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761 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:41:08 発信元:118.15.55.37
( ・∀・)「何も変わってない」

数年ぶりに帰ってきたシベリア。
インフラは以前より整っていても、雰囲気は何も変わっていない。
空港を出て、シベリアの空気を感じる。なんとも懐かしい。

( ・∀・)「皆、元気かなぁ」


( ・∀・)シベリアの花見で飲む酒は美味いようです。


763 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:43:25 発信元:118.15.55.37
シベリアにだって、春は来る。
それでもけっこう寒いけど。

待機しているタクシーに乗り込み、行き先を告げる。

( ・∀・)「シベリア図書館までお願いします」

発進するタクシーが市内に向かう。
流れていく景色を見やり、思い出に耽る。

小さい頃、よく遊んだ公園。
ショーウインドウの中に欲しいものがあったおもちゃ屋。
よく母親と買い物にいったスーパー。

( ・∀・)「あっ、ちょっとここで止めてください」


764 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:45:30 発信元:118.15.55.37
運転手は言われるままにタクシーを停止させた。

( ・∀・)「すぐ戻りますんで」

いそいそと車を降り、近くの酒屋に入る。

( ・∀・)「いっぱい買っておかないとな」

ビール、日本酒、ウォッカ……

とにかくいろんな種類の酒を買い込む。
それは、これから会う友達と語り合うため。

( ・∀・)「お待たせしました」


766 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:49:07 発信元:118.15.55.37
やがて、目的のシベリア図書館に着いた。
以前より多少古びた印象があったが、
堂々と立つその姿は昔と変わらない。

『5500モリタポです』

( ・∀・)「はいはい」

紙幣を渡し、トランクにしまったスーツケースを取り出し、
シベリア図書館に入った。

(*^ω^)ノ「おっ! モララー!」

( ・∀・)ノ「おー、久しぶりだな! ブーン!」

懐かしい友。
ガシッと腕を組み交わし、互いが健在であることを確認しあう。

( ・∀・)「5年ぶりか?」

( ^ω^)「正確には5年と8ヶ月、それに14日ぶりだお」

( ・∀・)「細かいな」
 
 
767 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:51:20 発信元:118.15.55.37
ブーン。

ガキの頃から本を読むのが好きだった。
その性格が、図書館の司書という役職に就かせた。

モララーは彼から司書になったという報告を聞いたとき、
「あいつなら当然の選択だな」と笑ってしまった。

( ・∀・)「ツンは? 元気か?」

( ^ω^)「おっお。当たり前だお!
      なんたって、僕の奥さんだからだお!」


770 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:54:59 発信元:118.15.55.37
ツン。

ブーンやモララー達の幼馴染。

ホントはモララーも好きだったのだが、
ブーンに先に告白され、そのまま付き合うことになった。
モララーはツンを思い出すと、ちょっぴり胸がキュンとなる。

今ではいい思い出だが。

( ・∀・)「お前、いつ仕事終わるん?」

( ^ω^)「今日は早上がりにしてもらってるから、
      もうすぐだお」

( ・∀・)「んじゃ、ちょいと本でも読んでるから、
      終わったら呼んでくれ」

見覚えのある絵本を手に取る。著者は「ドクオ」

( ・∀・)「……」

砂漠に住む少年が病気の母親の為に大冒険するお話。

( ・∀・)「あいつらしいわな」


771 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 00:58:02 発信元:118.15.55.37
ドクオ。

ブーンと一緒に本を読み漁っていた。
ちょっと人見知りするけど、母親想いの優しいやつ。
小さい頃からの夢、絵本作家になって喜んでいた顔は今も忘れない。

( ^ω^)「おぅい、モララー」

( ・∀・)「おう」

パタリと本を閉じ、元の場所に戻す。
二人は、近くの駐車場に停めた車に乗り込んだ。

( ・∀・)「事故るなよ」

(;^ω^)「愛車にこれ以上傷はつけられないお……」

ブーンは運転がへたくそである。

( ・∀・)「運転といやぁ、ギコは?」

( ^ω^)「来れるらしいお」


773 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:01:40 発信元:118.15.55.37
ギコ。

バイク好きで、無鉄砲な男。
ケンカっぱやいが、友達想い。

バイクレーサーになったが、視力の関係でもうすぐ引退するらしい。
これからは教官としてバイクと、レーサーの卵達と接していくようだ。

( ・∀・)「皆に会うの、楽しみだ」

( ^ω^)「僕もだお!」

車は市内のはずれにある喫茶店に着いた。
カラン、カラーンと小気味の良いベルの音。
落ち着いた雰囲気の店内と、ジャズのBGMが気持ちいい。

(´・ω・`)「いらっしゃい……て」

( ・∀・)「よーう。久しぶりだな」


774 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:04:28 発信元:118.15.55.37
ショボン。

無類の話好き。
それが高じて、大学を出た後に喫茶店(バーボンマスター)を開いた。

元々やりくり上手なため、先行きは順調のようだ。
彼もまたツンに、ひそかな恋心を抱いていたのだが、
ブーンと付き合うと聞いたとき、何かが弾けた。

(´・ω・`)「待っててよ、もうすぐ奥さん帰ってくるから」

しばらく雑談していると、

カランカラーン

ドアが開き、少しお腹の膨らんだ女性が入ってきた。
モララーには見覚えのある、横顔。

川 ゚ -゚)「ただいま。買出し行ってきたぞ……て」

( ・∀・)ノ「よっ」

( ^ω^)「懐かしの仲間を連れてきたお!」

川 ゚ -゚)「やぁやぁ二人とも。よく来たな。
     ブーンとはそこそこ会うけど、モララーは久しぶりだな」

( ・∀・)「おう、クー」


776 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:07:43 発信元:118.15.55.37
クー。

ツンと(恐らく)最も仲の良い友達。
精神崩壊寸前のショボンを復活させた功労者。

最初は慰めるだけのつもりだったが、いつの間にか付き合って結婚してた。
結婚式での二人を見たとき、人生とは不思議なものだと、
モララーは少し感心してしまった。

ちなみに、今年の秋には子供が生まれるらしい。

( ・∀・)「このやり手め」

(;´・ω・`)「返す言葉……一切無し!」

( ^ω^)「子供できるのはいい事だお!
      気にすんなお!」

( ^ω^)「だから子供の名前は僕に付けさせてくれお!
      名前は……」

(;´・ω・`)「あー、勝手に話を進めないでくれたまえ。
       とりあえず、コーヒー、飲もうか」

差し出されたコーヒーを飲む。
シベリアで飲むコーヒーはなんとなく苦かった。


777 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:09:04 発信元:118.15.55.37
川 ゚ -゚)「さて」

ひとしきり雑談も終え、ショボンとクーは閉店作業に入った。
現在、午後の5時。いつもより早く店じまいするのである。

( ・∀・)「手伝うぜ?」

(´・ω・`)「いいよいいよ。ここはボクの店だからね。
      お客さんにはそんなことさせられないのさ」

川 ゚ -゚)「『ボクの』じゃなくて、『ボクたちの』、だろ」

(;´・ω・`)「ごめんなさい」

ショボンはクーに頭が上がらないらしい。

( ^ω^)「そんじゃあ、僕たちは車出す準備しとくお!」

(´・ω・`)「ああ、食べ物も用意するから、ちょっと時間かかるからね」

( ・∀・)「把握した」


780 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:12:45 発信元:118.15.55.37
店の看板を『close』にし、準備はできた。
ショボンとクーは後部座席に、モララーは助手席に乗り込んだ。

( ^ω^)「んじゃ、れっつらごーだお」

4人と荷物を乗せた軽自動車は軽快に走り出す。
車は市内を西に外れ、数キロ程走り続けた。

( ^ω^)「そろそろ着くかお」

(´・ω・`)「そうだね」

小高い丘が見えてきた。

( ・∀・)「うほっ、なついな」

皆が少年時代、大切な場所にしていた丘。
緑が生い茂り、市を見渡すのに丁度いいその場所は、

地元の人間だけが知る穴場であった。
でも、なにより皆が好きだったもの。それは……

( ・∀・)「うん、元気に咲いてくれたな」

大きな一本の桜の木であった。


782 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:15:57 発信元:118.15.55.37
シベリアの春は寒い。

でもこの桜は毎年、力強くその桃色を輝かせてくれる。
なんでこんな所に咲いているのか?

( ・∀・)「お前も変人なんだろうな」

モララーは、シベリアという、ある種場違いな場所に咲くこの桜の木を、
同じく変人な自分の性格と合わせて気に入っていた。

(;^ω^)「ふぃ~、運転は疲れるお」

(´・ω・`)「おつかれさん」

川 ゚ -゚)「おや、皆も来たようだぞ」

新たに自動車が近づいてくる。どうやら仲間のようだ。


783 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:18:27 発信元:118.15.55.37
( ,,゚Д゚)「ゴルァ! 久しぶりだな!」

( ・∀・)「相変わらず熱いな、ギコよ」

('A`)「全くだよ」

( ・∀・)「お前はもう少しテンション上げろ」

ξ ゚⊿゚)ξ「ドクオったら、無口だから車の中つまんなかったわ」

( ・∀・)「ひさしぶりだねぇ」

旧友が集まってくる。
そう、今日は久しぶりに懐かしの友が集合する同窓会。

( ・∀・)「時は過ぎても皆変わってない。嬉しいねぇ」


785 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:19:46 発信元:118.15.55.37
モララー。

何よりも自由を愛する男。
シベリア高校を出た後は、世界中を旅している。もちろん今も。

旅の途中に綴った自伝本が、シベリア内で事の他人気を博し、
そのおかげで旅費には困っていなかったりする。

色々な国を回り、色々な体験をしてきた。
それはそれで満足。でも、時々シベリアに戻りたくなる。

そんな折、友から同窓会の連絡が入ってきた。
本人曰く、「ナイスタイミング!」

直行で帰ってきたのだった。


787 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:23:16 発信元:118.15.55.37
(´・ω・`)「さぁさぁ、バーボン自慢の料理をご堪能あれ」

( ,,゚Д゚)「ガツガツいかしてもらうぞ!
     男とレースは体力が資本だからな!」

川 ゚ -゚)「フフ、食べ物はたくさん作ったからな。
     遠慮しなくていい」

('A`)「クーさんの料理はおいしいからなぁ」

たくさんの料理が並べられる。
旨そうな香りが辺りに漂う。
それだけでなんだか涎が出てきた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ブーン、今日は仕事でヘマしなかった?」

( ^ω^)「頑張ったから大丈夫だお!」


788 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:26:05 発信元:118.15.55.37
酒がコップに注がれ、それを手に取る。
もう皆準備はできたらしい。

(´・ω・`)「それじゃあ」

( ,,゚Д゚)「おう!」

('A`)「ハイハイ」

川 ゚ -゚)「子供のためにひかえめひかえめ……」

ξ ゚⊿゚)ξ「今日は無礼講ね」

( ^ω^)「僕は、酒は駄目なんでオレンジジュースだけどお」

( ・∀・)「んじゃ」


   「「「「「「「   乾  杯  !!   」」」」」」」




790 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 01:27:36 発信元:121.2.98.95
乾杯!


798 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 02:00:35 発信元:118.15.55.37

グビッグビッ

( ・∀・)「あー」

( ・∀・)「酒うめぇなぁ」

桜舞う木の下で、友人たちと。
この日に飲んだ酒は、格別。
今までで一番美味い、そう思える酒であった。

<おしまい>





799 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/10(土) 02:01:32 発信元:122.133.102.113
乙!爽やかな喉越しだった!春だな~



 
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コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
どっくんの絵本読みたい

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