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667 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:29:40 発信元:221.39.238.147

( ^ω^) in the ドームのようです


dome ≠ doom




数字と紙、博愛と悪徳、空と物理、惰性と循環、人と世界。


668 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:31:15 発信元:221.39.238.147

- 自室 -


( ^ω^)「毒男ん、兄者ん、聞きたい事があるんだけどお」

('A`)「キメェ、お前の語尾がその口調だと自然に聞こえて更にキメェ」

( ^ω^)「ヒドス」

( ´_ゝ`)「聞きたい事って?」


漫画本を頼んだら、普通に部屋に届けられた。

頼めるものは1日に1回1つきりなので、今回はこれのみ。

ジョジョ全巻のみ。ふっふっふ。


( ^ω^)「3人になる前、僕ら1人で別々の部屋にいたお」

('A`)「そうだな、お前らに会うまで夢か何かかと思ってた」


670 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:34:20 発信元:221.39.238.147

毒男の機転で、一冊ずつ頼むよりもまとめて頼んだほうが、

「今までに出版されたジョジョの奇妙な冒険をお願いします」

と頼んだほうがいいのではないかと言い、見事に成功したのだ。

この言い方を使えば、「家具一式下さい」等の楽が出来る。


( ^ω^)「その時、部屋に何かの言葉がなかったかお?」


毒男は、ジョジョ第四部辺りまで読んでいたらしい。

らしいと言うのは、読んだのが結構前で、記憶が朧気だからだと。

是非これを読み返して、当時の興奮を思い起こしてほしい。


( ^ω^)「僕は、『諦めは死へと』ってあったんだお」


兄者はこの独特の絵柄でジョジョを敬遠していたのだが、

読んでみると面白いとの事。食わず嫌いはいけない。


( ^ω^)「二人は、何かなかったかお?」


671 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:37:21 発信元:221.39.238.147

('A`)「俺は『理性の無謀を』だったな」

( ^ω^)「意味がわからないお」

('A`)「俺だってわかんねーよ、にしてもブーンのは何か、危ないな」

( ^ω^)「これは僕でもわかるお。諦めたら死ぬって事だお」

('A`)「でもスピーカー、死ぬ事はないって言ってたよな」

( ^ω^)「……あれ…………どうしよう……?」

('A`)「諦めんなよ、後でスピーカーに問いただそうぜ」


自分で振った話題だけど、背筋が冷える。

何だろう。僕は今までずっと諦めて二人に任せてきた。

その諦めと、掲示された諦めは違うんだろうか。

毒男のも意味がわからないが、字面が不穏だ。

ここまでくると、兄者のが何なのか気になる。


( ^ω^)「兄者、兄者のは何だったんだお?」
 
 
673 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:40:25 発信元:221.39.238.147

無反応。なんというシカト。


( ^ω^)「おーい、その耳引き千切ってハゲにしてやろうかお」

( ´_ゝ`)「え、あ、ごめん、本読んでて聞いてなかった」


マジか、こういう時は聞き耳を立ててる奴だと思ってたのに。

仕方がない。僕が1から説明して……―


『10時だよ。隣部屋へ移動してね』


―……やる暇はなくなった。畜生。

読んでた本を丁寧に積み重ねて、ドアへ向かう。


ま、自分の好きな漫画を熱心に読んでくれるのは悪い気はしない。

今日の夕食事時にでも聞いてみよう。




674 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:44:07 発信元:221.39.238.147

( ´_ゝ`) in the ドーム



漫画の続きが気になる振りをして、最後まで部屋に残る。

どうにもこうにも、これは吐き出さないと収まらない。


( ´_ゝ`)「『愚者を殺めよ』……なーんて、言える訳ないだろクソが」


愚者と読んで、あの状況では内藤が一番に浮かび上がった。

内藤に失礼極まりないと解ってはいるが、贔屓目に見ても頭はよろしくない。

弟が現れた時はそういう事かとも思ったが、それも含めて別の意味合いがある。


( ´_ゝ`)「嘘吐いても後々バレそうだしなあ、どうすっかなあ……」


昔、中学生時代に鬱田に注意されてから、独り言は1人で喋るようにしている。

確かに、そのほうがいい。自分の為にも、他の為にも、友人の為にも。


676 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:45:40 発信元:221.39.238.147

それにしても腹が立つ。誰がではなく、自分が。

あの状況であの話題が出たのは良かったのだが、とてもよかったのだが、

自分の掲示を喋るのが前提となると、俺は口籠るしかない。


話題を振った内藤自身を怨む気持ちはない。俺が最初に語るべきだった。

本当はもっと前に言おうとしていたのだが、すっかり失念していた。


俺の身内が来たから、お前らも前もって覚悟しておいたほうがいい。

なんて言葉に乗せて、二人の掲示を引き出すつもりだった。


結果的に、何もしなくても二人のを勝手に聞く事はできたが、

自分の掲示が何なのか聞いてくるだろう。注意喚起すらできていない。


こんな状況の時は、少し重い空気のほうが重い話題を振り易い。

さっき、注意だけでもしておくべきだった。本当、誰か俺を殴ってくれ。


677 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 22:48:42 発信元:221.39.238.147

『次の部屋に進んでね』


( ´_ゝ`)「はいはい黙れ」


最早、このやり取りは恒例行事。

初の知恵比べをしてから、五日が過ぎている。

この五日間は、初日にやったような問題を延々とやっていた。

飽きてきたとは言わない。ずっとこれが続けばいい。

スリルなんて求めていない。危険には身を晒さないほうがいい。

自分の身内が出た事から、二人の家族も出やしないかと心配したが、

それは杞憂だった、とは、完全に言い切れない。

例えば一週間後、一ヶ月後、ある程度の期間をおいて、

またあのような状況になりはしないと断言できないのだ。


覚悟しておいたほうが、その時冷静に状況を判断できる。


681 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:03:02 発信元:221.39.238.147

( ^ω^)「何やってんだお、遅いお!」

( ´_ゝ`)「悪い悪い」


これも、もういつもの事に嵌め込まれている。

遅れた奴を呼ぶのは、いつだって内藤だ。


( ^ω^)「部屋に帰ってくれば、漫画なんていつでも読めるお」

( ´_ゝ`)「……そうだな」


正常なまま、本を理解し、読める状態のまま部屋に戻れるのは絶対じゃない。

それと、部屋に『戻ってくる』のではなく『帰ってくる』と言った内藤。

本人は気付いていないだろうが、俺はその順応力に恐怖にも似たものを覚える。


( ^ω^)「さっさと来るお、また兄者と毒男の出番だお」

( ´_ゝ`)「少しはお前も考えろよ」

( ^ω^)「難し過ぎて鼻血出そうだお、熱出る前にやめたお」


684 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:06:03 発信元:222.5.63.150

( ´_ゝ`)「それでいいのか?」


今の言葉は、遠回しな諦めの言葉にしか聞こえない。

内藤に掲げられた言葉は、『諦めは死へと』。

これは、内藤が死ぬのではなく周囲の人間が、だろうか。

スピーカーを見て見るが、何の反応もしていない。


( ^ω^)「兄者と毒男がいるから、大丈夫だお」

( ´_ゝ`)「俺と鬱田が消えたらどうするんよ」

( ^ω^)「じゃあ二人についてくお」

( ´_ゝ`)「いや、そういう意味じゃなくてだな……」


言っても、こいつには無駄だろうな。

けど、あの掲示を聞いてから心配でならない。

毒男は、愚かな選択するか、暴走してしまうかの暗喩だろう。


( ´_ゝ`)「俺は、お前らが死んだら、きっと哀しいよ」





685 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:07:45 発信元:221.39.238.147

('A`) in the ドーム


また、部屋で二人で何か話しているようだ。

悪口の類を言い合うような仲ではないので、聞き耳を立てはしない。

が、それでもちょっと、疎外されたような気持ちになる。


……この間に、先に問題を解こうにも、全員が揃うまで出題はしない。

目の前にある三つのスピーカーは、沈黙を貫いている。


( ^ω^)「部屋に帰ってくれば、漫画なんていつでも読めるお」


お気楽な声、言葉、意見。流石の溜め息。

部屋を家感覚で扱っているブーンに、思わず噴き出す。

相変わらず能天気な奴だ。でも、変わらないでいてほしいと思う。

今までのように、これからも。……流石は、少し改善してほしい。


流石とブーンを鉢合わせた時にした、心臓が凍る思いを懐古する。


686 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:09:45 発信元:121.2.98.95
引きこまれる


687 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:10:51 発信元:222.5.63.162

ブーンとの出会いは、彼がバスケゴールに投げたラグビーが跳ね返り、

俺の後頭部に直撃したのが最初だった。出会いは最悪と言えよう。

でもまあ、本人はバカだが悪い奴じゃあない。今では結構好きだ。


ブーンは運動神経がいい。太っているが、俗に言う動けるデブだ。

走る、跳ぶ、走るといった単純な運動ならば好成績を残すのだが、

スポーツ等の複雑なルールが絡むと、途端に音痴になる。

ソフトボールと野球の違いや、フットサルとサッカーのルールの違いが

わからないといった可愛いものではないぐらいの勘違いぶりなのだ。

具体的に、一行で、簡潔に説明するとすれば、

『バレーの時間にラグビーボールでバスケをしようとしていた』

と、こうなる。そしてこれが嘘ではなく真実なのだ。

それがこの一、二行目。乱数調整なんて目じゃない。


鼻血を出して気絶した俺は、ブーンに背負われて保健室に運ばれた。

何でも人を殺してしまったと勘違いし、絶叫しながら廊下を駆け抜けたと。


688 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:12:42 発信元:221.39.238.147

そのお陰で、その所為で、学校内での俺の知名度は鰻登りとなった。

いじめっ子達にとって、俺みたいなのは格好の標的にも程がある。


ガクブルしながら向かった翌日、校門でブーンの出迎えがあった。

「お前なんかと関わったから僕は~」等と言われると予想したが、

「昨日はごめんお~」と軽い調子言いながら、ぽんぽんと肩を叩かれた。

そしてそこに、別件で俺に謝りに来た流石とばったり出会う。

流石との前日が前日だったので、肩を叩かれている俺が、

昨日のDQNの仲間に絡まれていると勘違いしたらしい。

持ち前の能天気さを発揮したブーンによってその場は収束したが、

あの時は色んな意味で生きた心地がしなかった。


そんなブーンにとっちゃ、今の状況は不利以外の何者でもない。

ここは頭を使う場所らしいから体力的なものはないと思うが、

体力を使うようなものが来るのを祈るばかりだ。


689 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:14:10 発信元:222.5.63.150

流石との出会いはブーンとはまた別種で、最悪度を更に上回る。

あの有名な不良である弟者の双子の兄であるというのが先入観。

第一印象はガリ勉野郎。あと無口。ぶっきらぼう。毒舌。見下し。

並べ立てれば後がないので先に進む、印象は取りあえず上記。


出会いは社会見学のグループ会談で、前後の席、背中合わせの席になった。

本人は覚えてないだろうが、凄まじい発言をしてくれたので覚えている。


教師が弱気で強く出れないのを見て、調子に乗ってふざけるDQNに、


 『お前はどれだけ文字を読まないように努力してるんだ?

  そういう宗教だとか、親の遺言だとかなら話はわかるんだが』


と言い放った。そこのグループだけでなく、教室が固まった。

あまりの空気の読めなさに、俺が焦った。無関係なのに。

教師は絶句。火に油を注がれてしまったのだから。


690 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:15:01 発信元:121.2.98.95
兄者はほんと流石だな


692 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:16:05 発信元:221.39.238.147

当たり前のようにキレたDQNが、月並みな暴言を吐く。

それに動じない流石にブチっときたのか、胸倉を掴んで引き寄せ、

拳を突き出した体勢のまま、全力の頭突きを鼻っ面にお見舞いされた。

思い出すだけで、鼻がじーんと痛くなる光景だった。あれは。


流石の頭突きの力に、胸倉を掴んで引き寄せる力、

DQN自身がガンつけようと顔を前に出そうとしていたので、

そのDQNの鼻骨に罅が入るという自体に陥った。自業自得。


その頭突きをお見舞いした流石自身と言えば、

「いってーな、頭ぶつけたじゃねーか、いきなり何しやがる」

と、平然と言い放った。やはり兄弟。教師はここでようやく動く。


誰がどう見ても流石が頭突きしたようにしか見えなかったが、

あいつの兄という事実も拍車をかけ、一応事故という形で無罪となった。


694 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:16:57 発信元:222.5.63.159

……あの時、頭突きをくらったDQNが自分のほうに倒れてきて、

椅子から転げ落ちる破目となり、それが流石が俺を認識した瞬間だ。

目の前で手加減なしのヘッドバッドを繰り出した奴に心配されるのは、

何か裏があるんじゃないか、校舎裏に呼び出されるんじゃないかと怖かった。


けど、まあ、普通に保健室一緒に行って、意外と話が会うのがわかって、

本人は言動がちょっと、かなり、向こうのほうに行ってるけど面白い奴で。

そして翌日校門でブーンに肩を叩かれているところで出会い、今に至る。


人生って、こんなもんだよね。自分でそう納得させている。


それにしても、あの第一印象から、ああも暴力的な印象はなかった。

授業参観で来た、筋骨隆々の大男……いや、大女が母と聞いた時、

物凄く、物凄く納得できたけど。遺伝子って不思議だ。


('A`)「あれって、女装じゃないのかな……まだそのほうが納得でき」

( ´_ゝ`)「誰が?」


695 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:19:27 発信元:221.39.238.147

(;'A`)「さっ、流石! 兄者! とブーン!」

( ´_ゝ`)「フルネームで呼ばなくてもいいっつの」

( ^ω^)「何その付け足し」

( ´_ゝ`)「それに俺は名字が紛らわしいから、区切って呼ばんでくれ」

(;'A`)「ごめん、考え事してて、びっくりして、つい」

( ^ω^)「シカッティングファイヤーって言葉あったおね、僕今体験してるお」


心臓に悪すぎる。二人は古武術の使い手か何かか。

そう言えば、こいつらの父親はとても影が、存在感が薄かった。

まるで頭部の髪の薄さを能力の代償にしたかのように、異常なまでに。


道が違えば、腕利きのスパイにでもなったんじゃないかこいつら。


『それじゃあ、出題するよ』





701 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:24:35 発信元:221.39.238.147

( ^ω^) in the ドーム


( ^ω^)「変な部屋だお」


入って右側に机があり、その机の上に3つ、天井に1つのスピーカー。

部屋の奥は広く、長方形のような空間だ。食堂にも似ている。


『ここに3つのスピーカーがある』


ふと思ったけど、線が繋がってないって事は無線なんだろうか。


『1つは常に真実を言う正直者、1つは常に嘘ばかり言う嘘吐き』


ここまではいつも通りだ。

2つのスピーカーと、その後ろにいくつかのドアがあり、

その正否を求める問題を問題を何個かやってきたが、

スピーカーが3つでドア無しは今回が初めてだ。どうくるのか。


703 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:28:14 発信元:221.39.238.147

『1つは状況により真実と嘘とを使い分けて言う人間』


( ^ω^)「ハハッ、ワロス」

('A`)「はえーよデブ」


『出題中に私語は慎むように』


毒男は「内藤君、諦めるのちょっと早いよ」と言いたかったのだろう。

確かに、スピーカーの放送に割り込んだ僕が悪かった。謝罪する。

だが、最後の言葉を語尾として聞き流してやったので、借りは無しだ。


『この3つを A B C とし、それぞれが次のように発言する』


天井のスピーカーからぶつっと切断する音が聞こえ、

代わりに机の上のスピーカーからぼぉんと音が。


704 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:30:26 発信元:222.5.63.158

以下、右端のスピーカーをA、真ん中をB、左端をCとする。


A『私は正直者ではない』

B『私は嘘吐きではない』

C『私は人間ではない』


今度は机の上のスピーカーが切れ、天井側が。

まさかこの為だけにスピーカー3つ用意したとかないよな。


『このとき A B C は、何者になるかを特定せよ』


正直者は嘘は言わないので、BかCということしかわからない。

成程、もう駄目だ。わからないという事しかわからない。


( ^ω^)「よし! 任せたお!」


705 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:33:27 発信元:221.39.238.147

怒りの手刀か平手が来ると予想して、一歩飛び出て振り向く。

ごつっと鈍い音。出遅れたかと思ったが、痛みはない。

よく見ると、兄者が俯いている。その頭上には板がある。

いや違う。天井が落ちてきているのだ、フィクションのように。


『ペナルティ付加』


('A`)「へ?」

( ^ω^)「え?」


『ペナルティ、落下ブロックへ触れた流石の解答権の剥奪』


( #´_ゝ`)「あ?」


『ブロックが床へ触れた時点で、全員の解答権を剥奪する』


おいちょっと待てなんだこれは。


707 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:36:13 発信元:222.5.63.159

あ、まさか僕の所為?


『これ以降ギブアップと見なされるものを宣言した場合』


全面的に僕の所為でした。ごめんなさい。抓らないで。


『流石がブロックから手を離した場合、全員がブロックへ触れた場合』

『解答権を取り上げ、敗北とする』


……敢えて言うならば、僕にこんな問題を出したスピーカーが悪い。


『音声による解答は認めない。用意された鉛筆と用紙に解答する事』

『鉛筆と解答用紙は、この部屋の奥にある。私物は許可しない』

『このスピーカーの下部がカメラとなっている。見えるように書く事』


なんかもう頭頂部に手を置いて/( ^ω^)\としかなれない。

こんな時どうすればいいのか。いっそ踊ってしまえばいいのか。


709 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:37:29 発信元:122.102.225.250
ドキドキ


710 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:39:04 発信元:221.39.238.147

(;'A`)「ブーン、何やってんだ走れ!」

( ^ω^)「はい?」

('A`)「俺は足速くないし、流石は母者の子供だし、お前が走れ!」


兄者を見る。身長順に、一番最初にブロックに触れるのは兄者だ。

スピーカーはそれを読んでいたんだろうか。違うよな。

おろおろしていると、毒男に殴られ兄者に睨まれたので、脱兎の如く駆け出す。


( ;^ω^)「オーケー僕はもう風になるお!」


目標は50mくらい先。一体この建物はどうなって、とか考えない。


( ^ω^)「紙とペンGET!」


遠くで毒男が「はっや!?」と叫ぶのが聞こえた。

徒競走でデブピザふくよかと罵った奴らを追い抜く快感が背筋に走る。

それとこれとは違うのだが、似たような優越感に満たされる。


712 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:42:05 発信元:221.39.238.147

さあ毒男にこれを、と駆け出そうとした時、三半規管に違和感。

具体的には、足元に違和感。何だか、地面が斜めになったような気が、


('A`;)「ブーン! 何やってんだ戻れ! 壁が迫ってるぞ!」

( ^ω^)「えっ」


思わず立ち止まって両脇を見る、僕のバカ。しかし気付いた。

壁と床の接地面が直角ではありません、本当にありがとうございました。


(  ゚ω゚)「っちょおおおおおおおおおおおおお!!111」


壁が迫ってると言うか、壁と床が迫っている。どんなトラップだ。

いや待てよ、これは、迫っていると言うか、斜めになっている。

毒男達のいる場所がさっき走り出した状況と変わらないのに対して、

紙とペンがあった机が天井に近付いている。なんだこれ。

死なないんじゃなかったのか。これ死ぬだろスピーカーさんよ。

いや天井が落ちてきてるのか? もう何がなんだかわからない。


714 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:44:22 発信元:221.39.238.147

兎も角、道が斜めになって走り易くなった。

つまりスピードがつくってわけだ。

そして目の前には毒男。兄者。

何故か兄者がブロック下から出てるのは置いといて、

毒男逃げて超逃げて!


(  ゚ω゚)「そこどいてぇえええええええええええ!!!」












('A`) in the

時間は数分巻き戻る。


718 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:46:51 発信元:222.5.63.154

速い。予想よりも速い。いいぞブーン風になれ。

ブーンの足が速いのは知っていたけど、こんな時だと頼もしく見える。

さて、俺は推理を……


『アイテム取得。ペナルティ付加します』


え? なんだか嫌な予感。

ごごっと音がしたから壁が上がったのかと思ったが、これは。


('A`;)「ブーン! 何やってんだ走れ! 壁が迫ってるぞ!」


ブーンのいる場所が狭まっている。なんだこれどこのホラー映画だよ!

呑気に辺りを見回してる余裕なんてないだろ! なんでこんな事に!


( ´_ゝ`)「ごめん、多分俺の所為」

('A`)「え、なんでお前ブロックから出てんの」


ちょいちょいと示す指の先を見れば、そこには机。机の下にスピーカー。


720 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:49:53 発信元:221.39.238.147

それらの物品が、ブロックの下に、いや、流石の代わりにブロックを支えている。

みしみしぎしぎし不穏な音。それにスピーカー達からのブーイング。悲鳴。


『ナニシヤガルモドセ』 『ギャアアアアアアア』 『コワレルウウウウウウウウ』


ちょっと愉快。

っていやいや、笑っていられる状況じゃないだろ。


( ´_ゝ`)「スピーカーを地面に置いたのは机が壊れた時の保険なんだが」

('A`)「言わなくていいよわかったから、ってかブーンおま」


そこどいてとか叫ぶ前に、お前が進路変更を、って、ちょっと、






( ´_ゝ`) in the

時間は数秒先へ進む。


724 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:52:26 発信元:221.39.238.147

綺麗に人型にくぼんだブロックを見て、内藤を見て、ぞっとする。

案外脆い材質なのかもしれないが、それでも大きさに見合う重量はあった。

上から機械で押していたのかもしれないが、叩けば硬い。中身のある音。

これで鼻血だけで済むなんて、内藤は人間じゃないんじゃなかろうか。


( ;ω;)「うう、鼻が痛いお……」

('A`)「鼻じゃなくふぐりだろテメーのは、こっちは死ぬかと思ったぞ」

( ;ω;)「僕は頑張ったお、少しは労っても罰はないお」

( ´_ゝ`)「ああ頑張ったな、そしてすまん」

( ^ω^)「何がだお?」

( ´_ゝ`)「途中で壁迫ってきたの、あれ俺の所為」

( ^ω^)「は?」

( ;´_ゝ`)「机寄せる時にうっかりブロックから指をいたたたたt痛いって!」


( ^ω^) in the

時間はそのまま。


727 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:55:53 発信元:221.39.238.147

思いも掛けない人物と締め上げた所で、毒男の答えを覗き込む。


 『「正直者」は常に真実を言うので、Aが正直者の発言ではないことがわかる。

  「嘘吐き」は常に嘘を吐くので、AやCが嘘吐きの発言ではないことがわかる。

  「人間」は真実も嘘も言う。だが、その答えは上二つで導き出す事が出来る。


  これにより、正解は A=人間 B=嘘吐き C=正直者 となる』


ほうほう、と顎を撫でる。数学の証明みたいな答え方だ。


(;'A`)「あってるかな?」

( ^ω^)「僕に聞かれても……」


どうせなら、あそこに転がってる兄者に聞いてほしい。

僕はあいつのお陰で死ぬ思いをしたんだ。これくらい……。

待てよ、そもそも兄者がブロックに潰されたのは僕の所為だ。

あれ、やばい、これは後々歪になりそう。謝るべき?


730 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:00:07 発信元:221.39.238.147

『正解、クリア』


上から聞こえてきた放送に、胸を撫で下ろす。

次の部屋へのドアが開いたが、兄者が起き上がる気配はない。


( ;^ω^)「僕の所為だし、僕が担いで行くお……」

('A`)「なんかごめんな、足持とうか?」

( ^ω^)「いやいいお」


よっこらとせと兄者を担ぐ。あれ? 意外と軽い。

人間ってのは、意識が抜けてると重いと聞いたけど。


(  _ゝ )「後で覚えてろよ」 ボソッ

( ;^ω^)「………………ごめんお」 ボソッ


ええ、意識のない人間ってのは、体から力が抜けてるから重いんでしたね。

意識のある人間は、ねえ……。








731 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:01:35 発信元:222.5.63.161
今回の投下はこれで終わりです
支援ありがとうございました

途中で答え当てられた時は嬉しいような哀しいような複雑な気分になりました
もっとやって下さい


  711 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/31(土) 23:40:25 発信元:27.230.138.223
  ちょっと待ち時間長めだから解いてみるかな
  AもCも嘘吐きにとって真実だからBが嘘吐き
  だからA人間B嘘吐きC正直


視点の練習なので視点がぐるんぐるん変わりました
批評感想等ありましたらよろしくお願いします


732 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:02:49 発信元:118.159.131.27
乙乙
解いていいのか


733 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:02:55 発信元:27.230.138.223
面白かったですごめんなさいごめんなさい


735 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:05:40 発信元:222.5.63.158
>>732
解いて下さるとめっちゃ嬉しいです

>>733
もっとやって下さい


734 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:03:38 発信元:122.102.225.250
乙!
自分は考える気にもならなかったww
答えみると、スカッとするな


739 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:10:34 発信元:221.39.238.147
>>734
そうですか
今度は解いてみたくなるようなものを書くよう頑張ります

一ヵ月期限が迫っているのでこの辺りで失礼します
読んで下さった方ありがとうございました


736 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:08:08 発信元:119.245.203.2
乙乙!!


737 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:08:55 発信元:121.2.98.95
乙! 


738 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/08/01(日) 00:09:59 発信元:118.159.131.37


最近「乙乙」とか「乙!」みたいなのばっかりで
普通に乙と書いたらテンション低そうに見えるな


  




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コメント
これだいすきだ

もうちょっと一話が長いといいのになあ
>>1
シベリアは30レス以内がルールだからこれ以上は無理だろ
>>2
ああ、そうなのか
最近まとめでしか見てないから気づかなかった、ありがとう

続き期待
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
やはりここでも、どっくんは不憫な子

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