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701 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:05:00 発信元:203.136.78.8





こんな星が綺麗な夜は、過去と今がごちゃ混ぜになってしまった感覚に陥る。
あまりの綺麗さに過去の人も今の人も未来の人もずっと空を見上げているのだから。




703 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:05:42 発信元:203.136.78.8


私は薄暗くなった街道を早足で歩いていた。時折冷たい風が頬を叩き、マフラーを買っておくのだったなぁと後悔をする。
冷たい風を顔に受けないようにすると自然に顔は下を向いていた。

ζ(゚ー゚*ζ「あら、ミスターモララー。今帰りなの?」

声がして顔を上げると、そこには隣人のデレがいた。


( ・∀・)「おやこれはミスデレ。こんな寒空にどこへ」

ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、こんな寒空だから彼とパブで飲んでくるのよ。それにしても、小学校の先生はこんな遅くまで大変ね」



704 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:06:43 発信元:203.136.78.8
風が吹き、デレがつけている薔薇の臭いが鼻をつく。
少し強いそれは、彼女にとても似合っていると素直に思った。
彼女は沈黙が流れてもにこにこと笑みを絶やさなかった。

これからボーイフレンドとパブで飲むらしいが、その男はなんて幸せ者なのだろう。
こんなよい娘はほかにはいない。


冷たい風が私たちの間を吹いていく。


ζ(゚ー゚*ζ「じゃあね、ミスターモララー。ああ、そうそう、今日は空を見上げて歩いたほうがいいわよ」

( ・∀・)「どうしてだい?」

ζ(゚ー゚*ζ「星降る夜だからよ」

デレはウィンクをしてふわふわのスカートを翻して闇に消えていった。



706 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:07:54 発信元:203.136.78.8
その後ろ姿が消えるまで見送ってから家まで歩き出した。
家に近くと、ぼんやりとオレンジ色に光る街燈の下に何かがいた。
猫でも捨てられているのかと近づくと、そこには薄い白いシャツとサスペンダーを繋げた半ズボンをはいた少年がいた。

オレンジに照らされる顔はほんのりと赤い。


(・∀ ・)「モララー先生」

呆気にとられている私を見て、少年は特有の高い声をあげた。
その顔には満面の笑みが浮かんでいた。
 
 
707 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:09:11 発信元:203.136.78.8

――――

―――

――




(・∀ ・)「ここにいたら、星が降ってくるんです。僕は、それを捕まえたいんです」


708 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:10:14 発信元:203.136.78.8
小さな体をかたかたと震わせながら少年は私の家の屋上から空を見上げた。その言葉にどこか聞き覚えがあると感じた。
私は、屋上までの階段を上り、少年にマシュマロ入りのホットココアを差し出していた。ふんわりと甘いにおいがあたりに漂う。少年は赤い顔をくしゃりと崩してそれを受け取った。

(・∀ ・)「ありがとうございます、モララー先生」

少年は私を「モララー先生」と呼んだ。が、私は少年のことは何も知らなかった。
恐らくは家出だろうということしかわからないのだ。

生徒だけでも千人を超える人数がいる学校に勤務しているのだ。
顔がわからないのも無理はない。

これがもし青年だったとしたら、強盗と疑ってこの寒空の下にたたき出していただろうが、いかんせん少年はまだ九つほどに見えた。
こんなにも幼い少年をこの寒空へたたき出すのは心が痛む。


716 :( ・∀・)星の話のようです さるってたorz:2010/05/14(金) 20:32:53 発信元:203.136.78.8
(・∀ ・)「ねぇモララー先生。僕は星を捕まえることはできるのでしょうか」

 少年は鼻声で言う。

( ・∀・)「さあどうだろうね」



717 :( ・∀・)星の話のようです さるってたorz:2010/05/14(金) 20:34:04 発信元:203.136.78.8
私が意地悪に言うと、少年はホットココアを一口飲む。
私も、それと同じようにホットコーヒーを口に含む。
刺すように冷たい風が私と少年を襲い掛かる。
少年はホットココアに手のひらを押し付けて暖をとっている。私はぬるくなってきたコーヒーを置き、白い息を吐いた。

( ・∀・)「どうして君は、星を捕まえたいんだい?」

私がそう聞くと、少年は笑った。

(・∀ ・)「友達がほしいんです」

少年はそう言ってまた空を仰いだ。空は黒みを帯びてきていた。



720 :( ・∀・)星の話のようです さるってたorz:2010/05/14(金) 20:35:50 発信元:203.136.78.8
( ・∀・)「私も、昔は友達がいなかったなぁ」

(・∀ ・)「昔?今はどうなんですか?」

( ・∀・)「皆大人になったからね」

我ながらヘタな言い文句だ。

苦笑を隠さずに備えていたランプに火を点す。
少年は空を仰ぐのを止め、かわいらしい王様のイラストが描かれたそれを食い入るように見つめた。



725 :( ・∀・)星の話のようです さるってたorz:2010/05/14(金) 20:37:47 発信元:203.136.78.8

(・∀ ・)「奥さんが買ったのですか?」

( ・∀・)「残念、私は独身だよ。これはね、私が作ったんだよ」

(・∀ ・)「すごいっ!じゃあ、僕にも作ってください」

尊敬のまなざしで見られて気を良くしない者はいないだろう。私は、星のように輝く少年の目を見て頬が緩んだ。

( ・∀・)「ああ、いいよ」

(・∀ ・)「じゃあ、星型のを作ってください」

( ・∀・)「おや、星型かい」

(・∀ ・)「はい。だって、星が地上にあれば、ほかの星たちも寄ってくるかもしれないじゃないですか」

少年は笑う。私は「そうだね」と言ってコーヒーを手に取る。
それはもう冷たくなっていて、口に含んでも苦いだけだった。



728 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:40:24 発信元:203.136.78.8
( ・∀・)「君は本当に星が好きだね」

(・∀ ・)「……実を言うと、僕は星があまり好きじゃないんです」

私は目を大きく見開いた。

( ・∀・)「友達がほしいんだろう、どうしてだい?」

(・∀ ・)「だって、生意気ですもん」

( ・∀・)「生意気?」

(・∀ ・)「僕たちは、星を見るために上を見なきゃいけないじゃないですか。まるで王様だ」

( ・∀・)「じゃあどうして」

(・∀ ・)「僕だって、大人たちに生意気って言われるんです。
      だから、どっちがより生意気か比べっこしたいんです」




729 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 20:42:17 発信元:59.135.38.144
杉浦日向子っぽいな
支援


731 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:42:26 発信元:203.136.78.8

見上げなきゃいけない位置にいる星が少年には生意気に見えたようだ。
そう言われればそうなのかもしれない。

それにしても生意気を比べっことは、変な感性をしている少年だ。


( ・∀・)「なるほど。そんな考え方もあるんだ」

(・∀ ・)「はい、そうです」



733 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:44:43 発信元:203.136.78.8

少年がそう言うと同時に、漆黒の闇が広がっていた空に一筋の閃光が放射状に流れた。

それは何個、何十個、いやもう肉眼で数を数えられないほどの放射状の閃光が闇夜を明るく照らした。
私は、何も言葉を発することなく、寒さを忘れ、「ほぅ」と白くくもった感嘆のため息を漏らすだけだった。


( ・∀・)「ああ、すごい。これは流星群か」


本当に星が降っている。
少年が言う「王様」の流れてくる薄くきらめく軌道が、とても美しかった。
デレが言っていたのはこのことだったのか、と今更理解する。



735 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:46:25 発信元:203.136.78.8
(・∀ ・)「すごい、本当にすごい。流星群は、こんな感じに流れてくるんだ」

大声を上げ、立ち上がる少年をなだめるように座らせた。
しかし、私自身も立ち上がりたい気持ちでいっぱいだった。

立ち上がって、手を高く高く掲げて、流れてくる「王様」を掴みたかった。子供じみた願いだと人々は笑うかもしれないが、私はそれを掴みたかった。


738 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:49:09 発信元:203.136.78.8
星が綺麗な夜は、過去と今がごちゃ混ぜになってしまった感覚に陥る。
それが、今の感覚だった。


ここが今なのか、

それとも百年戦争が起こった頃なのか、

シェイクスピアがロミオとジュリエットを書いた頃なのか、

もしかしたらチャーリーとチョコレート工場が撮影されている頃なのかもしれない。
ああ、なんだかよくわからない気分に陥ってきた。



741 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:51:36 発信元:203.136.78.8

この夜空をみんな見ているだろうか。
過去の人も今の人も未来の人も、この少年のように「すごい」と言って空をぐっと仰いでいるのだろうか。


(・∀ ・)「きっと、世界中の人がこれを見ているんでしょうね」

( ・∀・)「ああ、そうかもしれないね」

今日本は昼間だとか、今デレはパブで飲んでいるから見られないだとかそんなことはどうでもよくなっていた。
ただ私は空を仰いで、闇夜に浮かぶ閃光を目に焼き付けながらはぁと白い息をはくのだった。


742 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 20:52:00 発信元:210.153.86.45
キラキラ


744 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:53:47 発信元:203.136.78.8

( ・∀・)「こんな日は、過去と今がごちゃ混ぜになっている感覚がするよ」

(・∀ ・)「なっているのかもしれませんよ」




隣で少年が笑う。私も笑う。閃光が流れるように、すっと笑う。私は少年を見ながら同じ顔で笑う。
そう、少年はこのあと私を呼ぶ。


745 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 20:53:51 発信元:124.100.99.22
良いのう・・・
しえん


747 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:55:18 発信元:203.136.78.8

(・∀ ・)「モララー先生」

そして私は彼の名前を言う。

( ・∀・)「なんだい、モララー少年」

少年ははあと白い息を吐き、しばらくたってから言った。



749 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:56:06 発信元:203.136.78.8










(・∀ ・)「僕は幸せですか?」


751 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 20:58:25 発信元:203.136.78.8



私は目を伏せる。
そこには夜の闇よりずっと暗い闇が広がっていた。その闇に閃光はない。

だが、目を伏せることによってその閃光の音が鼓膜に張り付いてきている。
実際はそんなこと無いが、確かに聞こえている。
闇夜をすべる、一筋二筋の明るい閃光が。


( ・∀・)「夜遅くまで残業、子供たちは日に日に生意気になっていく……おまけにまだ恋人ができたことがない。けれど、私はとても幸せだよ」

少年は小難しそうな顔をした気がした。


753 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 20:59:28 発信元:59.135.38.149
幸せなのか


756 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 21:00:05 発信元:203.136.78.8

( ・∀・)「大人になったら、わかるよ」

「大人って、何なのですか。僕はよくわからないんです」

大人、などと一括りに言うが、私も大人とはどういうことなのかを知らない。
童貞を捨てれば大人なのだろうか。では、私はまだ子供だ。
そう考えると少しおかしくて、ぷっと吹き出してしまった。それに少年はすこしむっとしたようだ。

( ・∀・)「ああ、すまない。私は、大人ではないよ」

「どうしてですか?大人じゃないですか」

私も昔、同じようなことをどこかで聞いた。そして、私は今、同じように少年に返す。


758 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 21:01:45 発信元:203.136.78.8








( ・∀・)「大人になったらわかるよ」


759 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 21:02:38 発信元:119.245.176.2
俺達はまだ子供だったんだな…
支援


761 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 21:02:53 発信元:203.136.78.8


まぶたを開くと、あの数え切れないほどの閃光はすでに終わりを告げていて、屋上にはただ冷たい風が吹き付けるだけだった。
闇夜を切りつける風は私の皮膚をも切り裂いていく。

私はゆっくりと立ち上がると、冷たくなったココアとコーヒーが入っていた空のカップを持って部屋に戻った。



空に、一筋だけ遅れた閃光が光ったのを私は知っている。









763 :( ・∀・)星の話のようです:2010/05/14(金) 21:04:37 発信元:203.136.78.8
以上で終わりです。支援ありがとうございました!

夢紡ぐや恐竜少年の文章にあこがれてやった結果がこれだよ!
深夜テンションで書いた。反省とか後悔とかしてない


764 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 21:05:22 発信元:222.149.135.78
>>763
詩情豊かな話ありがとう


770 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 21:15:16 発信元:123.108.237.21
荒んだ心に効いた



771 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/05/14(金) 21:17:01 発信元:59.135.38.147
いやぁー良かった!
なんか幸福とも不幸とも呼べない二人の感覚が良かった!
乙乙!

 
総合短編(ハートフル・感動) | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
いやぁ良かった

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