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(^o^)飛び降りるようです

2009/11/09 Mon 04:19

 
518 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:34:26.25 ID:Q83E0jYLO


ヒュウヒュウ、さわ、さわ。
風の音、葉と葉が擦れ合う音が、此処からだと良く感じられる。
足の裏に、打ちっぱなしのコンクリートの冷たさが、ジンジンと伝わって、床に体温を全て吸いとられてしまうのでは、なんて妄想に、自嘲。

真昼といえど、屋外はやはり寒い。
キンキンに冷えたフェンスを握りしめ、生唾を呑み込んだ。




519 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:35:36.50 ID:Q83E0jYLO



今日、自分は死ぬ。


685410.jpg

 
 

遺書も、きちんとしたためた。
どっかのバラエティー番組で、毛筆以外での遺書は認められないとかほざいていたので、墨まで刷って書いた。

よし。後は、この屋上から飛び降りるだけなのだ。
何度もシミュレーションして、確実に死ねる落ち方まで考案した。




520 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:36:51.71 ID:Q83E0jYLO
思えば、つまらない人生だった。
母親は自分を捨てて蒸発し、父親はまるで腫れ物に触るように接してくる。
物心ついた時から虐められ、友達なぞ出来た事も無かった。
人と会話した記憶も、吃驚する程無きに等しい。
笑顔の数より、涙と怒りと身体に付けられた傷の方が、圧倒的に多いやもしれない。

そして、先日見かけた、父と知らぬ女が腕を組んでラブホテルへと入って行く様を。
もう、限界だった。

でも、終わる。
17年と5ヶ月と13日の今日で、こんな人生はおさらばだ。

ああでも願わくば、友達の1人は欲しかったなあ、なあんて。





522 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:39:06.88 ID:Q83E0jYLO

(´・_ゝ・`)「…何、してんの?」

(;^o^)そ「おっひょぅう!?」

驚いた。自分1人の筈だったのに、後ろには冴えない顔をしたノッポの男。

学校指定のネクタイの色からして、恐らく同級生だ。

その男の左手には、紛れもなく『遺書』と達筆で書かれた封筒と、ズタボロになった上履きが握りしめられていた。




525 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:43:00.99 ID:Q83E0jYLO

(´・_ゝ・`)「…え、自殺すんの?」

(;^o^)「へ?いや、その」

(*´・_ゝ・`)「なあんだ、自殺仲間か。吃驚した。
君も飛び降り?」

へにゃ、と力なく笑うノッポ。
シャツの影から、僅かに根性焼きの跡が見えた。

男はスタスタと歩みよると、わざわざ隣に自分の上履きを置き、フェンスを跨いで、狭い間隔で、その長い足を折り畳んで座り込む。器用な奴だ。

チラ、と男を一瞥する。
下がった眉と、小さな目が印象的な横顔。
間近で見ると、余計冴えない顔だ、と思った。




526 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:44:32.25 ID:Q83E0jYLO

(´・_ゝ・`)「俺さ、見ての通りノッポじゃん?
でも、腕力とか全くなくってさ。格好のイジメの対象だよ。
それに、ヘタレみたいな顔してるし、実際ヘタレだし。
友達なんてのも居ないし、もう生きてんのが嫌になっちまったんだなぁ、コレが」

ハハハ、とまた力なく笑う。その笑顔には、絶望と悲しみが入り雑じっていた。

(´・_ゝ・`)「だから、死に場所にココを選んだんだけどね。
まさか、俺と同じ事考えてる人がいるなんて、ちょっとビックリだなー」

(^o^)「……そう、ですね」




528 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:49:16.05 ID:Q83E0jYLO

(´・_ゝ・`)「あー、でもやっぱカノジョとかは欲しかったなー。ま、もう死ぬから無理か、ハハッ」

(^o^)「……私も、欲しかったですね……ハハ…」

ポツリ、と呟く。
すると、男は「良いことを思い付いた!」というような笑顔で、ポン、と手を叩いた。

(*´・_ゝ・`)「…あ、そうだ!キミがカノジョになってよ!」

(; o )「ブフゥッ!?」

何もないのに、思わず噴いてしまった。

(;^o^)「な、何で……」

(*´・_ゝ・`)「良いじゃん!今から死ぬ者同士、キミもカレシ欲しかったんだろ?」




529 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:50:16.54 ID:Q83E0jYLO

いや、まあそうだが。
確かに欲しかったのは事実だが、こんな形で実現するとは思わなかった。

(*´・_ゝ・`)「そうだ、恋人になるからには色々聞かないとな。名前は?」

(;^o^)「…オ、大和田です…大和田、セイコ」

(*´・_ゝ・`)「へー、良い名前じゃあないか。俺は盛岡デミタス。宜しくな」

その後、盛岡君と色んな話をした。
盛岡君は留年していること。
私が昨日誕生日だったこと。
飼っているハムスターが食いしん坊だということ。
父親が知らない女とラブホへ入っていく姿を見たこと。

いっぱい、いっぱい話して、彼は真剣に聞いてくれた。




531 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 15:52:51.89 ID:Q83E0jYLO

(´・_ゝ・`)「…さぁて、そろそろ時間かな」

(^o^)「何がですか?」

(´・_ゝ・`)「死ぬタイムリミット。もうすぐ死なないと、死ねなくなっちまう」

言葉の意味は分からなかったけれど、一応相槌をうった。
同時に、自分はまだ死ぬ気だったのだと改めて気づかされた。


(´・_ゝ・`)「そうだ、手を繋いで飛び降りようよ」

ホラ、と手を差し出される。
大きくて、ゴツゴツして、傷だらけのその手。

迷う事なく、その手を取った。
すると、手を引かれて、おもむろにキスをされた。
一秒、二秒、思ったよりも早く、すぐに唇が離れた。


(´・,_ゝ・`)「サヨナラだ」


彼はニコリ、と笑った。
そういえば、廊下が騒がしい気がする。何故だろう。




533 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 16:03:44.45 ID:Q83E0jYLO

(#´_ゝ`)「何をしている!!」

いきなり、ドアを強引に開ける音と、知らない男の人の怒号が屋上に響き渡る。
ヒッ、と小さく悲鳴を上げた私を、彼は庇うように抱き締めた。

(´<_`;)「盛岡君!馬鹿な事を考えるな!来い、罪を償うんだ!」

罪?何のことだろう。
盛岡君を見上げると、垂れた眉を精一杯釣り上げて、男の人を睨んでいた。

私が慌てふためいている間にも、ぞろぞろとスーツを着た男の人達が現れてくる。




534 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 16:06:25.46 ID:Q83E0jYLO

(#゚д゚ )「盛岡デミタス!連続殺人事件の現行犯で逮捕する!」

連続殺人?盛岡君が?
制服の裾を掴む手から、手汗が滲む。

(´・_ゝ・`)「刑事さん」

(#´_ゝ`)'「あ?」

その瞬間、私の身体が宙に浮いた。

(;^o^)「ひゃっ!」

(;´_ゝ`)て「わっ…とと!?」

私はフェンスの内側に投げ飛ばされ、ぼす、と刑事さんの腕の中へスッポリ収まった。

(;^o^)「な、何を」

(´ _ゝ `)「…愛してるよ」


そんな、待って。




535 :(^o^)飛び降りるようです:2009/11/08(日) 16:08:06.76 ID:Q83E0jYLO

(;^o^)「ま、待っ」

それだけ言うと、彼は、ヒラリと飛んで

(;o;)「ああああああああああああああああああああああああ!!」


重力に逆らう事なく、私の目の前から消えていった。






(^o^)飛び降りるようです

終わり

 
総合短編(シリアス・鬱・ホラー) | コメント(0) | トラックバック(0)
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