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 ※この作品は、図書館で行われた【 長編序章祭(仮) 】 にて投下された作品です。


337 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:38:56 発信元:221.19.118.208
 東には、今も魔法と剣が生活を支える国が。

 西には、人類の英知を寄せ集めて作った、機械と科学の国が。

それぞれは互いの価値観の違いから、もう何百年も戦争を続けてきた。

何度も何度もぶつかり合い、その度に疲弊していく双方の国。
疲弊しきった国や民を重んじたのか、ついに、双方の首相は停戦条約を結んだ。

そして、それからちょうど400年後。

( ^ω^)「さて、そろそろやるかお」

 東に住む青年は、剣を片手に学園の階段を駆け降りる。


341 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:40:21 発信元:221.19.118.208
ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚)


342 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:41:34 発信元:221.19.118.208
 剣と魔法を誇る東の国、ヴィップ。

その中央に建つ学園の地下教室で、一心不乱に剣を振るう男子学生がいた。

彼の名前は内藤ホライゾン。
だが、その名で呼ぶ者は誰もいない。

走る際に『ブーン!』と叫ぶ事から、
彼は学園中の生徒や教師からブーンと呼ばれていた。

(;^ω^)「おっ! おっ!」

 息を荒げ、ブーンは上段から剣を振り下ろす。

停戦条約を結んだとはいえ、東と西の仲は今も最悪に悪い。
いつ戦争が勃発しても戦えるよう、ブーンは毎日剣の鍛練を怠らなかった。

彼の練習場所は、専ら学園の地下教室。
ずいぶん昔から使われなくなり、倉庫のような扱いをされている広めの教室だ。

授業が終われば、ブーンは大抵この場所で夕飯まで剣を振った。

全ては自分と、大好きな国の為。
掌にまめが出来ても、ブーンは一度だって鍛練をサボったことはなかった。

(;^ω^)「ふぅ、ふぅ、少し休憩するかお……」

 額に滲む汗を拭い、ブーンは剣を下ろした。


344 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:43:09 発信元:221.19.118.208
彼がいるこの地下には、不気味な噂が生徒たちの間でまことしやかに囁かれていた。

『地下の一番奥にある、封印された部屋には悪魔が閉じ込められている』
というものだ。

それは代々語り継がれてきた噂であり、
誰も悪魔の姿は見たことがないという信憑性に欠けるものであった。

だが、それでも、この噂だけはいつの時代も変わらないまま語り継がれているのである。

そんな信憑性のかけらもない噂を恐れ、
ブーン以外は誰ひとりとして地下に近寄る事すらしなかった。
それは教師も同じ。

だからこそ、ブーンはこの地下教室に目を付けたのだ。

誰も近寄らない場所なら、思う存分剣が一人で振り回せる。
剣術や槍術の練習場もあるにはあるが、他の人もいるので集中するには向いていない。

(;^ω^)「ふう、ちょっと疲れたお」

 ブーンは近くに積み重ねてあった箱に腰掛け、手にした剣を眺めた。

綺麗に磨がれた刀身に、ブーンのふくよかな顔が少し歪んで映る。
シンプルな造りの柄には、毎日の練習の証である手垢が目立った。

入学と同時に、剣術科の先輩から授かった剣。

初めて柄を握った時に感じた、あのえもいわれぬ誇らしさ。
剣術理論の授業は難しいが、それでもブーンは剣を振る事が大好きだった。


345 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:43:54 発信元:118.15.157.183
期待が止まらない


347 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:44:59 発信元:123.220.49.73
こういうの好きだYO


349 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:45:25 発信元:121.111.227.76
バトルものって良いね
 
 
348 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:45:07 発信元:221.19.118.208
( ^ω^)「……」

( ^ω^)「お! まだまだ頑張るお!」

 剣を握った時の思い出が蘇り、ブーンはにっこりと笑いながら立ち上がった。

―――今度はドクオに手合わせしてもらおうか。

ぼんやりと、そんな事を考えて。

**********
**********

 ヴィップ学園、地下廊下の一番奥にある両開きの古びた扉。

鎖や錠の物理的な封印と、古い強力な魔法の封印がなされた扉からは、
カリカリと引っ掻くような音が漏れ出ていた。

カリカリ、カリカリ。

その音に気付く者は誰もいない。
ブーンでさえ、剣の鍛練に夢中で全くその音に気付くことはなかった。

カリカリ、カリカリカリカリ……。

その音は、時間を置くにつれてどんどん大きくなっていく。

何重にもかけられた鎖がゆらゆらと揺れて弾け飛び、
扉一面に刻まれた強力な封印魔法の陣が、一瞬淡い緑色に光った。


350 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:46:25 発信元:221.19.118.208
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ。
カリカリ、

引っ掻くような音が、不意に止まる。
ちぎれた太い鎖が落ちて、大きな音を地下いっぱいに響かせた。

そこでようやく、ブーンは異変に気付く。

( ^ω^)「誰かいるのかお?」

空き教室から顔だけを覗かせ、ブーンは薄暗い廊下の奥へと声をかけた。
返事はない。

だが、噂の扉から異音がしたのは確かだ。
ブーンは不思議そうに首を傾け、剣を片手に廊下の奥へ進んだ。

物々しい雰囲気を醸し出している、両開きの大きな扉。
だが、厳重に張り巡らされていたはずの鎖は一本残らず外れている。

( ^ω^)「……?」

 床に落ちていた鎖を拾い、ブーンは扉に視線を移す。

埃の積もったドアノブ。
深く刻み込まれた、魔法陣。

鎖は無理矢理引きちぎられたかのように、大きくひしゃげていた。


351 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:47:17 発信元:210.153.84.202
何が来る…ゴクリ


353 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:48:12 発信元:221.19.118.208
( ^ω^)「……」

 ブーンは、そっと扉に手を伸ばした。
堅い木の感触が手に伝わる。

何も起こらない事を確認して、ブーンは扉に耳を近付けた。
中からは何の音もしない。

(;^ω^)「……」

 噂などは決して信じていなかったが、本能的に何かを感じたのか、
ブーンは扉から耳を離した。

―――学園長を呼ぼう。

異変は早めに解決するに越した事はない。
ブーンは右手に携えていた剣を鞘に収め、扉に背を向けて地下廊下を小走りで進む。

しかし、件の扉は、学園長の到着を大人しく待ってはくれなかった。

地上へ繋がる階段を駆け上がっていたブーンがまず知覚したのは、
目も眩むような閃光。

そして、

(;^ω^)「うぉおぉおお!!?」

 鼓膜が破れる程に大きく響いた爆発音。

一拍置いてから、立っているのが困難に感じる程の揺れと爆風。


355 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:50:28 発信元:118.15.157.183
ごくり……


354 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:50:11 発信元:121.111.227.68
WAKUTEKAが止まらない


356 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:50:50 発信元:221.19.118.208
爆風は地下廊下の蛍光灯や倉庫の扉を吹き飛ばしながら一気に駆け抜け、
階段にいたブーンを飲み込む。

さすがのブーンも、揺れに耐え切れずにその場にしゃがみ込んだ。

(;^ω^)「くそっ! いきなり何が」

 黒い煙が晴れた頃、身体に積もっていた細かい瓦礫や埃を払い落としながら、
ブーンは立ち上がった。

―――今の爆発音を聞いた人が、恐らく学園長を呼ぶだろう。

ブーンは少し逡巡して、腰の剣を抜く。
その行き先は、爆発が起きたと思われる『封印の扉』。

なるべく足音を立てないように細心の注意を払って、ブーンは元来た道を戻る。

(;^ω^)「……」

 地下には、まだ煙や埃が舞っていた。
爆風により蛍光灯は全滅したので、普段よりもかなり廊下は暗い。

―――魔法科の人間がいたらな。

そんな事を思いつつ、ブーンはゆっくりと地下を進んでいく。

やがて、煙の向こうに無惨にも破壊された『封印の扉』が見えてきた。
扉は木っ端みじんに吹っ飛ばされており、周りの壁にも細かい亀裂が目立つ。


358 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:52:12 発信元:221.19.118.208
爆発の威力に恐れ戦きながら、
ブーンは構えた剣を今一度しっかりと握り直した。

( ^ω^)「……」

 視界が悪く、敵の姿を捉えられない以上、声を上げるのは得策ではない。
ブーンは無言のまま、学園中の人間が足を踏み入れた事のない領域に入る。

( ^ω^)「(思ったよりも部屋は狭い……)」

 『封印の扉』の向こうにあった部屋は、たった一室だけであった。
四畳半もない程狭い部屋は、窓も蛍光灯も何もない。

閉鎖された空間だ。

黴や埃が混じった臭いが鼻孔を刺し、ブーンは耳を澄まし、目を凝らした。

(;^ω^)「……」

 もくもくと漂う煙と闇の中、直立不動で佇む白い人影を捉える。
体つきからして女だろう。

彼女は何も喋る事なく、ただただぼんやりと突っ立っていた。
その雰囲気に、攻撃的なものは一切感じられない。

( ^ω^)「……あのー」

 一瞬躊躇い、ブーンは剣をしっかりと構えたまま、人影に向けて話し掛ける。


360 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:53:35 発信元:221.19.118.208
( ^ω^)「あんたは誰だお?」

 話し掛けながらも、ブーンは観察を怠らなかった。

石を寄せ集めて作ったような、殺風景な部屋。
その床一面に広がる、かなり複雑な魔法陣を見遣り、もう一度人影に視線を移した。

「……誰何を問うなら、まず最初は自分からじゃないの?」

 ブーンの質問に答えてはいないものの、とにかく返事をしてくれたその声は、
やはり女のものだった。

少し棘のある物言いに、高い声。
ブーンは彼女との距離を保ったまま、それもそうかと納得した。

( ^ω^)「僕は……。僕はヴィップ学園、武術科剣術コース1年の内藤ホライゾンだお」

「ヴィップ学園? ……ということは……」

( ^ω^)「次は君が名乗る番だお。君は誰だお? 一体、何なんだお?」

 地上からは、教師たちの声が僅かに聞こえて来る。
学園長が来るのも、時間の問題だろう。

ぶつぶつと独り言を呟く彼女に、ブーンは返事を促す。

「……名乗る前に、聞きたいことがあるの」


363 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:54:30 発信元:210.153.84.201
この口調はっ!


361 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:53:46 発信元:118.15.157.183
何が来る何が来る


364 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:55:03 発信元:221.19.118.208
 彼女はブーンに向かって一歩足を踏み出した。
構えた剣を彼女に向け、ブーンは一歩下がる。

「今、何年?」

( ^ω^)「……ヴィップ暦、3500年だお」

 突然の質問に、ブーンは警戒を解かないまま答える。

剣の切っ先を向けられても何ら動じることもなく、
『彼女』はまた一歩、ブーンに近付いた。

( ^ω^)「それ以上近付くなお。女の子だといえど、遠慮なく斬 「私はツンデレ」

「ヴィップ学園、召喚科の1年よ。これでいいかしら? 内藤ホライゾンくん」

 皮肉たっぷりな声で、ツンデレと名乗った人影は漸く足を止める。
地上からの声がこちらに近付いて来るのを、ブーンは背中で感じ取った。

( ^ω^)「残念だけど、ヴィップに召喚科なんて無いお。
      嘘をつくのは感心しないお」

「あら、今は無くなっちゃったのね。まぁ無理もないけど」

 真っ暗な闇が、不意に柔らかい光で壊される。
眩しさでブーンは目を細め、剣を下ろした。

(;'A`)「やっぱりここにいたのか! 大丈夫かよブーン!」

( ^ω^)「僕は大丈夫だお」


366 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 01:56:24 発信元:221.19.118.208
 息を荒げてブーンの元へ駆けて来た、幸薄そうな顔の男子生徒の名はドクオ。
魔法科、闇魔法コースの、ブーンの親友である。

そして、ドクオの後からは数人の教師がやって来た。
その先頭にいる老婆が、ヴィップ学園の長、ペニサスだ。

('、`*川「内藤くん、怪我は?」

 ペニサスは心配そうにブーンの顔を覗き込み、すぐに『封印の扉』に目を向けた。

('、`*川「あなたが400年前からの『贈り物』ね。
     会えて嬉しいけれど、出来れば会いたくなかったわ」

 顔を綻ばせ、ペニサスは臆することなく封印の扉の向こうにいるツンデレに近付く。
魔法科の教師の魔法で明るくなった廊下に、

ξ゚⊿゚)ξ「私は会えて嬉しいけどね」

 400年封印されていた少女が、姿を現した。

‐序章終わり‐







372 :ξ゚⊿゚)ξ召喚獣と兵器のようです川 ゚ -゚):2010/05/29(土) 02:00:01 発信元:221.19.118.208
続きものの予定だったからクーをタイトルに出したけど、戦闘書けないので断念。

支援ありがとうございました。




373 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 02:01:18 発信元:210.153.84.201
>>372
乙です!
願わくはまたその小説が読めることを


374 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 02:01:31 発信元:121.111.227.75
残念だけどGJ乙


367 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:57:20 発信元:110.67.99.25
タイトルにいたはずのクーが出てこないだと・・・!



368 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:57:22 発信元:210.153.84.202
よし




さあ続けてくれ



369 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:59:24 発信元:118.15.157.183
これで終わり?
冗談だろう?クーが出てないじゃないか
さあ早く続きを書くんだ


370 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:59:41 発信元:121.111.227.75
やめてやめて、その終わらせ方。

気になって仕方ない


371 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/29(土) 01:59:42 発信元:123.220.49.73
乙乙!
これまた続きが気になる・・・


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コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
どっくんはだーくひーろー

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