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710 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:39:54.83 ID:pG+MUSgd0
 
マンションの中庭にクリスマスツリーが飾ってあった。
ツリーの根元には、かわいらしいオルゴールがクリスマスソングを奏でている。

よくもまあ、信仰してもいない宗教の記念日を毎年毎年祝えるもんだ。
もっとも、私には一緒に過ごすような人も、過ごしたい人もいないんだけど。


('、`*川「クリスマスなんて爆発すればいいのに……」

物騒な言葉とともに白い息をこぼして、ヒールの踵を鳴らしてエレベーターへと向かう。

ずん、という振動が伝わって、エレベータが開く。
疲れた体を無機質な箱に預け、4の数字を押す。





711 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:42:15.34 ID:pG+MUSgd0



クリスマスだっていうのに、仕事だし、おまけに彼氏もいないし。


何度目か分からないため息をつく。
コツコツ。暗い廊下にヒールの音を反響させながら自分の家を目指す。


('、`*川「ただいま……」

( ФωФ)「おかえりである」

('、`*川

('、`*川「あれ。親父?」


家に帰ったら珍しく、親父が家にいた。




713 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:43:40.17 ID:pG+MUSgd0






('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです






 
 
715 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:44:39.01 ID:pG+MUSgd0

('、`*川「え、親父なんでいるの?」

( ФωФ)「今日は仕事が休みだったのである。
        今チゲ鍋を作ってるから、お前も手伝うである」

('、`;川「えぇ……」

クリスマスに鍋かよ。しかもチゲ鍋。
仕事帰りの疲れてる娘に手伝わせるかよ。このハゲ親父。

心の中で毒づきながらパンプスを脱ぎ、鞄を投げ、上着とストッキングを脱ぎ捨てた。





717 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:45:48.93 ID:pG+MUSgd0

('、`*川「で、なにすりゃいいの?」

( ФωФ)「材料はあらかた切ったので、豚肉とキムチを炒めてくれ」

('、`*川「へいへい……」


親父が鍋にキムチ鍋の元を土鍋に注ぐ。
私はフライパンを火にかけ、ごま油を少量たらす。
ゴマ油の香ばしい匂いが鼻をくすぐる。

('、`*川「あー、いいにおい」

( ФωФ)「さっさとしてくれ。他の具がいれられんだろう」

('、`#川 ムッ

('、`#川「分かってるよ」

手早く豚肉とキムチをフライパンに入れ、軽く炒める。





718 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:48:22.54 ID:pG+MUSgd0

ああ腹立つ。むしゃくしゃする。

( ФωФ)
カセットコンロの上で温められている土鍋を見つめる親父。

何が悲しくてこんなハゲ親父と二人でクリスマスを過ごさなきゃいけないんだろう。
私もリア充だったら彼氏とあまーい聖夜(笑)を過ごすことができたんだろうか。

とりとめのない思考に陥りつつ、私も土鍋に視線を移す。
親父が蓋を開けると、温められた具材から白い湯気が上がっていた。

( ФωФ)「そろそろいいだろう。よそうである」

('、`*川「はいはい」



720 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:49:31.17 ID:pG+MUSgd0

慣れた手つきでお椀に具をよそう。
にら、白菜、豆腐、豚肉、えのき、そしておつゆ。

湯気に乗っていい香りが届く。
うん、美味しそう。


( ФωФ)「ほら」

親父がちょっといいグラスを出してくれた。
中で揺らいでいるのは水道水だけど。

('、`*川

('ー`*川「ありがと」


色気のないチゲ鍋に、水の入ったグラス。
目の前には腹の出た親父。

箸を用意して、手を合わせる。


( ФωФ)「「いただきます」」('、`*川





721 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:50:37.67 ID:pG+MUSgd0

豚肉に齧りつく。うん、うまい。
ちゃんとキムチの味が染みている。
豆腐も口に含む。湯気が口の中で広がる。

( ;ФωФ) ハフハフ

ふと親父に目をやる。
親父はいつの間にかセーターを脱いで、ランニングシャツ姿になっていた。
12月なのに汗までかいている。親父くせえ。

( ;ФωФ)「おい、暑いぞ。窓を開けるである」

('、`*川「へいへい」




723 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:52:13.09 ID:pG+MUSgd0

のろのろと立ち上がりお勝手の窓を開ける。
涼しい、というには些か冷たすぎる風が入ってくる。

( ФωФ) モグモグ

('、`*川 ムグムグ

とくに話すこともなく、二人して無言で鍋の具を食してゆく。


……♪~……♪~~…

('、`*川「あ」





724 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:53:32.85 ID:pG+MUSgd0

愛らしいクリスマスソングが聞こえてくる。
中庭に飾ってあったあのオルゴールか。

('、`*川「…………」

( ФωФ)「周りのビルに反響して、ここまで届くのであるな」

('、`*川「へぇ……」


♪~~♪~~~


( *ФωФ)「結構しっかり聞こえるものだな」

('、`*川

('、`*川「そうだね」

('ー`*川





725 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:55:35.13 ID:pG+MUSgd0

ああ。親父ってこんな顔もするんだ。
小さな時に見た、優しい親父の顔が脳裏によぎった。

('ー`*川


♪~~♪~~~

( ФωФ)「さて、そろそろ〆るか」

彼氏はいないし、仕事で疲れてるし。
冷凍のうどん。色気のないチゲ鍋。
水道水の入ったグラス。

( ФωФ)
目の前に腹の出っ張ったハゲ親父。


('、`*川

('ー`*川





726 :('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです:2009/12/13(日) 23:56:16.69 ID:pG+MUSgd0




でも、こんなクリスマスも悪くないかもしれない。




('、`*川ペニサスはクリスマスなのに鍋を食べるようです
  おわり


 
総合短編(ハートフル・感動) | コメント(0) | トラックバック(0)
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