スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
498 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:11:14 発信元:219.125.145.57
VIP高校の生徒になって、早一年。

右も左もわからなかった頃に比べ、授業中に居眠りが出来る今は慣れすぎた、という感じか。


('A`)「なんだお前、また寝てたのか」

( ^ω^)「寝る子は育つだお」

('A`)「もう寝る子は起こせの時代だぜ」

川 ゚ -゚)「そろそろ起きろよ? ブーン」

( ^ω^)「英語を聴くと眠くなる体質なもんで」

川 ゚ -゚)「もうすぐ移動教室だから、早目にな」

( ^ω^)「おk」

('A`)「すぐ行く」


499 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:14:16 発信元:219.125.145.87
( ^ω^)「……なんでクーがドクオの彼女になったのか、不思議でならない」

('A`)「人間やっぱり中身ってことだな」

( ^ω^)「言い返せない自分が悔しい」


可哀想な顔のドクオも、才色兼備なクーも、小学校時代からの親友だ。

本来ならば、もう一人いるはずなのだが――


('A`)「――もうすぐ帰ってくるって」

( ^ω^)「わかってるお」


500 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:17:06 発信元:219.125.145.44
ツン。

僕の幼馴染みであり、初恋の人。
二年前、交通事故に遭遇してしまい、現在も意識不明の状態だ。

彼女は今、最新の医療技術が備わっている外国へ入院しているので、お見舞いにすらいけない。



僕は、彼女の危機には命を賭けて彼女を守る、と誓っていた。
彼女の事が好きだったから。


僕の知らなかった所で事故が起きた、というのは関係ない。


僕はただ、彼女を守れなかった自分が情けなく、また、情けなさを感じる自分が悔しかった。
 
 
502 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:20:57 発信元:219.125.145.45
( -ω-)「うーん……」

( ^ω^)「……お?」


ふと気が付くと、教室には僕一人しかいなかった。

みんな、教室を移動してしまったらしい。


( ^ω^)「ドクオも起こしてくれればいいのに」


そう呟いて廊下に出た時、見知らぬ大人がいた。




( ・∀・)「やあ、元気かい?」


504 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:24:09 発信元:219.125.145.47
( ^ω^)「えーと、どちら様ですかお?」

( ・∀・)「元気そうな君に一つ、頼みがある」

( ^ω^)「いや、あのどちら様――」

( ・∀・)「僕の頼み事を、聞いてくれるかい?」


駄目だ、彼には日本語が通じていないようだ。
普段ならば、こんな変人は無視してさっさと授業を受けに行くのだが、


( ・∀・)


去ってはならない、と心の奥で誰かに呟かれた気がした。


( ^ω^)「……ご要件は?」

( ・∀・)「ありがとう。君なら、聞いてくれると思っていたよ」


505 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:27:55 発信元:219.125.145.43
そういうと彼は、一枚のメモを僕に渡してきた。


( ・∀・)「いつでもいい、暇な時にその住所の場所へ行ってくれ」

( ^ω^)「――それだけですかお?」

( ・∀・)「ああ、それだけだ。頼んだよ」


そういうと彼は僕の横を通り抜け、去っていった。

すれ違い際に
「よろしく頼む」
と呟いて。



( ^ω^)「よくわから――」


よくわからない人だお、と言おうとした時、僕は意識を手放した。


506 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:31:40 発信元:219.125.145.87
( -ω-)「うーん……」

( ^ω^)「……お?」


気が付くと、目の前に友人がいた。


('A`)「おいおい、移動教室を寝過ごすなよ」

川 ゚ -゚)「もうすぐテストだから、あんまりサボるなよ」

( ^ω^)「……あのおじさんは何処だお?」

('A`)「は? 誰だ、それ」

川 ゚ -゚)「まだ夢の中なんじゃないか?」


二人は僕が寝ぼけている、と思ったらしい。
先の授業のノートを貸してくれると、二人は自分の席へと戻っていった。


( ^ω^)「……」

( ^ω^) クシャ


制服のポケットの中から出た音だけが、先程の出来事が夢でなかったことを僕に教えてくれた。


509 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:34:18 発信元:219.125.145.53
それから約一ヶ月の間は、勉強で手が一杯であった。

もちろん、メモの住所へ行きたい気持ちもあったが、赤点という壁はあまりに大きかった。


(´・_ゝ・`)「よーし、答案を後ろから回収しろー」

('A`)「やっと終わったな」

( ^ω^)「もう一生分勉強したお」

川 ゚ -゚)「ほら馬鹿なことを言ってないで、昼食に行くぞ」

('A`)「デデーズでおk?」

( ^ω^)「おk」

川 ゚ -゚)「おk」


僕たちは、近くのファミレスで昼食を取った。


511 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:37:30 発信元:219.125.145.53
('A`)「これからどうする?」

川 ゚ -゚)「私は買い物にでも行きたいのだが」

( ^ω^)「僕はちょっと行きたいとこがあるから、二人で行くといいお」

川 ゚ -゚)「別に気を遣わなくてもいいぞ」

( ^ω^)「今更二人に遣うような気なんてないお。急用が入ってるだけだお」

川 ゚ -゚)「ふむ、しょうがない。ならドクオと一緒に行くか」

('A`)「……俺の意見聞かないの?」

( ^ω^)「独自の意見あるの?」

川 ゚ -゚)「どうせ無いんだろ?」

('A`)「……仰る通りです」


僕は二人と別れ、町の郊外へと足を運んだ。


519 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:50:13 発信元:219.125.145.46
( ^ω^)「ここらへんかお?」


メモに書かれている住所には、ずいぶんと大きな建物が建っていた。


(;^ω^)「無茶苦茶でけぇお……」


町の中心部に建てられなかった腹いせに、郊外で大きな物を建てたのだろうか?
しかし、僕にはそんなことよりも大きな疑問があった。


(;^ω^)「地下十階ってあんた……」


メモには何度読み返しても、地下十階の文字が書かれていた。
町の郊外とはいえ、ここらへんは地下鉄も通る場所だ。


( ^ω^)「オーナーが大金持ちか、ただの馬鹿なんだお、きっと」


そう自分に言い聞かせ、僕は建物のドアを開けた。


522 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:53:13 発信元:219.125.145.48
ドアを開けると、目の前にエレベーターが備え付けてあるだけで、他には何もなかった。
郵便受けや階段すら見当たらない。


( ^ω^)「……マンションじゃないのかお?」


エレベーターの中に入り、ボタンを押そうとした時、違和感を感じた。


(;^ω^)「ボタンが六つしかないお……」


エレベーターのボタンは、
10 2 1 B1 B2 B10
の六つだけだった。


(;^ω^)「ここは何かの研究所かお?」


自分は何かされるのだろうか。

そんな不安を抱きつつ、僕はB10のボタンを押した。


524 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:55:02 発信元:219.125.145.47
( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……あれ?」


おかしい。
エレベーターのスピードからして、もう地下十階に着いてもいいはずなのに。
未だにエレベーターは地下へと向かっている。


(;^ω^)「ちょっ……まだ死ぬ準備は済んでn――」 チーン

( ^ω^)「……」


無事、地下十階に着いたようだ。


527 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 15:57:52 発信元:219.125.145.47
ドアが開くと、そこには鉄の扉が一つあるだけだった。
他には何もないので、ドアに近付いてみると、人がいる気配がする。


( ^ω^)コンコン

( ^ω^)「どなたかいますかお?」


しばらくすると、重そうな鉄の扉が開き、女性が出てきた。


ζ(゚ー゚*ζ「はい、どちら様でしょうか」


彼女は誰なのだろうか。
見た感じでは30代のように思えた。


( ^ω^)「失礼しますお。えーと……このメモを渡されて――」

ζ(゚ー゚*ζ「ああ、はいわかりました。どうぞこちらへ」


僕は促されるまま、鉄の扉の奥へと進んだ。


528 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:00:55 発信元:219.125.145.45
扉の奥はまるで病院の一室だった。
そこには二つのベッドと、最新と思われる機械が備え付けてあり、その内の片方が稼働していた。
部屋には規則正しい電子音が響いていた。


その稼働している機械から伸びたチューブの先を見てみると、


( ゚ω゚)「この人は……」

(ヽ-∀-)


学校で会い、ここの住所が書かれたメモをくれた、その人がベッドに横たわっていた。


ζ(゚ー゚*ζ「この人はね、私の夫で、名前はモララー。私はデレよ」


今の僕には名前なんてどうでも良かった。
彼はどうして、どうしてこんなに――


( ゚ω゚)「やつれているんだお……」


以前学校で会った日から、さほど時間は経っていないはずだ。
しかし、目の前にいるこの男は、もう何年も寝たきり生活を送っているように見えた。


530 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:03:26 発信元:219.125.145.87
ζ(゚、゚*ζ「この人はね、もう駄目なの」

ζ(゚、゚*ζ「今も、ただ死なない為だけに命を繋いでいるだけ」

ζ(゚、゚*ζ「もう、彼が目覚めることはないの」

(;^ω^)「そ、そんなはずないお! 時間が経てば、いつか目覚――」


僕の言葉を遮るように、デレさんが首を振った。
そして、僕に微笑んだ。


ζ(゚ー゚*ζ「いいのよ」


そう言うと、デレさんは稼働している機械を止めようとした。


531 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:06:34 発信元:219.125.145.45
(;^ω^)「こ、この人を、殺すんですかお!?」

ζ(゚、゚*ζ「……そう見えるわよね。けど、この人は今日、死ななければいけないの」

(;^ω^)「なんで今日なんですかお?」

ζ(-、-*ζ「それは――」

ζ(゚ー゚*ζ「――あなたが今日、来てくれたから」

(;^ω^)「ぼくの……せい?」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。あなたのせいじゃない。あなたのおかげよ」

(;^ω^)「――え? どういう――」


532 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:09:27 発信元:219.125.145.48
そう言って、デレさんは稼働していた機械を止めた。

すると、今まで規則正しかった電子音は――


ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ


次第に間隔を空け――


   ピッ   ピッ


彼の最後を知らせる音が――


     ピッ


この世との別れを惜しむように――


ピ―――――――――――


――部屋中に鳴り響いた。


534 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:11:49 発信元:219.125.145.55


音が鳴り響く間、僕は誰に言われるわけでもなく




( -ω-)




自然と目を閉じ、胸の前で手を合わせていた。


535 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:14:18 発信元:219.125.145.45
ベッドの上の亡骸をしばらく見つめていると、デレさんが声をかけてきた。


ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君。時間は、大丈夫?」


時計を見ると、かなりの時間が経っていたようだ。
家までの距離を考えると、そろそろ帰宅した方が良さそうだった。

彼女に質問したいことは山ほどあったが、


ζ(゚ー゚*ζ「それは、そのうち教えてあげる」


そう言われてしまうと、どうしようもない。


( ^ω^)「それじゃあ、失礼しますお」


そう言って、僕は鉄の扉を閉めた。
閉める間際に
「また、来てね」
という言葉が聞こえた。


537 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:17:55 発信元:219.125.145.47
エレベーターに乗り、建物から出ると既に陽は傾いていた。


( ^ω^)「……帰るかお」


建物が陽を遮っているせいか、僕は少し肌寒さを感じた。



( ^ω^)と不思議な建物のようです   続く






539 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/07(月) 16:20:30 発信元:219.125.145.88
支援ありがとうございました


えー、続きます
予定としては三部構成です


慣れないシリアスチックなせいか、割りとテンパってます


質問や指摘がありましたら、遠慮なくお願いいたします


538 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/07(月) 16:19:59 発信元:222.0.75.154
続いちゃったか

乙乙

今後の展開と解明に期待




 
  
 ↓※6/15更新分
 

243 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:29:01 発信元:219.125.145.47
投下しようとしたら、次々と用事が入るのはよくあること

投下数が三回とか言った気がするけど、四回になるかも



ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-398.html


投下すーるよー


244 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:31:21 発信元:219.125.145.48
( ^ω^)ポケー

('A`)「おい」

( ^ω^)ポケー

('A`)「おーい」

( ^ω^)ポケー

  ユサユサ
('A`)っ(( ^ω^))

( ^ω^)「お? どうしたお?」

('A`)「それはこっちの台詞だ、馬鹿野郎。今日から夏休みなのに、もうボケたのか?」

(;^ω^)「いやー、すまんお。最近考え事で寝れなくて……」

('A`)「お前は考え事するキャラじゃねえだろ」

( ^ω^)「地味に酷くね?」


246 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:33:15 発信元:219.125.145.54
例の建物へ行ってから一週間。

今日無事に終業式が終わり、これから夏休みだ。


('A`)「で、これから何か用はあるのか?」

( ^ω^)「ちょっと先客が」

('A`)「そうか。んじゃ暇だったら連絡するわ」

( ^ω^)「たまには、クーと二人で遊園地にでも行けお」

('A`)「金かかるし、面倒だなぁ……」

( ^ω^)「人はそれを贅沢な悩みという」


248 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:36:03 発信元:219.125.145.57
僕はこれから、例の建物へ行くつもりだ。


( ^ω^)「手土産でも持っていくかお」


何も持っていかずに、お邪魔するのは失礼だろう。

僕はそう思い、近くにあったデパートでようかんを買った。


( ^ω^)「……そういえば、ツンもようかん好きだったおね」


ツンは両親の仕事の都合で、家にいつも一人だった。
兄もいるような事を言っていたが、会ったことはない。

僕はツンの家へ行く時は、よくようかんを持っていった。
家を訪れた時の彼女は、とても嬉しそうだったのを覚えている。


(;^ω^)「ようかん嫌いだったらどうしよう……」


249 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:39:05 発信元:219.125.145.43
(;^ω^)「流石に日向は暑いおね」


夏本番、ともいうべき真夏日だ。
ただ、風が吹いているので日陰に入れば心地よい。


( ^ω^)「タクシー使いたいおー」


もちろん、学生の僕にはそんなお金はない。
そもそもようかんを買った時点で、今月は節約生活だ。


( ^ω^)「まあ、必要経費だし」


デレさんから聞きたいことは山ほどあるのだ。
その為ならば、多少の支出には目をつぶってもよかろう。


252 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:42:41 発信元:219.125.145.43
( ^ω^)「……あれ?」


建物が見えてきたが、どこか変だ。
いや、変という程ではないが、違和感がある。

それは、建物がまるで――


(;^ω^)「――縮んでる?」


以前来た時よりも、建物が小さく見えるのだ。


( ^ω^)「……最初のインパクトが強すぎたのかお?」


僕は、建物の中へと入った。


253 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:46:12 発信元:219.125.145.47
内部は相変わらず、エレベーターしかなく、エレベーター内もボタンが六つだ。
僕は、B10のボタンを押した。


( ^ω^)「そういえば、このエレベーターは遅いんだおね」

(;^ω^)「前回は妙に怖かったおね……」

( ^ω^)「ま、二回目だしこわk」チーン

( ^ω^)「……え? 早くね?」


僕は降りて、鉄の扉を開けた。


255 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:51:27 発信元:219.125.145.43
中に入ると、デレさんが出迎えてくれた。


ζ(゚ー゚*ζ「あら、ブーン君、いらっしゃい」

( ^ω^)「お邪魔しますお。これ、つまらないものですが」

ζ(゚ー゚*ζ「わざわざありがとう」

ζ(゚ー゚*ζ「わあ、ようかんじゃない、嬉しいわ」


デレさんの喜んでいる姿が、記憶の中のある人と重なった。


( ^ω^)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「どうかした?」

( ^ω^)「いえ、なんでもないですお」


258 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 15:54:04 発信元:219.125.145.49
部屋を見渡すと、モララーさんがいたベッドは空で、もう一つのベッドに誰かがいた。


( ^ω^)「誰か、いるんですかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ、息子のまたんきよ」


ベッドに近付くと、声をかけてきた。


(・∀ ・)「よう」

( ^ω^)「こんにちは、ですお」

(・∀ ・)「変な顔だなー」

(;^ω^)「初対面で言うとは、中々手厳しいですおね」


彼も、どうやら寝たきり生活のようだった。
彼の顔には、モララーさんの面影が少し感じられた。


260 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:00:09 発信元:219.125.145.45
ζ(゚ー゚*ζ「えっと、ブーン君」

( ^ω^)「なんですかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと出掛けなくちゃいけないから、またんきと留守番してもらえる?」

( ^ω^)「まあ、大丈夫ですお」

ζ(゚ー゚*ζ「かわりに、あなたからの質問を一つ、答えてあげる」


こちらからどうやって切り出そうか迷っていただけに、彼女からの提案は思いがけないものだった。


( ^ω^)「一つだけ、ですかお」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ、一つだけ」


262 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:03:26 発信元:219.125.145.43
聞きたいこと。


この建物のことやモララーさんのことなど、様々なことが僕の頭を駆け巡った。



しかし。



しかし、僕が最初にしようとしていた質問は、他にあった。

前回、話の流れの中では気付かず、後で気付いた不自然な言葉。




( ^ω^)「なんで――」


264 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:05:32 発信元:219.125.145.86









( ^ω^)「なんで、僕の名前を知っていたんですかお?」


265 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:08:29 発信元:219.125.145.54
ζ(゚、゚*ζ「名前?」


仕度をしていたデレさんの手が止まった。


( ^ω^)「先週、僕が自己紹介をしてないのに、デレさんは僕の名前を呼びましたお」

( ^ω^)「けど、僕はデレさんとは初対面の筈ですお」

( ^ω^)「だからデレさんが僕の名前を知ってるのは、おかしいんですお」


デレさんは僕の方を向いた。
しかし、その目は僕を見てはいなかった。


ζ(゚ー゚*ζ「君の名前を知ってるのはね、ある人に教えてもらったの」

( ^ω^)「誰ですかお? モララーさんですかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「あの人は違うわ」

( ^ω^)「だったら――」

ζ(゚ー゚*ζ「質問は一つよ」

(;^ω^)「うっ……」


267 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:11:50 発信元:219.125.145.45
ζ(゚、゚*ζ「ってのは流石にかわいそうか」

ζ(゚ー゚*ζ「君の名前はね、最初は娘に教えてもらったの」

( ^ω^)「娘さんに?」

ζ(゚ー゚*ζ「そう」

ζ(゚ー゚*ζ「それと、以前ブーン君は私に会ったことがあるはずよ」

( ^ω^)「――えっ?」


ζ(゚ー゚*ζ「それじゃ、お留守番よろしくね」


そういうと、デレさんは鉄の扉を開けて、出ていった。



去り際に、ありがとう、の一言を残して。


269 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:15:24 発信元:219.125.145.55
(;^ω^)「……」


僕は以前、デレさんと会ったことがある。

その事を必死に考えていると、部屋の奥から声がした。


(・∀ ・)「おーい」

( ^ω^)「おっ、なんですかお?」

(・∀ ・)「お前がブーンか?」

( ^ω^)「そうですお」

(・∀ ・)「そうか……」


そういうと、またんきさんはまるで僕を品定めするように見てきた。


( ^ω^)「どうかしたんですかお?」


271 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:19:10 発信元:219.125.145.49
またんきさんは、うんうん頷きながら大きな声を出した。


(・∀ ・)「うん、俺もお前が気に入った」

( ^ω^)「なんかよくわからないけど、どうもですお」

(・∀ ・)「よし、暇だから何か面白い話でもしてくれ」


しばらく僕は、またんきさんと話をして過ごした。
どうやら本当に寝たきりらしく、話し相手がいて喜んでいるようだった。


274 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:21:50 発信元:219.125.145.46
( ^ω^)「それにしても、デレさんは遅いですおね」


もう既に数時間は経っていて、辺りは暗くなりはじめていた。


(・∀ ・)「……」

( ^ω^)「? 何か変なこと言いましたかお?」

(・∀ ・)「いや、ブーン、時間は大丈夫か?」

(;^ω^)「んー、そろそろ帰らないとヤバい時間ですお」

(・∀ ・)「留守番は大丈夫だから帰っていいぞ」

( ^ω^)「でも――」

(・∀ ・)「なら、また来い。俺は暇だからな」

( ^ω^)「……わかりましたお」


その日から毎週、その建物を訪れるようになった。


275 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 16:24:07 発信元:210.153.84.118
このまたんきは何歳なのだろう


276 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:26:18 発信元:219.125.145.86
初めての訪問から今日で一ヶ月だ。
その一ヶ月間、デレさんはいつも不在だった。
その為、またんきさんに建物のことを聞いてみようか、と考えながら建物へ近付いた。

すると――


( ^ω^)「――え?」



ξ゚⊿゚)ξ



自分の良く知る彼女が、例の建物へと入っていくのが見えた。


277 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 16:28:34 発信元:210.153.84.3
ツン!


278 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:29:59 発信元:219.125.145.50
僕が急いで建物の中へ入ってみると、エレベーターは丁度、B2で止まっていた。


( ^ω^)「あれはどうみても、ツンだお」


彼女は今、外国で入院している筈だ。
しかし僕は今ここで彼女を見た。
僕の記憶の中、そのままの彼女だ。
その彼女は地下二階にいる。



地下二階から戻ってきたエレベーターが、再び地下二階へと着いた。



扉が開くと――








目の前には鉄の壁が広がっていて、彼女の影はおろか、人の気配すら無かった。


279 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 16:33:58 発信元:210.136.161.168
ほう……


280 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 16:43:04 発信元:210.136.161.4
ん?


281 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:47:24 発信元:219.125.145.54
( ^ω^)「こんにちはですお」

(・∀ ・)「おお、きたか」


B10階へ行くと、いつも通りのまたんきさんがいた。
いつも通りであったことが今の僕には嬉しかった。


( ^ω^)「失礼しますお」

(・∀ ・)「一週間振りだな」

( ^ω^)「今日も外は暑いですお」

(・∀ ・)「そりゃー大変だったな」

( ^ω^)「ここは涼しくて快適ですおねー」

(・∀ ・)「……」


284 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:52:26 発信元:219.125.145.51
( ^ω^)「エアコンも無いのに涼しいのはやっぱり地下――」

(・∀ ・)「なあブーン、何かあったのか?」

(;^ω^)「ななななんですかお、急に」

(・∀ ・)「俺と目を合わせない、落ち着いてない、話し方。何より今の反応」

(・∀ ・)「何か、あったんだろ?」

(  ω )「ッ……」


何故この人はわかるのだろう。
いや、違う。何故僕はこんなにも、平常心を保てないのだろう。

僕は、先程の出来事をまたんきさんに話した。


286 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:55:32 発信元:219.125.145.45
先程の出来事を全て話し終えるまで、またんきさんはじっと、僕の話を聞いてくれた。
僕が話し終わると、部屋は静寂につつまれた。




ふいに、またんきさんに尋ねられた。


(・∀ ・)「ブーン、お前は地下二階のボタンが見えるんだな?」

( ^ω^)「? そりゃ、あるものは見えますお」


僕には今の質問の意図が全くわからなかった。
またんきさんはしばらく俯いたあと、何か吹っ切れたように話し始めた。


288 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 16:58:19 発信元:219.125.145.49
(・∀ ・)「ここは一体どういう場所だと思う?」

( ^ω^)「……研究所か何かですかお?」

(・∀ ・)「違う。ここは『時』だ」

( ^ω^)「北斗有情拳の?」

(・∀ ・)「真面目に聞かないとか死にたいの?」

(;^ω^)「サーセンでした」

(・∀ ・)「この建物は現在であり、過去であり、未来だ」

( ^ω^)「日本語でおk」

(・∀ ・)「わからなくてもいい。これからすることさえわかっていれば」

( ^ω^)「すること、ですかお?」

(・∀ ・)「明日の正午、この建物に必ず来るんだ」


289 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 17:01:07 発信元:219.125.145.86
( ^ω^)「そこで何をするんですかお?」

(・∀ ・)「明日になればわかる」

(;^ω^)「言ってることが支離滅裂だお……」


だが、
話が支離滅裂だったことより、
話の本質を教えてくれないことより、
何よりも次の言葉に衝撃を受けた。








(・∀ ・)「それに俺は明日死ぬしな」


290 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:02:12 発信元:124.146.175.5
なん……だと……?


291 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:03:22 発信元:115.39.114.15
なんだって……


292 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:04:27 発信元:222.0.75.154
なんと・・・


293 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 17:04:41 発信元:219.125.145.43
(;^ω^)「なっ……」

(・∀ ・)「聞こえなかったか? 俺は死ぬんだ」

(;^ω^)「そんなこと、ありませんお!」

(・∀ ・)「いや、確実だ。俺は明日事故で死ぬ」

(;^ω^)「事故……?」

( ∀  )「……」


一粒、またんきさんの目から雫が落ちた。
またんきさんは、僕の目を見つめた。


(・∀ ・)「明日、『事故』が起きて『俺』が死ぬのは絶対だ」

(・∀ ・)「俺が死ねるのは、お前のおかげなんだ」

(  ω )「ッ……」



まただ。また同じことを言われた。
また僕が原因で、人が死ぬのか。


ボクガゲンインデ、ヒトガシヌ


296 :( ^ω^)と不思議な建物のようです:2010/06/15(火) 17:07:11 発信元:219.125.145.58
(・∀ ・)「勘違いするんじゃないぞ。俺はお前に感謝している」

(・∀ ・)「お前が気に病む必要は一切――」

(  ω )「ちょっと、今日は帰りますお」


僕は強引に言葉を被せた。
これ以上はもう、喋っていたくはなかった。
僕の中の何かが崩壊しそうだった。


(・∀ ・)「……そうか、元気でな」


僕が鉄の扉を閉めようとすると、
「――を、よろしく頼む」
と、かすかに声が聞こえた。

始めの言葉は聞こえなかったが、僕は返事代わりに扉を強引に閉めた。



帰り道、夕焼けが僕の背中を赤く染めていた。



( ^ω^)と不思議な建物のようです   続く





297 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:08:08 発信元:124.146.175.5
ここで終わりだと……




298 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:09:23 発信元:219.125.145.57
長らく支援ありがとうございました

質問や指摘ありましたらよろしくお願いします



それと、最初に投下しようとしたんだが忘れてた今日の昼飯

ttp://imepita.jp/20100615/540970
ttp://imepita.jp/20100615/541790
ttp://imepita.jp/20100615/542050
ttp://imepita.jp/20100615/542310
540970.jpg541790.jpg542050.jpg542310.jpg



あんまり反省はしていない


299 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:09:59 発信元:222.0.75.154


何かと気になるな
俺の名の下に続きを早く書くよう命じる


300 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:11:54 発信元:124.146.175.6
ショボーンビッチすげえwww


301 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 17:14:16 発信元:59.135.38.148
乙ーん。続き気になる
最初カプチーノに文字書いてるように見えた





 (後半へ)→

 
総合短編(シリアス・鬱・ホラー) | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
ドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
続きに期待

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。