高圧的で上昇志向が強く、煙藤の仕事内容にいちいち口を出してくるのだ

(ν・ω・)ν 「なら良いけどさ、でもお前もたまにはガツンと言ってやれば?いつもヘーコラしてねェで」

爪;'ー`)y‐ 「無理無理無理っ!俺にそんな度胸無ェから!」

(ν・ω・)ν 「そうか…」

ほわっちょは自分の腕時計をちらりと見る

(ν・ω・)ν 「もうオレ戻るな、せいぜい怒鳴り付けれないように気をつけろよ」

ほわっちょは椅子を元にあった場所に戻し、自分の職場へと戻って行った

爪;'-`)y‐ 「……」

爪;'ー`)y‐ 「どうせまたどやされるんだろうな…ハハハ…」
 
 
612 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:22:03 ID:ZahctoAU0
  煙藤家にて

爪;'-`)y 「なぁ桃子、話があるんだけどさ」

( ○⊿○) 「なによ?」

夕食を食べ終わったあと、煙藤は妻におずおずと給与カットについて打ち明ける

爪;'-`)y 「給料のことなんだけどさ」

( ○⊿○) 「給料?お給料がどうしたのよ」

爪;'-`)y 「じ、実はさ…」

煙藤は意を決して給料が削られたことを告げる

爪;'ー`)y 「給料が減りましてね…」

( ○⊿○) 「……」


613 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:23:13 ID:ZahctoAU0
( ○⊿○) 「いくらよ?いくら削られたのよ」

爪;'-`)y 「ご、5万ほど…」

( ○⊿○) 「なんで減ったのよ」

爪;'-`)y 「景気のせいだよ景気の、不景気だからしょうがないよ」

( ○⊿○) 「……」

爪;'ー`)y 「なぁ桃子、たしかに給料が削られたよ、でもさ」

( ○⊿○) 「でも?」

爪;'ー`)y 「たかが5万じゃないか!そんなすこしやりくりすればどうってことないさ!」

( ○⊿○) 「……」

爪;'ー`)y 「だからこの大不況を夫婦の愛のパワーで乗り切ろうじゃないか!」ガシッ!

煙藤は桃子の手を握る、しかし思いっきり払いのけられた

(#○⊿○) 「ふざけんじゃないわよっ!!この大馬鹿者がっ!」


614 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:23:37 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「えっ?今なんて言った?」

(#○⊿○) 「大馬鹿者って言ったのよ!なにが愛のパワーで乗り切っていこうだよ!あんた自分がなにしたかわかってるの!?」

爪;'-`)y 「だから景気が悪いから減ったわけで」

(#○⊿○) 「なにが景気のせいよ!あんたが評価されてないからカットされたんでしょうがっ!」

爪;'-`)y 「だから俺のせいじゃないって!どこの企業だって多かれ少なかれ給料は減らされてるんだよ!」

(#○⊿○) 「世の中の9割が負け組ならあなたは1割の勝ち組になりなさいよ!弱音を吐くなんて虫けら以下よ!」

爪;'-`)y 「うぐ…」

桃子は顔を真っ赤にし激昂している、一度こうなるともう止まらない

(#○⊿○) 「だいたいあなたっていつも他のモノのせいにするわよね、今回は不景気のせい、情けないったらありゃしない!」

爪;'-`)y 「ううう…」

煙藤も言いたいことはやまほどあるが、狂ったように激怒している桃子を前になにも反論出来なかった


615 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:24:04 ID:ZahctoAU0
(#○⊿○) 「はっきり言ってあなたは無能よ!仕事が出来ない無能人間よ!」

爪;'-`)y 「なんだと…」

(#○⊿○) 「そんなんだから万年平社員なのよ!36にもなって出世できないなんて軽蔑に値するわ!」

爪#'-`)y 「ぐっ…!」

さすがの煙藤もここまで言われたら我慢できない、勇気を振り絞ってこらえていた言葉を吐きだす

爪#'-`)y 「さっきから言わせておけば…俺だって頑張ってるんだよ、汗水たらせて必死に…」

(#○⊿○) 「じゃあなんで給料カットされたのよ!頑張ってないからでしょっ!何度も言わせないでよっ!!」バンッ!

桃子がテーブルを思いっきり叩いた、そのせいで味噌汁がこぼれてしまった

爪;'-`)y 「うぐ…」

桃子の迫力に気圧されて結局煙藤はなにも言えなかった、所詮はチキンなのだ

(#○⊿○) 「ホント情けない…」

爪;'-`)y 「……」


616 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:24:51 ID:ZahctoAU0
( ○⊿○) 「で?どうやって生活していくのよこの先」

爪;'-`)y 「いやだから節約してさ…」

( ○⊿○) 「私は嫌よ、なんであなたのせいで私が我慢しなきゃいけないのよ」

爪;'-`)y 「で、でも…」

( ○⊿○) 「でもじゃないわよ、どんな不況でも主婦業である私の対価は変わりません、これからは5万円分ラクさせてもらうから」

爪;'-`)y 「おかしいだろそれ!なんでそんな発想が出てくるんだ!」

(#○⊿○) 「おかしくないわよ!納得できないなら土日返上してでも工事現場で働けっ!!」

爪;'-`)y 「……」

煙藤はこのまま話し合ってもの折り合いはつかないと悟り、もう喋るのをやめた

爪;'-`)y 「ハァ…」パクッ

夕食の肉じゃがを一口食べる、すっかり冷たくなっていた


617 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:25:18 ID:ZahctoAU0
 次の日の朝 煙藤家にて

爪'-`)y 「ふぁあ、おはよう」

( ○⊿○) 「おはよ」

爪'-`)y 「あれ?朝ごはんは?」」

テーブルに置いてあるのは桃子の分だけで煙藤の朝食は用意されてなかった

( ○⊿○) 「無いわよ」

爪;'-`)y 「なんでだよ!いつも作ってくれてたじゃないか!」

( ○⊿○) 「だから昨日言ったじゃない、5万円分は家事をラクさせてもらうからって」

爪;'-`)y 「おいおい本気だったのかよ…」

( ○⊿○) 「なに?なんか文句あんの?」

爪;'-`)y 「いえ別に…」

( ○⊿○) 「だいたいあなたね、家事というのはあなたが思っている以上に……」

爪;'-`)y 「ああもう駅のそば屋で済ませるからもう行くよ、それじゃ!」

言いあうのも面倒なので煙藤は急いで家から出ることにした


618 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:25:35 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「はぁ…」

煙藤は駅へと向かいながら昨日の出来事を振り返る

爪;'-`)y (くそお…なにが評価されてないから給与が下がっただ、あいつはなにも分かっていないよ)

爪'-`)y (たしかに俺は仕事がすごく出来るわけじゃない、出世だって見込めないし…)

爪#'-`)y (でも会社の足を引っ張ってるわけじゃない、そこそこ貢献してるはずだ!それなのにあいつは…!)

普段吐けない愚痴をココロの中でぶちまける、しかし余計足取りが重くなってしまう

爪;'-`)y (でもあいつは一度言ったら引かないし、どうしようもねェな…)

爪'-`)y 「はぁ…」

煙藤はため息をついたその時、後ろ男が声をかけてきた

('A`) 「どうしたんですか?朝からため息なんて吐いて」


619 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:26:17 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y  「(なんだこの気味悪い親父は…)あ、別になんでもないですよ」

('A`) 「ホントですかぁ?なにかココロに悩みを抱えてらっしゃるのではないですか?」

爪;'-`)y  「そんなこと無いですよ…てかあなた何者ですか?」

('A`) 「オーホッホッホ、実はワタシこういう者です」サッ

爪'-`)y 「ココロのスキマお埋めします、モウツドクゾウ…なんですかそれ?」

('A`) 「ボランティアでカウンセラーみたいなモノをやっているのです
    お見受けしたところあなたのココロにはポッカリとスキマが開いてるようですなぁ」

爪;'-`)y  「ギクッ!なぜそれを」

('A`) 「職業柄あなたみたいな人を何人も見てるので雰囲気でわかるのですよ、どうです煙藤さん、悩みを聞かせてもらえませんか?」

爪;'-`)y  「べ、別に僕には必要ないですよ…」チラッ

煙藤は腕時計をちらりと見る

爪;'-`)y  「やべっ!もうこんな時間かよ!会社なので急ぎます!それじゃっ!」タタタタッ!

電車の時間が迫っていたので煙藤はあわてて駅へと向かった

('A`) 「また会いましょうねぇ、煙藤さん」


620 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:26:56 ID:ZahctoAU0
  シベリア物産にて

爪;'-`)y  「くそお、あの親父のせいでなにも食えなかったぜ…ツイてねェなぁ」

(ν・ω・)ν 「よお朝からしょぼくれた顔してんじゃねェか、どうした?」

爪'-`)y 「実はな…」

昨日の桃子とのやり取りと今朝の朝食の件を話した、喪鬱の件は黙ってることにした

(ν;・ω・)ν 「ひどいこと言うなぁお前のカミさん」

爪'-`)y 「もう嫌になっちゃうよ…」

(ν・ω・)ν 「だからガツンと言ってやれよ、夫としての威厳とかあるだろ普通」

爪'-`)y 「無ェよそんなの」

(ν・ω・)ν 「ハァ、情けねェなお前は…」

爪'-`)y 「ふん…」


621 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:27:28 ID:ZahctoAU0
  土曜日 煙藤家にて 朝

爪'-`)y 「おはよう」

( ○⊿○) 「おはよ」

爪'-`)y 「……」

相変わらず煙藤の分の朝食は置いて無かった

爪'-`)y (まぁ土曜だし別にいいか…しかし今日はどうしよう…)

( ○⊿○)つ□ 「あなたこれ見てよ」

爪;'-`)y 「おいマジかよ」

桃子が手渡してきたのは求人広告だった

( ○⊿○)つ□ 「それで土日働くトコ決めてちょうだいよ、そしてもう一枚」

爪;'-`)y 「ええ…」

次に渡してきたのは職安までの道のりをメモした紙だった

( ○⊿○) 「ほらさっさと探してきなさい、時間がもったいないわよ」

爪;'-`)y 「……」


622 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:28:23 ID:ZahctoAU0
  シベリア公園にて

爪;'-`)y 「はぁ…」

結局煙藤は職安には行かずに公園のベンチに座り時間を潰していた

爪;'-`)y 「どうしようかねぇ…ホントに…」

気分は重く地面の草を眺めていた

爪'-`)y 「ん?」

煙藤がふと顔を前に向けると子供が鬼ごっこをしているのに気付いた

@*゚ヮ゚)) 「待つアルよ~!」

/*`、、 / 「誰が待つかし!だししししっ!」

爪;'-`)y 「はぁ…」

無邪気に遊ぶ子供たちを見て余計煙藤のココロは重くなってしまった


623 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:28:47 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y (いいよなぁ子供は…なにも考えなくてもいいし…)

煙藤はシベリア公園を見まわしてみる

ijd ´A`)  (同し同 ) (∴゚ з゚ )

爪;'-`)y (あの人たち…)

公園にはちらほらと中年の男の姿があった
そしてその男たちからは覇気が感じられなかった

爪;'-`)y (ああ、俺もあんな風なんだろうなぁ…)

煙藤はがっくりと肩を落とす

爪;-д-)y (ああもうどうすりゃいいんだよ!)

('A`) 「相変わらず覇気がありませんねぇ煙藤さん」


624 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:29:19 ID:ZahctoAU0
Σ爪;'-`)y 「うわぁ!?あ、あ、あんたっ!」

公園の観察をしていた煙藤は、喪鬱が隣に座るのに気付かなかった

('A`) 「またお会いしましたね」

爪;'-`)y 「た、たしか喪鬱さん…ですよね?」

('A`) 「ええそうです、覚えててくれましたか」

爪;'-`)y 「ええ、まぁ」

('A`) 「やはりあなたは何か悩みを抱えていらっしゃいますね?」

爪;'-`)y 「ええ実は…」

煙藤は喪鬱に今までの経緯を打ち明けた

('A`) 「ほう厳しい奥さんですなぁ」

爪;'-`)y 「もう大変ですよ…」


625 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:29:43 ID:ZahctoAU0
('A`) 「最近は旦那より奥さんのほうが立場が上の夫婦が増えておりますからなぁ」

爪;'-`)y 「お恥ずかしい」

('A`) 「ところで働く場所は見つかったのですか?」

爪;'-`)y 「それを今どうしようか悩んでるんです、いまどき僕みたいなのを雇ってくれるところなんてありませんよ」

('A`) 「ほう」

爪;'-`)y 「アルバイトだって今は就くのが難しいんですよ、妻はなにもわかってないんですよ」

('A`) 「最近の社会人というのは苦労してるんですなぁ」

爪;'-`)y 「住みづらい世の中ですよ」

('A`) 「どうです煙藤さん、今から一杯やりませんか?」

爪;'-`)y 「でも早く働く場所を見つけなくては…」

('A`) 「まぁいいじゃないですか、ほら行きましょう」 グイッ

爪;'-`)y 「あ、あはい」


626 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:30:16 ID:ZahctoAU0
  BAR バロ巣

爪;'-`)y 「酒呑んでる場合じゃないんですけどねぇ…」

('A`) 「気分転換も必要ですよ、ストレスばかり溜めこんでは体が壊れてしまいます」

( ´W`)つ□ タンッ

爪;'-`)y 「あ、どうも」

爪'-`)
 つ□とグビリ

爪'ー`)y 「ふぅ、酒を呑むの久しぶりですよ」

('A`) 「普段お酒は呑まないのですか?」

爪'-`)y 「以前は呑んでたんですけどね、タバコを値上げを機にやめました」

('A`) 「なぜ煙草の値上げなのにお酒を?」

爪'-`)y 「うちの妻が禁煙をするついでに禁酒もしろって言いましてね
      それ以降酒を呑んではいけないことになってしまったのです」

('A`) 「なるほど」


627 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:30:50 ID:ZahctoAU0
爪'-`)y 「うちの妻は色々とうるさいんですよ、はぁ…」

('A`) 「ここは男らしくガツンと言ってみてはどうです」

爪'-`)y 「無理ですよ、妻に言ったところでなにも変わりませんし、第一そんな勇気無いですし…」

('A`) 「まぁそうでしょうね、煙藤さん見てればなんとなくわかりますよ」

爪'-`)y 「はぁ、もっと自分の意見をはっきりと言えばいいのに、いかんせんチキンですので…」

('A`) 「……」

爪'-`)つ□ 「はぁ…」

煙藤は再びウォッカを呷る、久しぶりなので喉がひりひりする

爪'-`)y 「明日からどうすりゃいいんでしょうかね…」

('A`) 「煙藤さん」

爪'-`)y 「はい?」

('A`) 「アル・カポネをご存じですか?」


628 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:31:21 ID:ZahctoAU0
爪'-`)y 「アル・カポネ?知りませんね、誰ですかそれ」

('A`) 「アル・カポネとは1920年代のシカゴの裏社会に君臨したマフィアのボスのことです」

爪;'-`)y 「マフィアの…ボス…」

('A`) 「かつて禁酒法が施行されてた時代に闇で密造酒製造・販売、賭博業などを行ないシカゴを牛耳っていた男です」

爪;'-`)y 「はぁ」

('A`) 「自分がのし上がっていく過程で邪魔になるものを次々と抹殺、一方政治家や警察を買収し自分の意のままにしたのです
    そうやって自分の組織を拡大と安泰化を図り、実質シカゴ市長ともいえる存在になったのです」

爪;'-`)y 「まさにギャングってやつですね…」

('A`) 「そんな悪の限りを尽くしていたアル・カポネですが民衆からは絶大な支持を集めていたそうです
    悪党でありながら不思議な魅力があったのでしょうなぁ」

爪;'-`)y 「そうですか…」

('A`) 「どうですか煙藤さん、そういうワルに憧れたりしませんか?」

爪'-`)y 「いや僕は真面目に生きて来たつもりですし、そういうのはちょっと……でも…」

('A`) 「でも?」

爪'-`)y 「そういう生き方にも興味はありますよ、僕と正反対の生き方ですし」


629 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:31:48 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「それより喪鬱さん、そのアル・カポネがどうしたんですか、なんか関係あるんですか?」

('A`) 「煙藤さん」ガタッ

喪鬱が立ち上がった

爪;'-`)y 「どうしましたか喪鬱さん?」

('A`) 「もう一軒行きましょうよ、良い店知ってるのですよ」

爪;'-`)y 「え、でも…」

('A`) 「大丈夫です、この店は飲みものはタダですから」

爪;'-`)y 「はぁそうですか」

('A`) 「では行きましょう」


630 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:32:54 ID:ZahctoAU0
BARバロ巣を出て20分ほどが経った

爪;'-`)y 「あの喪鬱さん?」

('A`) 「もうすぐ着きますよ煙藤さん」

爪;'-`)y 「でもここさっきの公園じゃないですか」

煙藤が今居る場所は昼間喪鬱と出会ったシベリア公園だった

爪;'-`)y 「うう寒っ…」

時間はもうすでに夕刻の5時、もうさっきの小学生たちの姿は無かった

('A`) 「次の店はこの公園の中にあるのですよ」

爪;'-`)y 「え、この中にですか?でも…」

煙藤は公園内を見まわすが店らしき建物は見つからなかった

('A`) 「まぁ取りあえずワタシについて来てください」

喪鬱は公園の奥へと歩いていく


631 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:33:14 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「……」

('A`) 「よいしょっと」

喪鬱は立ち入り禁止の柵を越えて公園の端にある林の中へと入っていく

爪;'-`)y 「喪鬱さんそこ入ってはいけないのでは?」

('A`) 「いいからいいからついて来てください」

喪鬱はそんなことは気にせずに林の中へと進んでいく

爪;'-`)y (林の中に何があるんだ…)

煙藤も柵を超え、喪鬱のあとを追っていく
しばらく進むと古ぼけた銅像に出くわした

('A`) 「煙藤さん、着きましたよ」

爪;'-`)y 「えっ、ここですか?」


632 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:33:38 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「でもここなにも無いじゃないですか、汚い銅像があるだけで」

('A`) 「まぁ慌てないで、ちょっと待っててください」サッ

そういうと喪鬱は懐からカードを取り出し銅像へと差し込んだ

爪;'-`)y 「うわっ!なんだこれ!?」

カードを入れた途端、銅像がスライドし地下へと通じる階段が出現した

('A`) 「オーホッホッ、実はこの地下にお店があるのですよ」

爪;'-`)y 「こんなところに秘密クラブが…」

('A`) 「誰かに見つからないように行きましょ煙藤さん」

爪;'-`)y 「あっ、はい」

煙藤と喪鬱は地下へと降りていった


633 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:34:12 ID:ZahctoAU0
しばらく降りて行くと扉に突き当たった

('A`) 「ここですよ煙藤さん」 ガチャン

爪;'-`)y 「う…」

喪鬱が扉を開けるとそこには煌びやかな世界が広がっていた

爪;'-`)y 「おおお…」

店の中は意外と広く高校の体育館あるぐらいだろうか
フロアは薄暗いが照明が良い感じの雰囲気を醸し出させていた

爪;'-`)y (高級クラブってこんな感じなんだろうな…)

("・」・") 「いらっしゃいませ喪鬱さま」

('A`) 「お久しぶりですドノバンさん、今日はゲストを連れてきましたよ」

爪;'-`)y 「ど、どうも煙藤和夫と言います」

("・」・") 「わたくし副支配人のドノバン米田と申します」


634 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:34:43 ID:ZahctoAU0
("・」・") 「こちらです」

('A`) 「オーホッホッ、どーも」

副支配人のドノバンに連れてこられたのは一人掛けの椅子と3人用のソファーがあるボックス席だった

('A`) 「どーぞ煙藤さんお掛けになってください」

喪鬱が一人掛けに椅子に座る、煙藤は三人用のソファーの真ん中に腰を降ろす、テーブルを挟み二人は向かう合う形になった

("・」・") 「ではごゆっくり…」スタスタ…

爪;'-`)y 「……」

こういう雰囲気の店に入ったことが無い煙藤はついつい肩に力が入ってしまう

('A`) 「安心してください煙藤さん、別にぼったくろうというつもりはありませんので」

爪;'-`)y 「いやそういうわけでは…」

すると…

( *б∀б)`ハリ*^ω^ハ 「「こんばんは~」」


635 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:35:20 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「うおっ!」

( *б∀б) 「わたしモエ!よろしくネ!」

`ハリ*^ω^ハ 「初めましてニーでーす、よろしくお願いしまーす」

爪;'-`)y 「ど、どうも…」

モエが煙藤の右側、ニーが左側に腰を降ろす

( б∀б) 「煙藤さんこの店初めて?」

爪;'-`)y 「あ、はい初めてです…」

`ハリ*^ω^ハ 「なに緊張してんの?別に硬くならなくてもいいじゃん」

ニーが煙藤に密着してくる

爪;'-`)y 「!!」

彼女の胸が煙藤の腕に当たる、背徳感やら罪悪感やらがこみ上げてくる


636 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:35:52 ID:ZahctoAU0
( б∀б)つ□ 「はいっ」

爪;'-`)つ□ 「どうも…」

煙藤はウーロンハイを一気に呷る、喉が渇いてしょうがなかった

爪;'-`)y 「ふう…」

`ハリ*^ω^ハ 「いい呑みっぷりね」

( б∀б) 「煙藤さんって普段どんな仕事してるの?」

爪;'-`)y 「ん、いや別にありきたりな普通の仕事だよ」チラ

( б∀б) 「きっと仕事ができるビジネスマンなんだろうなぁ」

爪;'ー`)y 「そんな大層なモンじゃないよ、ハハハ…」チラ

モエとニーは二人とも胸元が大胆に開いたドレスを着ている
なのでついつい胸元に目をやってしまう、男の悲しい性だ

`ハリ*^ω^ハ 「エンドーさんさっきからモエのおっぱいばっか見てるね!」

Σ爪;'-`)つ□ 「な!?そ、そんなことしてないよ!?ううう!」トンク

慌てた煙藤はウーロンハイを呷ってその場をごまかした


637 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:36:49 ID:ZahctoAU0
酒を呑んでるうちに酔いが回り、最初は硬かった煙藤も段々饒舌になっていった

爪*'ー`)y 「へぇモエちゃんって三須照シティ出身なんだ、あそこ良いよね」

( *б∀б) 「煙藤さん三須照のこと知ってるんですか!?」

爪*'ー`)y 「もちろんだよ、よく学生時代にあそびに行ったよ、あそこの古本屋街とか入り浸ってたなぁ」

( *б∀б) 「煙藤さんって文学青年だったんですね!」

爪*'ー`)つ□ 「そんな文学なんて大それたモンは読んでないよ、僕の場合は推理モノばっか読んでたなぁ」トンク

ウーロンハイを胃に流し込む、もう何杯呑んだのかわからなかった

`ハリ*^ω^ハ 「もーっさっきからエンドーさんモエばっかカマッてずるーい!わたしもカマッて~!」

爪*'ー`)y 「アハハごめんごめん、寂しい思いさせちゃったね」

美形でスレンダーなニーに対しモエは、ぽってりとした体つきをしていた
顔はセミロングで目がくりくりしたあどけない顔をしている
煙藤にとってニーよりもモエのほうが自分のタイプに合っていた

爪*'ー`)y (可愛いな…)


638 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:37:16 ID:ZahctoAU0
爪*'ー`)
 つ□と ゴクリゴクリ

`ハリ*^ω^ハ 「エンドーさん良く呑むね」

爪*'ー`)y 「普段呑めないからこういう時にしこたま呑んどこうと思ってね」

( *б∀б) 「禁酒してるの?」

爪*'ー`)y 「カミさんが呑ませてくれないんだよね~、うちのカミさん厳しいから」

( *б∀б) 「煙藤さんの体を思ってからじゃないの?」

爪*'ー`)y 「違う違うそんなんじゃないよ、うちのはただ単に俺をイジメたいだけだよ、あれは鬼だね」

( *б∀б) 「まぁ!」

爪*'ー`)y 「あ~あモエちゃんみたいな優しくて可愛い奥さんが良かったなぁ」

( *б∀б) 「社交辞令でも嬉しいわ!アハハ!」

('A`) 「オーホッホッホ」


639 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:37:40 ID:ZahctoAU0
爪;'-`)y 「あっ!喪鬱さん!」

彼女たちに夢中で煙藤は喪鬱のことをすっかり忘れていた

爪;'-`)y (うわぁ、ずっとこっちを見てたんだろうなぁ…)

今さらながら浮かれて自分が恥ずかしかった

('A`) 「とても楽しそうでしたよ煙藤さん」

爪;'ー`)y 「いやぁお恥ずかしい、年甲斐もなくはしゃいでしまいました」

('A`) 「いいじゃありませんか、たまには羽目を外さなくては」

爪'-`)y 「でも明日からまた職を探さなくてならないと思うと気が滅入りますよ…」

('A`) 「実は煙藤さんその件なんですがね…ちょっと2人だけにしてもらってもいいですか?」

( *б∀б)`ハリ*^ω^ハ 「「はいは~い」」

爪'-`)y 「で、なんですか?」

('A`) 「煙藤さんにこの秘密クラブのオーナーになってもらいたいのです」

爪;'-`)y 「は?」


640 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:38:16 ID:ZahctoAU0
爪;'ー`)y 「なに言ってるんですか喪鬱さん?冗談はやめてくださいよ」

('A`) 「いえいえ、ワタシは冗談など言っておりません」

爪;'-`)y 「無理ですよ!僕がこんな大きいクラブを経営できるわけないじゃないですか!」

('A`) 「煙藤さんに適任だと思いますけどねぇ」

爪;'-`)y 「てかなんで僕なんですか!?他にもっと適任者がいるでしょ、僕はただのしがないサラリーマンですよ」

('A`) 「煙藤さん、ちょっと店の中を見回してみてください」

爪;'-`)y 「は、はい」キョロキョロ

煙藤は店の中を見回してみる、すると

ijd*´A`)  (同し同*) (∴*゚ з゚ )

爪;'-`)y (あれ?あの人たち、昼に公園に居た人たちじゃ…)

('A`) 「どうでしたか煙藤さん、なにか気付いたことありましたか」

爪;'-`)y 「ええ、昼間公園で見た人がちらほらと…」


641 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:39:01 ID:ZahctoAU0
('A`) 「この地下クラブは彼らみたいな会社や家庭で疎んじられてるサラリーマン達を対象にした秘密クラブなのです」

爪;'-`)y 「そういうクラブだったんですか」

('A`) 「彼らにとっても最後の楽園みたいなモノです、他にもこのクラブにはカジノ等のギャンブル施設も備わっています」

爪;'-`)y 「ギャンブル?それってダメじゃ…」

('A`) 「もちろん非合法です、だから地下で隠れて営業してるわけです」

爪;'-`)y 「警察にばれたら一発で逮捕ですよ…」

('A`) 「そんなこと気にしててもしょうがないですよ」

爪;'-`)y 「何度も言うようですが僕には無理ですよ、こんな地下クラブを率いる度胸などありません…」

('A`) 「煙藤さん、そんな弱気のままじゃ一生意気地なしの人生歩んでいくことになりますよ、それでいいのですか?」

爪;'-`)y 「それは嫌ですけど…」

('A`) 「だったらなるべきです!彼らの気持ちがわかる煙藤さんなら出来るはずです!」

爪;'-`)y 「う…!」

m9('A`) 「あなたはシベリア公園のアル・カポネになるのです!!」

m9(゚A゚) 「ドーーーン!!!!」


642 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:39:24 ID:ZahctoAU0
爪'-`)y 「ただいま」

( ○⊿○) 「おかえり、遅かったじゃない」

爪'-`)y 「ちょっとな…」

煙藤は時計を見る、もうすぐ日付が変わろうという時間だった

( ○⊿○) 「で、仕事はどうだったの?見つかったの?」

爪'-`)y 「おう、明日からさっそく行くよ」
  _,
( ○⊿○)「へぇ見つけてきたの、あなたもやればできるじゃない」

爪'-`)y 「ふん…」

まさか本当に仕事を見つけてくるとは思っていなかったらしく、桃子は意外そうな顔をしていた
それは見て煙藤はなんとなく気分が良かった

爪'-`)y 「それじゃあもう寝るから、お休み」

( ○⊿○) 「あ、うん」

煙藤は自分の寝室へと向かった







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