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208 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:00:12 発信元:219.125.145.48
( ^ω^)「……」


時刻は午前六時。
休みは寝て過ごすのが習慣である僕が、夏休みに早起きをした。

早く起きてしまった、その理由。


( ^ω^)「今日は……行くべきなのかお?」


今日の正午に建物へ来い、と言われた。
今日死ぬという、またんきさんに。


彼の最後の言葉と取るなら、行くべきだ。
しかし、自分が行く事でまたんきさんが死ぬのならば――

そう思うと足がすくんだ。


そして、行く気になれない理由がもう一つ。


209 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:03:08 発信元:219.125.145.53
気付くと、僕は電話を手に取っていた。


( ^ω^)白 トゥルルル トゥルルル

('A`)白『はい、こちらあなたのドクオ』

( ^ω^)『キモい』

('A`)『夏休みの朝7時に電話してくる方がキモい』

( ^ω^)『正直済まんかった』

('A`)『で? 何か用か?』

( ^ω^)『……いや、特にないお』

('A`)『何も無いのに俺は起こされたのですか、そうですか』

( ^ω^)『なんかごめんなさい』


211 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:06:39 発信元:219.125.145.47
しばらく沈黙が二人の間を支配した。


('A`)『……ま、お前が話さないなら、深くは聞かないわ』

( ^ω^)『……助かるお』

('A`)『あんまり悩み過ぎるなよ』

( ^ω^)『善処するお』

('A`)『政治家のおかげで、その言葉はマイナスの印象しか与えないな』

( ^ω^)『そこは同意』


213 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:09:16 発信元:219.125.145.46
('A`)『お前普段は能天気なのに――』


そういうと、ドクオは何かに気付いたようだった。


('A`)『――あぁ、そういや今日か、事故が起きたのは』


そう、それがもう一つの理由。
今日はツンが事故に会った日なのだ。

去年の今日、僕は事故が起きた昼過ぎに事故現場へと足を運んだ。
そして今年もそうする予定だった。


('A`)『今日も行くのか?』

( ^ω^)『……ちょっと、迷ってるお』

('A`)『ん、そっか』


214 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:12:27 発信元:219.125.145.51
それから僕らは、世間話に花を咲かせた。


('A`)『――んじゃ俺はそろそろ二度寝するわ』

( ^ω^)『急に起こして済まんかったお』

('A`)『……ん、まあ気にすんな』

( ^ω^)『それじゃ――』


そういって電話を切ろうとすると、ドクオが声をあげた。


('A`)『あー、ちょっとまて。お前に一言言わせろ』

( ^ω^)『なんだお?』










('A`)『悩んでるなら、行動してみろよ』
 
 
216 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:14:50 発信元:219.125.145.86
( ^ω^)『……なんだお、急に』

('A`)『お前の抱えてる悩みは、俺は知らん』

('A`)『だけど多分お前の今の悩みは行動しなかったら、後悔すると思うんだ』

( ^ω^)『……理由は?』

('A`)『お前は行動しないことで、既に後悔をしてるから』

(  ω )『……ッ』

('A`)『お前は一昨年、何も行動出来なかった事を悔いてる』

('A`)『今話してた時、それと同じ様な感じがした』


217 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:18:01 発信元:219.125.145.87
(  ω )『……』

(;'A`)『いや、行動とか全然関係の無くて的外れなら、無視してくれというか――』

(  ω )『――ドクオ』

('A`)『ん?』

( ^ω^)『ありがとうだお』

('A`)『おう、よくわからんが、役に立てたなら良かった』

( ^ω^)『ドクオに電話して良かったお』

('A`)『礼は昼飯でいいから』

( ^ω^)『ちょwww』

('A`)『冗談だ。とりあえずかなり眠いから、じゃあな』

( ^ω^)『わかったお』


218 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 02:19:19 発信元:60.39.62.197
ドクオ良い奴だな


219 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:21:58 発信元:219.125.145.54
事故現場で自分を戒めるのは、明日以降も出来る。
しかし、またんきさんとの約束は今日だけだ。


( ^ω^)「……よし」


人の死を受け止める覚悟が出来た訳ではない。
人の死を断固阻止する勇気を得た訳ではない。


だが
覚悟が出来てないから、
勇気を得ていないから、
だからこそ、行動しよう。

そう、思った。



僕は正午に建物へ着くよう、家を出た。


220 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:27:08 発信元:219.125.145.53
午前中だというのに、真夏の太陽は容赦なく、僕を照りつけている。
正午より少し前に、僕は例の建物に着いた。
いや、着いたと思うのだが。


(;^ω^)「ちょっと待てお……」


周りを確認するが、場所は昨日と同じ。
同じ筈なのに――


(;^ω^)「建物が変わってるお……」


昨日まで十階建てだった建物は、今や二階建てになっていた。
よく見ると、建物が変わったというより、まるで二階から上を切り取ってしまったような感じだ。


( ^ω^)「そういえば――」


二回目に訪れた時も、同じ印象だった。
しかし今回は印象どころか、見ればわかる。


221 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 02:28:24 発信元:60.39.62.197
ざわ・・・


222 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 02:29:35 発信元:219.125.145.53
このことをまたんきさんにいち早く報告しようと、エレベーターに乗り込んだ

――が。


(;^ω^)「……え?」


エレベーター内にあったボタンは
1 2 B1 B2
の四つだけだった。



(;^ω^)「B10は何処へ消えたんだお……」


しばらく悩んだ末に、僕はB2のボタンを押した。
理由は、一番地下だから。


226 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:00:04 発信元:219.125.145.43
別に意識した訳でもないが、ふと、昨日のツンの姿が思い出された。


(;^ω^)「……」 チーン


地下二階に着くと、昨日鉄の壁があった場所にはドアがあった。


(;^ω^)「開けて……みるかお」






ドアを開けると、そこは――




( ゚ω゚)「!?」




――地上だった。


228 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 03:02:06 発信元:59.135.38.141
なん…だと…




229 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:02:58 発信元:219.125.145.51
( ゚ω゚)「ここは……地下じゃないのかお?」


目の前に広がる風景は、先程まで自分がいた建物の外の風景だった。
唯一違うのは、雨が降り、風が強いことだけ。



上を見上げると、どんよりとした雨雲が広がっていた。


(;^ω^)「ここは一体……」

( >ω<)「うぷっ!」


回りを見渡していると、急に視界が何かによって奪われた。


( ^ω^)っ□「ったく、新聞か……お……?」

( ^ω^)っ□「……あれ? これ、なんで日付が一昨年なんだお?」


僕は現状を把握するため、大通りへと向かった。


231 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:06:12 発信元:219.125.145.86
大通りは雨のせいか、あまり人はいなかった。
雨に降られながら歩いていると、交差点にある大きな液晶画面が目に入った。


『2008年、今年の秋に流行る、最新秋物グッズを紹介します!』



( ^ω^)「……え?」



番組の内容なんてどうでもいい。

今、何と表示していた?

2008年だと?


(;^ω^)「今年は、2010年のはず……」


僕は急いでコンビニへ行き、今日発売の新聞を手に取った。





そこには、2008年の文字があった。


232 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:11:07 発信元:219.125.145.53
( ゚ω゚)「ここは……一昨年?」


何故? あの建物の地下は一昨年なのか?
一体どうなっているのだ?


(;^ω^)「……いや、ちょっと待てお……落ち着――」

(;^ω^)「――――」

(;^ω^)「――そういえば……」

( ゚ω゚) ハッ



現状の答えを考えるより前に、気付いた。



一昨年のあの日は――





雨だった。


235 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:14:07 発信元:219.125.145.54
理由や原因はわからない。
しかし今、この僕がいる『今』は確かに、あの日、だ。


最早、ここにいる理由は何でも良かった。



( ゚ω゚)


考えるより前に、僕の足は事故のあった場所へと、向かっていた。


236 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:16:43 発信元:219.125.145.55
大通りの一本横にある細い道。
そこが例の事故現場。

僕がそこに着いた時、目に入ってきたのは


傘の中にいる二人の男女。











そして、すぐ後ろから彼らに迫ってくる、大型のトラック。

雨のせいか、彼らは気付いていない。


239 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:19:29 発信元:219.125.145.43
(;゚ω゚)「ツン!」


僕は手を広げ、全速力で二人の元へ駆けた。


ξ゚⊿゚)ξ「あら、ブーン?」


彼女は僕に気付いたのか、足を止めた。



とニニニ( >ω<)ニつ「ッ!」



僕は道を横切り、走る勢いをそのままに、立ち止まった二人を抱えて前へ飛んだ。





その直後、二人が歩いていた場所にトラックが突っ込んだ。


240 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 03:22:35 発信元:59.135.38.145
未来を変えてしまったのか…


241 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:22:38 発信元:219.125.145.50
ξ;゚⊿゚)ξ「え? な、何? 何が起こったの?」

(;^ω^)「あ、危なかったお――」


倒れ込んだ二人から手を離し、一息つこうとした、その時。







トラックが衝突して折れた電柱が倒れてきて、


( д  ) ガッ


またんきさんの頭部を直撃した。


243 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:26:58 発信元:219.125.145.86
ξ;゚⊿゚)ξ「……え? お……にいちゃ……」

(;^ω^)「ツン! 救急車を!」


慌てふためくツンに指示を出した時、


    ガシッ
( ∀  )っ( ^ω^)


頭から血を流してい倒れているまたんきさんが、僕の手を掴んだ。



(;^ω^)「またんきさん! 大丈――」

( ∀ ・)


彼の目が僕の目を捉えると、彼は僕の手をより一層強く掴んだ。



数秒間視線を交わした後、彼の目は閉じて――



腕の力が消えた。


244 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/24(木) 03:30:03 発信元:219.125.145.49
( ^ω^)


何か――
彼は僕に何かを託した気がする。


手に残った温もりに託された物を感じたと同時に、僕の意識は無くなった。



( ^ω^)と不思議な建物のようです   続く








247 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 03:42:04 発信元:219.125.145.47
あとがきでさるさんは止めろwww


こんな深夜まで支援ありがとうございました
質問や指摘がありましたらどうぞ


本来一回投下を考えてた部分を二回に分けたんだが、むしろなんで一回でいけると考えたのかわからない
次回で最後です


今回と次回はあまり間空けたくないから、今週中に投下したいなぁと思いってはいる
だが、どうなるかは知らん、明後日らへんの俺に聞け



事故のシーンだが、擬音でドカーンとか書くのは雰囲気的にあれかな、とか思って
淡々と書いたんだが、稚拙なのは否めないよなぁ…
ギャグにするわけにもいかないしwww



書き溜めてる途中、気付いたら新しい短編を書き出してるのはよくあること


んじゃおやすみ
( ^ω^)ノシ


245 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 03:30:58 発信元:59.135.38.149
続きが気になる……




246 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 03:36:22 発信元:60.39.62.197
乙!
次も楽しみ


248 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 07:03:51 発信元:121.2.212.34
   `・+。*・     (´・ω・`)
     。*゚  。☆―⊂、  つ  
   。*゚    :     ヽ  ⊃
   `+。**゚**゚       ∪~



249 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/24(木) 07:35:37 発信元:124.146.174.73
乙!






 
↓※7/4投下分

 
672 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:27:52 発信元:219.125.145.56
流れ? 打った切ってやんよ



…すぐに投下するとか言っといて、一番間隔空いてるのは気のせい


ROMすら出来ない忙しさだったので

( ;ω;)「勘弁して下さいお」


今回が最後の話です
割りと短めで駆け足気味ですが、お付き合い願います


まとめは
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-398.html

まとめさん、いつもありがとう


では投下するでつ


682 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 22:42:08 発信元:59.135.38.149
ついに完結か……


673 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:29:45 発信元:219.125.145.56
( つω^)「……お?」


目が覚めた。
目の前には白い天井。
目線を下ろすと、白い壁に白い布団。


( ^ω^)「……病院?」


僕は確か――


ガチャ


('A`)「お、起きたか」

川 ゚ -゚)「相変わらずの顔だな」

( ^ω^)「お? どうしたんだお?」

(;'A`)「いや、こっちの台詞だよ……。お前が道で倒れたって連絡があったんだよ」

( ^ω^)「――僕が?」

川 ゚ -゚)「覚えてないのか?」


675 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:32:59 発信元:219.125.145.86
( ^ω^)「……」


僕が覚えているのは、何故か二年前に飛んで、ツンを――


ガチャ


ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとクー、待ってくれたっていいじゃない」

( ^ω^)







(  ω )  ゚ ゚


676 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:35:40 発信元:219.125.145.54
川 ゚ -゚)「ツンがとても辛そうに顔を洗ってたから、先に行ってようと」

ξ゚⊿゚)ξ「いやいや、普通に手を洗ってただけだし」


( ^ω^)「……ねえドクオ」

('A`)「あ? どうした?」

( ^ω^)「今、何年だお?」

(;'A`)「は? お前大丈夫か?」

( ^ω^)「いや、真面目な話」

(;'A`)「今は2010年だろ……」

( ^ω^)「2010年、かお」

( ^ω^)

( ゚ω゚)


679 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:39:07 発信元:219.125.145.55
( ゚ω゚)

ξ゚⊿゚)ξ「つーかあんたはなんて顔をしてんのよ」

( ゚ω゚)「ツン……なのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ、私が見舞いに来たのが嫌だっていうの?」

( ;ω;)「もう、大丈夫なのかお? 元気なのかお!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え? ちょっといきなりなんなのよ?」

( ;ω;)「良かったお! 本当に良かったお!」



('A`)「……えー、我々は場違いなようなので」

川 ゚ -゚)「撤収しますかね」


ξ;゚⊿゚)ξ「いや、ちょっとブーンをどうにかしてよ!」

( ;ω;)「本当に良かったお!」


680 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:41:45 発信元:219.125.145.47
ゴチン


ξ-⊿-)ξ フー

((#)ω^)「痛い……」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでいきなり泣き出すのよ」

( ^ω^)「いや、ツンが外国から帰ってきたのが嬉しくて――」


メメタァ


((#)ω;)「痛いお……」

ξ#゚⊿゚)ξ「あんた、そんなに私が嫌なの?」

ξ#゚⊿゚)ξ「昨日だって会ったのに、人を馬鹿にしてんの?」

((#)ω^)「……え? 昨日?」

ξ゚⊿゚)ξ「昨日スーパーで会ったじゃないの」

( ^ω^)「すーぱー?」

( ^ω^)

(^ω^)


684 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:44:24 発信元:219.125.145.87
何故か話が噛み合わない。
僕は昨日スーパーに寄った覚えはない。


( ^ω^)「……」


その原因として考えられるのは、ただ一つ。


( ^ω^)「……ツン、明日一緒に行ってほしい場所があるお」

ξ゚⊿゚)ξ「急に真面目になったわね……で、何処?」

( ^ω^)「それは秘密だお」

ξ゚⊿゚)ξ「んー、まあ楽しみにしてるわ。何か奢ってくれるだろうし」

(;^ω^)「金欠なんで勘弁して下さい……」


688 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:47:10 発信元:219.125.145.52
次の日の午後


( ^ω^)「ありがとうございましたお」

(-@∀@)「これからは栄養をちゃんと取って、倒れないようにね」

( ^ω^)「気をつけますお」



( ^ω^)「んじゃ、行くお」

ξ゚⊿゚)ξ「結局、何処に行くのよ」

( ^ω^)「ひ・み・つ」


ξ゚⊿゚)ξ


(;^ω^)「足蹴らないで! ついてくれば……って痛いから!」


彼女は府に落ちない、という顔をしながらも、僕の隣に並んで歩いてきた。

今日は陽射しも強くなく、比較的涼しい日だ。


690 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 22:48:17 発信元:59.135.38.149
ここだけ見るとすごく幸せそうなんだよなぁ……


691 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:48:56 発信元:219.125.145.53
( ^ω^)「そういえば、ツンの両親はどんな人だったんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「珍しいわね、そんなこと聞くなんて」

( ^ω^)「……ちょっと気になったんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「そうねえ……」


ちょっと嫌な顔をされるかと思ったが、彼女は表情を変えずに話し出した。


ξ゚⊿゚)ξ「お父さんは人の話をあまり聞かない人だったわね」


小さい時に亡くなったから、あまり覚えてないけど、と彼女は付け加えた。


693 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:51:26 発信元:219.125.145.45
( ^ω^)「……お母さんは?」

ξ゚⊿゚)ξ「お母さんは優しかったわ、怒られたこと無いもの」

( ^ω^)「――もしかして、ようかん好きだったのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。私のようかん好きも、きっとお母さんの影響ね」



( ^ω^)「あと、お兄さんもいたんだおね?」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、お兄ちゃんは――」


ツンが言いかけた時、


( ^ω^)「――あっ」


例の場所が見えた。


695 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:53:24 発信元:219.125.145.56
その場所は、あの建物があった場所。

しかしそこにはもう、


( ^ω^)「……更地、かお」


建物は無かった。




ふと、横を見ると


ξ;⊿;)ξ


彼女が泣いていた。


696 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:57:06 発信元:219.125.145.43
(;^ω^)「ちょっ、ど、どうしたんだお?」


いつも一緒にいた僕でも、彼女が涙を流したのは見たのは初めてだった。


ξっ⊿;)ξ「ねえブーン、どうしてここを知ってるの?」

(;^ω^)「色々事情があって……ツンはここが何か知ってるのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「ここね、お父さんの会社があったの……」

(;^ω^)「えっ!?」


699 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 22:59:08 発信元:219.125.145.86
ツンは僕に聞こえる程度の声で、少しずつ話し始めた。


ξ゚⊿゚)ξ「昔、お父さんがここにビルを建てたの。十階もある大きな奴を」

ξ゚⊿゚)ξ「お母さんとお兄ちゃんも途中から手伝ってた」

ξ゚⊿゚)ξ「それからお父さんが亡くなって、お母さん、お兄ちゃんと順に引き継いだの」


そして、そこから彼女の声のトーンが下がった。


ξ゚⊿゚)ξ「二年前、私はここに来て、お兄ちゃんに無理を言って買い物に連れて行った」

ξ ⊿ )ξ「そしたら……あそこで事故が……」

( ^ω^)「――ツン」


彼女を優しく抱きしめると、彼女の体は小刻みに震えていた。


700 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 23:02:03 発信元:219.125.145.43
ξ;⊿;)ξ「私のせいで、お兄ちゃんが……きっと私を恨んで……」

( ^ω^)「――大丈夫だお。お兄さんは、ツンを恨んでなんかいないお」

ξ;⊿;)ξ「そんなの、わかるわけないじゃない!」

( ^ω^)「……」


過去に苦しむ彼女の姿が、以前の僕と重なった。
人に何を言われようとも、後悔しか出来なかった、かつての自分と。


( ^ω^)「……お兄さんは幸せだった筈だお」

ξ;⊿;)ξ「なんであんたにわかるのよ!」


僕は返事をするかわりに、彼女が泣き止むまで、ずっと抱きしめ続けた。


703 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:04:54 発信元:125.172.26.147
またんき…


702 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 23:04:27 発信元:219.125.145.54
( ^ω^)「――もう、大丈夫かお?」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、ごめんね急に」

( ^ω^)「……ちょっとトイレ行ってくるお」

ξ゚⊿゚)ξ「……ん、じゃあここで待ってる」


僕は小走りで近くのコンビニへ向かった。

コンビニで小さいようかんを二つ買い、その場所へ戻ると



ξ-⊿-)ξ



彼女は建物があったを向いて、目を閉じていた。
その彼女に向かって夕日が射し込み、彼女の金色の髪で反射した光は、柔らかく、優しかった。


704 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 23:07:31 発信元:219.125.145.88
それ以降、彼女は涙を見せることは無かった。


どうやらツンがいない二年間の記憶は僕にしかないようだ。
記憶の違いは、今の所は問題になっていない。



僕には大切に保管してある物がある。

一つは、ある住所が書かれたメモ。
一つは、デパートのレシート。
そして僕の手に残った、彼の――いや、彼らの――想い。



しばらくしたら、彼女に僕の体験したことを話してみようと思う。

それが彼女に後悔以外の感情を持たせることになるかは、わからない。
しかし、僕は何が起ころうとも、彼女を支え続けていきたいと思う。

最後まで彼女の幸せを願った、三人の想いを背負って――



( ^ω^)と不思議な建物のようです  終








705 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/07/04(日) 23:09:39 発信元:219.125.145.88
支援ありがとうございました

質問や指摘がありましたらどうぞ



以下チラ裏

四回投下に一ヶ月もかかってすいません


この話は俺が夢で見た一場面を、見切り発車で話にしたものなので、設定が不十分ですまない

建物は別名「後悔の館」って感じかなぁ


以下、表現が不十分で個人的に補完しておきたい設定

・ブーンが学校で気絶→建物出現
・道路で気絶→建物消失
・建物は上に上がると未来、下に下がると過去
・主に後悔と関係ある階がボタンとして出現

あんまり突っ込まないでくれると有り難いが、質問あったら頑張って答える
意味の無い表現は控えたつもりなので、読み返してくれるなら、意識してくれると嬉しい

お前ら、一ヶ月間ありがとう




706 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:12:13 発信元:125.172.26.147
乙!
面白かったYO!


707 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:12:17 発信元:180.15.21.148
よかったよ乙!


708 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:12:38 発信元:61.198.170.92
何も言うことはない
ただ面白かったとだけ伝えよう

乙!


709 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:15:34 発信元:119.230.62.153
乙乙!


710 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/07/04(日) 23:23:58 発信元:124.96.172.88
完結乙!



 

 
総合短編(シリアス・鬱・ホラー) | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
どっくんは名あどばいざー

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