スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
52 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 22:54:24 発信元:221.39.238.147
ttp://sogomatome.blog104.fc2.com/?no=481
の続きを投下します。

連作物。視点の練習。
携帯とで交互に投下していきます。


53 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 22:57:17 発信元:221.39.238.147

( ^ω^) in the ドームのようです


till doom 永久に

till the crack of doom 世の終りまで




結局のところ、あらゆる力が支配する世界。


54 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 22:58:30 発信元:222.5.63.159

- 自室 -


『おはよう、6時だよ』

『おはよう、6時半だよ』

『おはよう、7時だよ』

『おはよう、7時半だよ』


( -ω-)「んんん…………」


『おはよう、8時だよ』

『おはよう、8時半だよ』

『おはよう、9時だよ』

『おはよう、9時半だよ』


(;'A`)「起きろブーン! ブーンってばオイコラ!」


( ;´_ゝ`)「頼む内藤起きてくれ! 五月蠅くて敵わん!」


55 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 22:58:55 発信元:221.39.238.147

いつもより布団が柔らかく感じられる。枕も。

お陰で、睡眠欲は未だに絶好調。有頂点。


『おはよう、9時45分だよ』


( -ω^)「んー……?」

( ´_ゝ`)「いいぞ内藤! そのまま両目を開けるんだ!」

(;'A`)「開けたら瞬き以外で閉じたちゃ駄目だぞ!」


僕の目覚し時計って音声タイプだったっけ?

何か兄者と毒男の二人の姿も見えるし、これは夢か。

夢の中でまで眠いとは我ながら。それではお休み。


( -ω-)「ご、5分……」

( ;´_ゝ`)「ここはお前の家じゃないんだぞ! 寝るな!」

('A`)「こうなったら最終手段!」


58 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:00:07 発信元:221.39.238.147

         ヽ('A`)ノ <いざ逝かんヴァルハラへ!
           ( )
           レレ  ⌒  、从/
                
      /⌒3/ヽ-、___
   「`ゝ _/____/
     ̄

-------------------------------------------------



         ズドム



(  ゚ω゚);:'∵;.「ぐぼっほ!!?」


( ´_ゝ`)「おお!」


('A`)「なんかごめん」
 
 
59 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:01:09 発信元:222.5.63.147

.






( ;^ω^)「もっとこう……ソフトな起こし方はなかったのかお?」

( ´_ゝ`)「ソフトで起きなかったからハードに移行したんだよ」

('A`)「時間がないんだよ、時間が。寝間着でいいから取りあえず来てくれ」

( ;^ω^)「ちょっ、待ってお! まだ布団剥かないでくれお!」

('A`)「何言ってんださっさと……」

( ´_ゝ`)「……え? なんで下穿いてないの?」

( *^ω^)「昨日暑くって、つい」

('A`)「布団蹴り飛ばせよ」

( ´_ゝ`)「ごめん、昨日の夜飛んで来た布団掛け直したの俺だわ」

('A`)「…………」

( ^ω^)「なんか、ごめんお」


61 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:02:05 発信元:221.39.238.147

- 4つ目の部屋 -


今回の部屋はやたら豪華だ。言ってしまえば、調度品が。


( ;^ω^)「知恵比べ?」

('A`)「スピーカーの放送でな。詳しい事はわからんけど」

( ´_ゝ`)「取りあえずその知恵比べの時間が10時でな」

( ^ω^)「時計がないからわからないお……」

('A`)「ほらよお前の腕時計。支給されてたぜ」

( ^ω^)「おっ、ありがとうだお」


真っ白な腕時計を受け取る。文字盤も数字も、針も枠も白い。


( ^ω^)「これは……」


正直、見辛い。見辛過ぎる。なんだこの嫌がらせは。

スピーカーの中の奴らは、一体僕らに何をしたいんだ。


62 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:03:04 発信元:222.5.63.153

( ´_ゝ`)「一応抗議してみたんだけどさ、白か黒かの二択だった」

( ^ω^)「選択の余地がないおね」


それしかないなら仕方ない。最近仕方ないばかりだ。

ベルトの長さが足りないなんて事はなく、サイズはぴったり。


('A`)「そろそろ時間だな」


時計の秒針が12を叩くと同時に、入って左側の壁がごごごと上がる。


( ;´_ゝ`)「またこんな仕掛けか」


上がった向こうには、シンプルイズザベストとは掛け離れた部屋。

何処かの金持ちの部屋だと言われれば、納得してしまいそうだ。

家具の全ては白なのだが、そのディティールが素朴さを吹き飛ばす。

全体を落ち着いた色で染めたら、少しはマシになるんだろうが。


( ^ω^)「うーむ」


63 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:06:16 発信元:221.39.238.147

('A`)「なんだか落ち着かねー部屋だな」


毒男も僕と同意見のようだ。兄者も落ち着きなく辺りを見回している。

そこで、柱時計の文字盤だけが黒い事に気付く。数字は白だが。

不思議に思ってまじまじと見つめていると、そこから声が響いた。


『10時だよ』

( ^ω^)「えっ?」


一瞬、背後から聞こえたのかと振り向いたが、布を被った人形があるだけ。

声真似できるような音ではないので、二人の悪ふざけではない事も確か。


『ではスタート』

( ^ω^)「あれぇ?」


65 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:06:42 発信元:222.5.63.159

よく見ると、時計のその黒い部分は、スピーカーと同じようになっていた。

細かい網目の隙間からは、スピーカーユニットが覗いている。

そのユニットがFE何E型であるかまではわからない。専門じゃないし。


   「今から1時間、よろしくね」

( ^ω^)「は?」


背後から声。二人の声ではない。高い、女に近い声だ。

ぎぎぎ、と錆びた蝶番よろしくの音を首から響かせて振り向く。


( ∴)「ねっ」

(^ω^ )「え?」

( ∴)「ね」


頭の隅で予想できていたからか、絶叫はしない。

あの部屋のあの仮面かと思ったが、多分、違うようだ。

上一つに下二つの穴、あいつは上二つに下一つだった。


68 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:09:19 発信元:221.39.238.147

単に、仮面を逆さまにして被っているという説もある。

きっと、ぶかぶかの布の中には凶器が。ここは慎重に……。


( ∴)「立っているのもなんだろう。そこらに掛けてくれ」

( ´_ゝ`)「お言葉に甘えて」

(;'A`)「あっ、流石おまっ」


慎重に、慎重に動くつもりで黙っていたら、二人に椅子を取られた。

もう座り心地の悪そうな、硬そうな椅子しか残ってない。


( ^ω^)「兄者」

( ´_ゝ`)「このソファの肘掛の部分にだったら座ってもいい」


肘掛ではなく、その膝にヒップドロップでもかましてやろうか。


70 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:11:38 発信元:221.39.238.147

……かましたら、折れそうだ。骨密度的な意味で。

優しい僕は、やめておこう。


('A`)「ブーン、席変わろうか?」

( ^ω^)「いやいいお、これに座るお」


テーブルとセットになっていた椅子を持って来て、それに座る。

並びとしては、妙な人物を正面に、左から僕、兄者、毒男だ。


('A`)「で、知恵比べって何するんだ? 俺ら初めてなんだけど」

( ∴)「人によって様々だよ。そうだね。何か占ってあげようか」

( ´_ゝ`)「占い?」

( ∴)「ここに来る前は、それを本業にしていたのさ」

( ^ω^)「へー……」


別に信じたわけじゃないが、取りあえず感心したような反応をしておく。


69 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:10:51 発信元:222.5.63.159

( ∴)「それじゃあ、占う前に、ちょっとしたものをやってみようか」


だぼっとした袖を振ると、その中からカードがばさばさと出てくる。

片面は真っ白で、模様はない。シンプルと言うかもう貧相だ。

もう片方には、それぞれのマークとその数字が書かれている。


( ^ω^)「トランプ?」


占いと言えば、タロットカードをしゅしゅっと動かすイメージがある。

悪魔がどうとか、逆位置ならどうとか、塔がうんたらかんたら。


( ∴)「ここに13枚のカードがあるよね、この中に……」


なんかどっかの漫画で読んだような台詞だ。狩人×狩人だったか。


( ∴)「あるカード以外のカードを思い浮かべてくれ」

( ^ω^)「あるぇ?」


73 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:15:21 発信元:221.39.238.147

テーブルの上にばら撒かれたのは、スペードの1,5,8,10、

ダイヤの2,4,7、クローバーの3,9,12、ハートの6,11,13。

これ以外と言うと、沢山ある。何か意味でもあるのだろうか。

取りあえず、数字に何を足して、何を引いてとか来たら死ぬ。

ここはマークのダブりがないように、小さい数字を選んでおこう。

馬鹿とは言うなかれ。馬鹿なりの知恵である。


( ^ω^)「(ハートの1、ハートの1、ハートの1、ハートの1)」


1ってエースじゃなかったっけ? なんて突っ込みは野暮である。


( ∴)「思い浮かべたかい? それじゃあ」


ごくりと唾を飲む。今回はガムを噛んではいない。

占い師の人差し指は、僕らを数回行ったり来たりして、兄者で止まった。


( ^ω^)「ほっ」


75 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:16:23 発信元:222.5.63.159

( ∴)「君の思い浮かべたカードを言ってみて」


えええええええ、そっちすか?

それなら僕が当てられても大丈夫だったんじゃないか。

これぞ杞憂。


( ´_ゝ`)「……スペードの11」


微妙な間があったのが気になる。何か気付いたんだろうか。


( ∴)「うん、じゃあ君の座ってるそのソファの背の部分を取ってみて」


指差したのは毒男の座るソファ。いきなり何を言い出すんだこいつは。

兄者と毒男はそれに何か言うでもなく、黙ってソファのクッションを取る。

その下から、小さい便箋を入れるような白い封筒が出て来た。

ハートのシールで封をしたら、少女漫画でよくあるラブレターそのもの。


( ∴)「開けてみて」


76 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:17:09 発信元:221.39.238.147

毒男に手渡された封筒の封を、言われるままに切る兄者。

その中に入っていた1枚のカード。


( ;^ω^)「え?」


スペードの11。兄者が言ったカードである。


( ∴)「君がそのカードを選ぶ事を、先に見て隠しておいたのさ」


はあ?

見るって? 見ておいたってつまり予知か?

予知って予知能力者か。いやでも占い師って、あれ?

ああでも預言者とか、未来視とかは、あるぇ?


(;'A`)「ブーン、汗すごいけど大丈夫か?」

( ;^ω^)「えっと、つまり本物?」

( ´_ゝ`)「なんでやねん」


77 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:20:06 発信元:210.169.93.47
sugeee


78 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:20:23 発信元:221.39.238.147

いきなり似非関西弁のツッコミが背後から入る。結構痛い。

てか、何時の間に後ろに回ったんだ。全く気付かなかった。


( ´_ゝ`)「まあいい内藤、立て」

( ^ω^)「え?」

( ´_ゝ`)「立ち上がれ」


何かやらかしたのだろうか。いや、僕は何もしていない。

逆に言えば、何もしないという事を実行したが、行動とか僕無理。


( ^ω^)「えっ、ちょっと待って、悪いことがあったら謝」

( ´_ゝ`)「い い か ら、さっさとその椅子から立ち上がれ」


目に見えないプレッシャーに気圧されて、のろのろ立ち上がる。

僕の尻が椅子から離れた瞬間、兄者は椅子を蹴り倒した。

なんでやねんとは僕が言いたい。しかし、今はそんな事言えない。

理由はわからないけれど、兄者は今とても不機嫌だ。


79 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:21:24 発信元:222.5.63.162

占い師を見ると、僕らに伸ばした手が虚しく空を掴む所であった。

申し訳なさと気恥しさで、そちらから眼を背ける。


( ;^ω^)「(これは暴力行為としてマイナスされないのかお?)」


椅子の裏には、封筒が貼り付けられてあった。

封を切った中には、1枚のカード。ハートの1。


(  ゚ω゚)「兄者は超能力者だったのかお!?」

('A`)「なんでやねん」


今度は毒男から冷たい声でツッコミが入る。それなりに痛い。心が。

ツッコミと共に入った手には、1枚のカード。ダイヤの10。なにゆえ。

もう僕の脳はオーバーヒート寸前です。ヘルプ。ミー。ユー。


( ´_ゝ`)「この部屋さ、入った時から不自然だと思っていたんだ」


来たぜ兄者の推理! 僕は犯人に疑われすらしないエキストラだ。


80 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:22:27 発信元:58.3.141.123
兄者毎回すげえ…


81 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:23:31 発信元:221.39.238.147

しかし兄者は探偵と言うよりも、殺人鬼探偵のような類だ。

例えて言うならば、デスノートで新世界の神を目指すアレ。


( ´_ゝ`)「今までの部屋よりも、無駄な装飾が多いと思っていたんだ」


うんうんと頷く、その次に続く言葉はわからんけど。


( ´_ゝ`)「つまり、『こういう事だったんだな』」


倒れた椅子を指差して、手に持ったカードをひらひらと振った。

何がどういうことなのか、僕にはさっぱりだ。さっぱり妖精が踊る。


『ピンポーン、終了です』


( ^ω^)「なんですと」


時計は、まだ1時間も経っていない。15分しか経っていない。

これは一体。


82 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:24:10 発信元:222.5.63.148

( ∴)「もう、終わり……?」


仮面の下から、掠れた声がする。

最初に聞いた時は、もっと聞き取り易かった。


( ´_ゝ`)「終わりらしいな、これで」

( ∴)「そう、か……そうか」

('A`)「ほら、俺ら初めてだったからさ、いい経験になったよ」

( ∴)「慰めはよしてくれ」


なんという蚊帳の外。入ろうにも入れない。勝手に進んでいく。

壁に寄り掛かって『の』の字でも書こうとしたら、その壁が開く。

壁だと思っていたのはドアで、ノブも回してないのに勝手に開いた。

何もかもが僕を虐める。こうなったら泣くしかない。


('A`)「ブーン、行くぞー」


84 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:25:40 発信元:221.39.238.147

(;'A`)「って何泣いてんだよ、キモイな」

( ;ω;)「僕は毒男のそういうところが好きだけど、君も鏡を見ろお」

( ´_ゝ`)「ははっ」


(#'A`)「あ? 鏡? 電源切ったディスプレイの事か?」

( ;ω;)「もうどっちでもいいお、さっきのを説明しろお」

( ´_ゝ`)「俺面倒だからパス」


('A`)「説明は苦手なんだけど……」

( ´_ゝ`)「やっとけよ、わかってるんだろ?」

('A`)「ああ、うん、そうだな」

( ;ω;)「ぶっ、豚にもわかるように頼むお」

(;'A`)「あーもう泣き止めよ、あの部屋はつまり……」






85 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:26:05 発信元:222.5.63.152

('A`) in the ドームのようです


doom・sayer 災厄を予言する人




温もりが失われ、優しさが蔓延る世界。


86 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:26:49 発信元:221.39.238.147

いつもいつも、自分は後手に回る。

自ら何かをしたりせず、誰かの行動を後ろから見る。

二人には心の中で、都合のいい奴と思われているんじゃないだろうか。

実際に、今この仮占い師がどうやってカードを知ったのか、全くわからない。


(;'A`)「ブーン、汗すごいけど大丈夫か?」


けど、俺よりブーンの汗がすごい。具合でも悪いんだろうか。


( ;^ω^)「えっと、つまり本物?」


どうやら俺の声は届かないようだ。

俺の声を無視したからか、占い師が本物だと信じ込みそうだったからか、

兄者が適度に激しいツッコミをブーンに入れる。


( ´_ゝ`)「なんでやねん」


ブーンの巨体が傾くということはかなりの力だが、本人は何でもないようだ。


88 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:28:27 発信元:210.153.86.144
兄者かっけえ


90 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:30:01 発信元:221.39.238.147

( ´_ゝ`)「まあいい内藤、立て」

( ^ω^)「え?」


ああ、流石は種が見えた手品とか引っかけとかに騙される奴を見ると、

「こいつこんな事もわからないのか」と上から見下す人種ではなくて、

「なんでこんな事もわからないんだ」と地味に怒るタイプだったっけ。


( ´_ゝ`)「立ち上がれ」


まあ、これは地味でもなんでもけれど。

俺もまだはっきりわからないから、解るまで黙っていよう。

ちょっと怖いし。


( ^ω^)「えっ、ちょっと待って、悪いことがあったら謝」

( ´_ゝ`)「い い か ら、さっさとその椅子から立ち上がれ」


ごめんブーン。


91 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:30:55 発信元:222.5.63.151

流石が蹴り倒した椅子の下からは、封筒が出て来た。

封筒の中からは、ハートの1。流石の溜め息。

そして、「隠しておいた」という占い師の言葉。


('A`)「あ」


もしやと思って、流石の座っていたソファの背を取る。

何もない。諦めずに、座部のほうを持ち上げる。あった。

俺が最初に手にしたもの、流石が椅子の裏から取ったもの、

俺が今このソファから見つけたものは、全て同じ封筒だ。

中には、当たり前のようにカードが入っている。ダイヤの10。

3枚だけだが、全部テーブルの上にはないものばかりだ。

つまり、『そういう事だったんだ』。


(  ゚ω゚)「兄者は超能力者だったのかお!?」

('A`)「なんでやねん」


96 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:34:35 発信元:112.139.150.156
おい、混乱してきたぞ、おい


97 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:36:14 発信元:221.39.238.147

あまりの発言に、つい脊髄反射で突っ込んでしまう。

ブーンは俺の手にあるカードを見て、更に混乱したようだ。

ここまで来たらいい加減わかりそうな気もするけど、

カードを発見するところを見せるべきだったんだろうか。

いい奴なんだけど、頭が足りないと言うか、回転が遅いと言うか。


( ´_ゝ`)「この部屋さ、入った時から不自然だと思っていたんだ」


おっと、推理発言は、全部流石に任せよう。

確かに理解はできたけど、それに至ったのは流石のお陰だ。

彼が1を見れば10を知れる人物なら、俺は5まで聞いてようやくだ。

二人には、いつも知ったかぶりをする嫌な奴だと思われているだろう。

別に、それが嘘だとしても弁解する気はない。

二人ともそれを責めて来ないから、俺はいつも甘えている。

それを変えようと思ってはいるけれど、ここって時にいつも役に立てない。


98 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:39:39 発信元:221.39.238.147

この部屋が怪しいのは入った時から感じていたが、

占い師と言われて少しだけ納得してしまった要素もある。

俺の先入観の中では、占い師はごちゃごちゃした暗い所で、

水晶玉に両手を翳してぶつぶつ言ってるイメージがあるからだ。


( ´_ゝ`)「つまり、『こういう事だったんだな』」


そう、そういう事なんだ。

この部屋は、カードの隠し場所を作る為に、わざとこうしたんだ。

多分、この部屋はこの偽占い師にとっての自室みたいなものなんだろう。

生活に必要な家具等を置くうちにこの詐欺を思い付いたのか不明だが、

正直これは上手いと思う。俺とブーンの二人なら、気付けない。


13枚のカードをテーブルに並べたのは、それ以外のカードに誘導する為だろう。

トランプが一組しか支給されなかったというのもあるかもしれないが、

隠し場所を増やせば、うっかり見つかるかもしれない。減らすメリットがある。


99 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:41:59 発信元:121.2.98.95
いまのとこ兄者無双だよな


100 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:42:08 発信元:119.230.62.153
なるほどな


101 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:42:52 発信元:221.39.238.147

52-13=39。仮定として、ジョーカーを省いておく。

テーブルの上に残した13枚以外のカード。

残り39枚のカードを、あらかじめこの部屋に隠しておいたんだ。

そうして、自分がさも「事前に予知して隠しておきました」という演出をする。

頭の弱い奴や鈍い奴は、それで騙される。それがこいつの手法なんだろう。


たまたまそれぞれの座っているものから3枚見つかったが、

カーテンの裏や花瓶の下とか、探せばまだまだあるだろう。

「故意に隠している」と疑われないような、簡単な場所に。


103 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:46:14 発信元:221.39.238.147

そして流石は、それを直接的に言わずに含ませた。

相手を占い師ではないなどと言い争いをしようとせず、トリックを見破って。

スピーカーがこの言葉と行動の意味を汲み取っているなら、


『ピンポーン、終了です』


ほら、終わった。


( ^ω^)「なんですと」

(;'A`)「……」


言い切ったブーンの将来が、少し、心配になる。

詐欺師とか口の上手い訪問販売員とかに騙されなきゃいいが。

手品を神の神の奇跡だと思い込まされて、怪しい宗教にも入りそうだ。


流石が何事も経験だと称して、ブーンを罠に嵌める未来を幻視した。

いやいや待て待て、俺の中で流石の位置付けはどうなってるんだ。


105 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:49:51 発信元:221.39.238.147

俺を妄想の海から掬い上げたのは、意外にも対戦相手。


( ∴)「もう、終わり……?」


まあ、確かにそう言いたくもなるだろうな。

今までこの手法で、何人も勝ち抜いてきたのかもしれない。


( ´_ゝ`)「終わりらしいな、これで」

( ∴)「そう、か……そうか」


慈悲のない、彼らしい言葉だ。それでも労っているつもりかもしれないが。

一応、いい経験を積ませてくれた相手として、労いの言葉をかける。


('A`)「ほら、俺ら初めてだったからさ、いい経験になったよ」

( ∴)「慰めはよしてくれ」


どっかのテンプレ。漫画や小説でよく見掛ける展開だ。

それがこんな状況で体験できたという事実に、不覚にも気分が高揚する。


107 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:51:06 発信元:221.39.238.147

がこっとドアが開く音がしたので、そちらを向く、と、

何故かブーンが床に倒れている。そんなにショックだったのか。

蚊帳の外もいいところだったのだが、肉体労働専門の彼は仕方ない。

確かにブーンというのは蚊の羽音にも似て……いや俺は一体何を。


('A`)「ブーン、行くぞー」


罪悪感を感じたので、倒れるブーンに声をかける。

あげた面は、涙と鼻水だらけ。つい率直な感想を述べてしまう。


(;'A`)「って何泣いてんだよ、キモイな」

( ;ω;)「僕は毒男のそういうところが好きだけど、君も鏡を見ろお」

(#'A`)「あ? 鏡? 電源切ったディスプレイの事か?」


よし落ち着け自分。COOLになれ、KOOLに。冷静に。

今のブーンの顔のほうが俺よか酷い。数値にすれば1.5倍ぐらい。

ちょっと待てそれ何気に酷くないか俺。


108 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:54:18 発信元:221.39.238.147

- 自室 -


とまあ、さっきの部屋での俺の思考はこんな感じだ。

ブーンわかったか? え、最後のはいらないって? 余計なお世話だ。

椅子が数種類あったのは、知恵比べとスピーカーが言ったのに、

楽なものを取ろうとする頭の弱い奴を狙ったつもりじゃないかな。

俺達には逆効果もいいとこだったけどな。


流石に不機嫌だった理由を後から聞いたんだけどさ、


「読んでる本とほぼ同じものだった、あいつがアレンジしたんだろう」


って言ってたよ。あいつの「読んでる」は「気に入ってる」と同じだからな。

その内容を真似されて、腹が立ったんじゃないかな。多分。

あとは、やろうとしてた事を先にやられて、腹が立ってるとか。

そこまで踏み込むとなると更に機嫌が悪くなりそうだから、聞かなかったけど。


110 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/23(金) 23:58:17 発信元:221.39.238.147

ああ、そうだな。確かに八つ当たりだな。

しかも、最初から流石に有利ときた。

けどさ、流石が最初からあのトリックを解ってるお陰で、

朝の分の時間の遅れを取り戻せたじゃんか。

それでもムカつく?

でもちょっと我慢しようぜ。お前は初日で役に立ったじゃねーか。

俺なんかここに来てからずっといいとこなしだぜ。

いや変に慰めなくていいよ。しかもそれフォローなってねーし。このデブが。





あいつ頭はいいし、引っ張ってくれてるし、悪い奴じゃないしな。うん。

いやデブはすまん、ごめん、口が滑った。いやボディプレスはやめ、ちょ、






114 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:00:54 発信元:221.39.238.147
今回の投下はこれで終わりです。支援ありがとうございました。

あと投下してる最中に気付いたのですが、
書いてる時に数え間違えて普通に30レス越えてますね。

何か不備がある場合、まとめるにあたり>>101を削って下さい。
今度からは間違えないよう気をつけます。すみませんでした。


115 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:02:10 発信元:58.3.141.123
乙、面白かったいつも楽しみにしてる!


117 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:02:37 発信元:112.139.150.156

今回は進みが遅かった?


118 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:02:46 発信元:121.2.98.95
あんま気にしなくっていいと思う
乙! 続きが気になる!


121 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:12:21 発信元:219.125.148.108
乙。怪異も待ってるよ。


122 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:51:19 発信元:210.153.84.134
乙乙、待ってたぜ乙!


123 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/24(土) 00:57:24 発信元:210.169.96.90
乙っつ

怪異ってなんぞや?


 




 ←(2)へ  (4)へ→


 ←in the ドーム インデックスへ


 
 
総合短編(サスペンス・ミステリー) | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
ふむ、続ききたな

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。