スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
149 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚ ζ:2010/04/04(日) 10:29:01 発信元:59.135.38.147
誰かいるかな? 投下させていただきます。連載希望作品です

投下前に二言、三言

・この話は、新ジャンル遊びとブーン系小説のコラボをと考え書きためていたものです。タイトルはその名残です

・途中、話の流れで新ジャンルキャラの話題が出てきます。新ジャンルなんか知らねーよって人はごめんなさい

・自分の携帯だと女AAの目の部分が表示されないので、若干修正を加えながら投下します。不都合があったらご指摘お願いします



◆目次
 (1)(2)(3)(4)(5)(6)(終)



 
150 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚ ζ 1/10:2010/04/04(日) 10:31:46 発信元:59.135.38.148
今はアラブと呼ばれる場所に、かつて栄えたる国ひとつあり

その国の玉座に治まるは一人の王

王には美しき妃がいたが、妃は王の目を盗み

夜な夜な不埒な行為に走る

王は妃の不貞を知り、妃を己の刃に掛けた

それより王は、夜毎娘を一人呼び

慰みものとした末に殺していった

王の怒りは収まらず、今日も娘の血が流れる

王の怒りを止めるは誰か

王の怒りを止めるは誰か




152 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚ ζ 2/10:2010/04/04(日) 10:35:04 発信元:59.135.38.146
・・・

(´・ω・`)「あぁ、一体私にどうしろと言うのだ……」

ζ(゚ー゚ ζ「失礼致します。お父様、お食事の用意が整いました」

(´・ω・`)「おぉ、娘よ。悪いが私は今それどころではないのだ」

ζ(゚ー゚ ζ「どうなさったのですか? いつもならどれほど忙しくとも、お食事を欠かしたことはありませんでしたのに」

(´・ω・`)「娘よ。実は今、私にはある重大な悩みがあるのだ。とても食事が喉を通る心境ではない」

ζ(゚ー゚ ζ「執務は順調ではありませんか。私にはそれほど思い悩む出来事があるようには見えませぬ」

(´・ω・`)「そちにはそうも見えよう。しかし、私には王より仰せつかった別の仕事がある。それが今、私の頭を悩ませておるのだ」

ζ(゚ー゚ ζ「お父様。どうかその悩み、私にお話ししていただけませんでしょうか」

(´・ω・`)「そちに話したところで、どうなるものでもない」

ζ(゚ー゚ ζ「いいえ。悩みは人に話した時点で軽くなるもの。ですからどうかこの私に、お父様の力添えをすることをお許し下さいませ」」

(´・ω・`)「そういったものか」

ζ(゚ー゚ ζ「はい」

(´・ω・`)「ならば、少しだけ話してみるかの」



153 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚ ζ 3/10:2010/04/04(日) 10:39:24 発信元:59.135.38.150
(´・ω・`)「私が悩んでいるのは、他ならぬ我が国の国王のことなのだ」

ζ(゚ー゚ ζ「王様がどうかされたのですか? まさか、ご病気を患っているとか……」

(´・ω・`)「そうではない……いや、ある意味ではそれも当たっている。王は心を病んでおられるのだ」

ζ(゚ー゚ ζ「お父様、それはどういうことなのでしょう」

(´・ω・`)「これはお前だから話すがな、王は数ヶ月前、お妃様が若い男に走ったのを知り、逆上して殺してしまわれたのだ」

ζ(゚ー゚ ζ「まぁ。お妃様は王様と離縁なされて、国元へお帰りあそばされたのではないのですか?」

(´・ω・`)「表向きはそうなっておる。しかし、事実は違う。本当はお妃様は、王の歯牙にかかり命を落としたのじゃ」

(´・ω・`)「それより毎晩、王は夜伽の相手を求めておる。しかし、その相手が帰ってきたことは未だない」

ζ(゚ー゚ ζ「お父様は、その相手を探してらしたのですね」

(´・ω・`)「そうだ。宮廷女官は薄々何かを感じておるのか夜伽を拒む。かといって、

      平民や奴隷の娘をあてがっては王に対し失礼に当たろう」

ζ(゚ー゚ ζ「心中、お察しします」

(´・ω・`)「一体どうしたものか。私が相手を用意出来なければ、次に飛ぶのは私の首だ」

ζ(゚ー゚ ζ「簡単なことですわ。お父様、今宵の王の夜伽は、私がお相手いたします」

(;´・ω・`)「な、なんと!?」



 
senya2.jpg



 
 
169 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/04(日) 11:30:36 発信元:59.135.38.143
(;´・ω・`)「それは誠か? 王の相手をすれば、お前の命がないのやもしれぬのだぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。そのようなことにはなりませぬ。私は、王が心を病む前の寛大なご様子を存じておりますゆえ」

(;´・ω・`)「しかし、私は心配だ。もしそなたが他の女官のように帰らぬ身となっては、私は王へ何をしでかすか分からぬ」

ζ(゚ー゚*ζ「けれど、私がゆかねば犠牲は増えるばかり。それに私とて、何もせずに殺められる訳ではありませぬ」

(;´・ω・`)「何か、王を改心させる術でもあるのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。ここはひとまず私を信用なさって、王へお目通しする手筈を整えて下さいまし」

(;´・ω・`)「ううむ、分かった。お前がそこまで申すなら、今宵のこと全て、お前に任せてみよう」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございます、お父様」



155 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚ ζ 5/10:2010/04/04(日) 10:46:35 発信元:59.135.38.142
―――その夜

(´・ω・`)「失礼致します」

/ ,' 3 「大臣か、入れ」

(´・ω・`)「はい」

/ ,' 3 「どうだ。今宵の夜伽の相手、見つかったか?」

(´・ω・`)「それはもちろん。今宵は僭越ながら、本人たっての希望により、私の娘が王のお相手をさせて頂きます」

/ ,' 3 「ほぅ、そちの娘とな。余の相手をした者がどうなるか知らぬ訳ではあるまいに、勇敢なことじゃ」

(;´・ω・`)「は、ははっ……」

/ ,' 3 「ふふん、我が身可愛さに娘を売るか。貴様はほとほと下卑た父親じゃのう」

(;´・ω・`)「い、いえ……そのようなことは……」

/ ,' 3 「図星か? 狼狽えておるではないか。それより、早うそちの娘とやらをここへ連れてまいれ」

(;´・ω・`)「は、はい。さすれば今しばらくお待ちを……」



156 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚*ζ 6/10:2010/04/04(日) 10:51:17 発信元:59.135.38.144
ζ(゚ー゚*ζ「失礼致します」

(;´・ω・`)「王様、こちらが私の娘でございます」

/ ,' 3 「ほぅ。狸の娘にしては、整った顔立ちをしておるではないか」

(;´・ω・`)「では、あとはお二人でごゆるりと……」

/ ,' 3 「ふん、臆病者めが。あやつに用などない。娘、近う寄れ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい」

/ ,' 3 「一応聞いておくが、貴様のような生娘でも、余が何を求めているかは分かっておろうな」

ζ(゚ー゚*ζ「無論、存じ上げております」

/ ,' 3 「ならば、余の快楽のため全身余すことなく使って奉仕せよ。余が満足せぬ時は、そちのその細い首、ないものと思え」

ζ(゚ー゚*ζ「王様。お世継ぎをこさえるのも大事ですが、その前に私は王様に、一つお話したいことがあるのです」

/ ,' 3 「何? 王たる余に何を話すというのだ」

ζ(゚ー゚*ζ「その前に、まずはその枕元の剣をお納め下さい。でないと私は、恐ろしくて近寄ることもままなりませぬ」

/ ,' 3 「目ざとい娘よ。だが、これは余の命を狙う刺客を討つためのもの。おいそれと手放す訳にはいかぬ」

ζ(゚ー゚*ζ「左様でございましたか。そうとは知らず、短慮であった私をお許し下さいませ」



157 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚*ζ 7/10:2010/04/04(日) 10:53:43 発信元:59.135.38.142
/ ,' 3 「して、余に話したいこととはなんじゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。私が王様にお話したかったのは、私めの夢の話でございます」

/ ,' 3 「夢だと? そのような些末なことに、余が耳を傾けると思うたか」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。ですが、ひと度耳をお貸し頂けたならば、王様はきっと私の話を最後まで聞きたいと思うようになりまする」

/ ,' 3 「そうか。では、つまらぬ話をした場合はそちの命をもらおうか」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。もしも私の話をつまらないと感じましたら、その剣で私の首を刎ねてくださいませ」

/ ,' 3 「なんとも、肚の座った娘よ。ならば好きに語るがよい」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。では、お話させていただきます」

・・・

ζ(゚ー゚*ζ「それはいつの頃からだったでしょうか。私の夢に、毎夜見たこともない国の情景が浮かぶようになりました」

ζ(゚ー゚*ζ「その国には王族も平民も奴隷もなく、全ての者が同じく立ち働き、学び、そして遊ぶことの出来る世のようでございました」

ζ(゚ー゚*ζ「その世界で、私は一人の娘となっているのです。年背格好は十六、七で、

  砂漠の砂のような金色の髪をした、それはそれは美しい娘でした」



159 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚*ζ 8/10:2010/04/04(日) 10:56:46 発信元:59.135.38.150
【ツンデレ】

ζ(゚ー゚*ζ「その娘というのが、例えるならば王の携えたるその剣のような言葉を吐くのです」

/ ,' 3 「なに? それはどういう意味だ」

ζ(゚ー゚*ζ「その娘の言葉は剣のように鋭く尖り、辛辣で、聞く者にとっては時として反感さえ抱きかねないものなのでございます」

/ ,' 3 「女は従順でさえあればよい。そのような横柄な娘、余の前に現れたら叩き切ってくれよう」

ζ(゚ー゚*ζ「人は従順であるばかりが能ではございません。それが証拠に、私は夢の中で、一人の殿方を愛しておりました」

ζ(゚ー゚*ζ「その娘は、意中の殿方の前では厳しい言葉や態度を取ってしまうのです。きっと、

      その殿方に本心を気取られるのが恥ずかしかったのでございましょう」

/ ,' 3 「恥じらうがゆえに辛く当たるなど、愚行ではないか」

ζ(゚ー゚*ζ「そうでしょうか。私には、その娘の気持ちが痛いほどに分かるのです」

/ ,' 3 「むう、何故だ?」

ζ(゚ー゚*ζ「その娘は、強く生まれてしまったがゆえにそのような態度しか取れず、

      そのことで己自身、苦しんでいたからにございます」

/ ,' 3 「むう……」



160 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚*ζ 9/10:2010/04/04(日) 11:03:05 発信元:59.135.38.148
ζ(゚ー゚*ζ「人へ思いが伝えられないというのは、思う以上に悔しく歯痒いものです」

ζ(゚ー゚*ζ「ゆえにその娘も、殿方に稀に思いが伝わることがあれば、内心では喜んでいたのです」

ζ(゚ー゚*ζ「ですが、強く不器用であるが故に素直にそれを口にすることが出来ず、大半は殿方との

      溝を深める結果になってしまう。これはそういう悲しい性を持った娘なのです」

/ ,' 3 「ふむ……して、その娘は一体どうなったのじゃ。思い人と結ばれたのかそうでないのか」

ζ(゚ー゚*ζ「それはまた、明日の夜にお話いたしましょう。今宵はここまでにございます」

/ ,' 3 「なんだと?」

ζ(゚ー゚*ζ「明日、今一度私をお呼び下されば、今宵の続きを話して差し上げることも叶いましょう」

/ ,' 3 「ならぬ、今言うのだ。悔しいが余はそちの言う通り、最後までその話を聞きとうなったわ」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがたいお言葉、痛み入ります。ですが、どちらにしろ私の夢は、長くて一晩では語れぬのです」

/ ,' 3 「ならば、夜伽なぞ後回しで構わぬ。その剣のような言葉を持った少女の話、明日も余に聞かせてみせよ」

ζ(゚ー゚*ζ「畏まりました。それでは今宵は、ここで幕とさせて頂きまする」

ζ(^ー^*ζ「王様、どうか良い夢を」

/ ,' 3 「うむ」



162 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようです ζ(゚ー゚*ζ 10/10:2010/04/04(日) 11:06:45 発信元:59.135.38.149
―――

ζ(゚ー゚*ζ「ただいま戻りました、お父様」

(´・ω・`)「おぉ! よくぞ五体満足で帰ってきた。私は心配していたぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「そのように心配なさらなくても…」

(´・ω・`)「心配するに決まっておろうが! しかし、何事もなくて本当に良かった」

(´・ω・`)「私のせいでお前に何かあっては、死んでも死にきれんからな」

ζ(゚ー゚*ζ「ご安心を。王様は、そのような無体をなさる方ではございません」

(´・ω・`)「馬鹿な。お前は一体どのような手を使って、あの王の魔手から逃れたのだ?」

ζ(゚ー゚*ζ「どのようなと言われましても、私はただ王様とお話をさせていただいただけでございますわ」

(´・ω・`)「佐用なことがあるものか。言葉で王が説得出来るなら、私はお前の手を煩わさずとも済んだはずであろう」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですね。私から一つだけ言えるのは、人は人の恋路に一方ならぬ興味を持つ、ということだけでしょうか」

(´・ω・`)「それがどういう意味かは分からぬが、とにかく良かった。さぁ、今日はゆっくり休むがよい」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。それでは、明日の晩も王の元へ通わねばなりませぬゆえ、今日はお休みさせていただきます」

(;´・ω・`)「な、何っ!? ちょっと待てそれはどういうことだ……」

ζ(゚ー゚*ζ「それではお父様、お休みなさいませ」



(※↓4/6更新分)



389 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 1/12:2010/04/06(火) 02:32:05 発信元:59.135.38.149
―――翌日、夜

(´・ω・`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「それでは行って参ります、お父様」

(´・ω・`)「やはりお前は今宵も王の元へ行くのだな。私の聞き間違いではなかったのか」

ζ(゚ー゚*ζ「はい」

(´・ω・`)「お前が一体王と何を話しているのかは分からぬが、無理をする必要はないのだぞ?」

ζ(゚ー゚*ζ「ご安心を、無理などしておりませぬ」

(´・ω・`)「正直な話、私はお前がいつ王に切り捨てられるかと気が気ではないのだ」

ζ(゚ー゚*ζ「しかし、既に王とは今宵も会う約束を取りつけております。それを反故にしては、尚更お父様の立場がないのではないですか?」

(;´・ω・`)「それはそうだが……」

ζ(゚ー゚*ζ「心配なさらなくとも、きっと今宵も大丈夫でございますよ」

(´・ω・`)「そうか? そう言うのならば、私もお前を信用するしか出来なくなるのだが……」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。何も心配はございませんわ」

(´・ω・`)「ううむ……すまぬなぁ、娘よ」

ζ(゚ー゚*ζ「どうか頭をお上げ下さい。その思いあらばこそ、私は王の眼前に立つことが出来るのですから」



391 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 2/12:2010/04/06(火) 02:34:03 発信元:59.135.38.142
―――王の玉座

ζ(゚ー゚*ζ「失礼致します」

/ ,' 3 「うむ」

ζ(゚ー゚*ζ「王様、今宵もまたお呼び頂き、恐悦至極にございます」

/ ,' 3 「しち面倒な挨拶はよい。それより、早う昨日の話の続きを申せ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、承りました。しかしながら、実は昨日の剣の少女の話はあれで終わりなのです」

/ ,' 3 「なんだと? 貴様、余を謀ったか!」

ζ(゚ー゚*ζ「そうではありませぬ。昨日も申しました通り、私は眠りにつく度、毎日のように夢を見ておりました。

      そして、その夢の中で、私は毎夜ごと違う乙女になっているのです」

/ ,' 3 「それでは、昨日そちが申した剣の少女は、どうなったかそちにも分からぬのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、申し訳ございません。その代わり、今宵はまた別の娘の話をさせて頂きとうございます」

/ ,' 3 「肩透かしもいいところではないか……。ならば、その別の娘の話とやら、申してみよ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。それでは、語らせていただきます」



394 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 3/12:2010/04/06(火) 02:36:32 発信元:59.135.38.142
【素直クール】

ζ(゚ー゚*ζ「二度目に見た夢では、私は黒髪の乙女でございました」

/ ,' 3 「その娘もまた、剣のごとき言葉を吐くのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。なんとこの娘は、殿方と同じような伝法な話し方をするのです」

/ ,' 3 「男言葉を使うというか。それはまた、異な娘よ」

ζ(゚ー゚*ζ「それだけではございません。昨日の娘は、殿方に思いを知られるのを嫌って

      おりましたが、この娘は逆に、己の好意を隠そうともしないのです」

/ ,' 3 「ほう……」

ζ(゚ー゚*ζ「愛しき思いは数あれど、この娘ほど真っ直ぐな伝え方を私は知りませぬ。思い出す度、私の方が赤面しそうになります」

/ ,' 3 「それは、どのような伝え方なのだ?」

ζ(゚ー゚*ζ「例えば、私ならば誰もいないところでひっそりと、殿方に思いを伝えましょう。

      けれど、その娘は大衆の前でさえ、臆面なく殿方へ愛していると囁くのです」

/ ,' 3 「むう。昨夜の剣の娘とは、全く違うのだな」

ζ(゚ー゚*ζ「私には真似ることさえ出来ませぬが、そのような手段を持って伝える心というのも、また羨ましいものでございますね」



396 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 4/12:2010/04/06(火) 02:38:55 発信元:59.135.38.143
【素直ヒート・素直シュール】

ζ(゚ー゚*ζ「そしてその娘には、二人の妹君がおられました」

/ ,' 3 「妹とな?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。そのお二方もまた、殿方へ不思議な愛の伝え方をするのです」

/ ,' 3 「興味深いな、話せ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。一方はまるで砂漠の砂嵐のごとく、全身全霊を傾け、声高らかに愛していると叫びます」

/ ,' 3 「して、もう一方は?」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですね……なんと申しましょうか、例えばあそこに見えますヤシの木が愛を語るような」

ζ(゚ー゚*ζ「そのような、型にはまらぬ愛情表現なのです」

/ ,' 3 「うぅむ。剣の娘の後は、男言葉に砂嵐にヤシの木か。余はいよいよそちの話が分からなくなってきたぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「そうかも知れませぬ。私も、この娘らのことを全て理解しているわけではありませぬゆえ」

/ ,' 3 「そちの語る娘らは、余の常識を越えた娘ばかりのようだな」

ζ(゚ー゚*ζ「そのようです」



397 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 5/12:2010/04/06(火) 02:41:27 発信元:59.135.38.142
ζ(゚ー゚*ζ「しかし、王様。私にも、この娘達のことで分かっていることが一つだけございます」

/ ,' 3 「それはなんじゃ。言うてみよ」

ζ(゚ー゚*ζ「それは、この娘達がどのような態度を取るにしろ、娘達の愛情に偽りはないということです」

/ ,' 3 「昨日語った剣の娘もだと言うか? そんなもの、所詮は夢の中の話ではないか。そのような

     蜃気楼のごとき世迷い事、なぜそちは容易く信じることができるというのだ?」

ζ(゚ー゚*ζ「それは全くの誤解でございます。なぜなら私は、夢の中でその乙女たち自身だったのですから。

      誰であれ、己自身の心を、己に偽り続けることは出来ないのです」

/ ,' 3 「余は、赤の他人の愛情なぞ信用せぬぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「それは王が、未だ真に愛すべきものを見つけていないからでしょう」

/ ,' 3 「貴様、余を愚弄すると申すか!」

ζ(゚ー゚*ζ「さしでがましい物言いになったことは謝罪致します。ですが、私の言ったことに嘘はございません」



399 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 6/12:2010/04/06(火) 02:44:18 発信元:59.135.38.141
ζ(゚ー゚*ζ「王様が、心の底より愛する者を見つけた時、きっと私の言う娘達の心が分かりましょう」

/ ,' 3 「そのような時は、未来永劫来ぬわ」

ζ(゚ー゚*ζ「そんなことはございません。私には父と妹がおりますが、家族の与えてくれた愛情は、

      必ずや己の肥やしとなって、また新たな愛情を育む元となるのです」

ζ(゚ー゚*ζ「王様にも、家族はいらっしゃったでしょう? その家族の与えし愛情は、娘らのそれとなんら変わりないものなのですよ」

/ ,' 3 「そちのような者と余を、一緒くたにするでない」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。家族愛には、王も平民もございません。現に王様は、私の無礼とも取れる物言いに、

      刃を抜くことをしないではありませぬか。それが、何よりの証拠でございます」

/ ,' 3 「それは、そちを殺めては話の続きが聞けぬからじゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「それで良いのでございます。王は自身でも知らぬうちに、昔の優しき王へ戻ろうとしているのでございますよ」

/ ,' 3 「なに?」

ζ(゚ー゚*ζ「それでは、今宵はこの辺で。また明日の夜にお会い出来ることを願っております」

/ ,' 3 「う、うむ……」




401 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 7/12:2010/04/06(火) 02:48:03 発信元:59.135.38.146
―――

ζ(゚ー゚*ζ「ただいま帰りました、お父様」

(´・ω・`)「おぉ、娘よ。よくぞ五体満足で帰ってきてくれた」

ζ(゚ー゚*ζ「毎夜、ご心配をおかけして申し訳ありませぬ」

(´・ω・`)「二晩続けて夜伽に向かうと聞いた時はどうなることかと思ったが、無事で何よりじゃ」

(´・ω・`)「して、王の様子はいかなるものか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。それはそれは愛らしく、私の話を心待ちにしているようでございました」

(´・ω・`)「そうか……お前が何を話しているのかは知らぬが、王が落ち着いておるなら詳しくは聞くまい」

ζ(゚ー゚*ζ「しかしお父様、もしかしたら明日は、昨日までのようにはいかぬやも知れませぬ」

(;´・ω・`)「な、何? それは何ゆえじゃ!?」

ζ(゚ー゚*ζ「明日私の話すことは、王の逆鱗に触れかねないのです。ですから、明日もまたこうして会えるとは思いませんよう」

(;´・ω・`)「だ、駄目だ駄目だ! そのような危ない役目、お前にやらす訳には……」

ζ(゚ー゚*ζ「私でなければならないのです。ですからどうか、私が務めを無事果たせますよう、それだけを祈っていて下さいまし」

(;´・ω・`)「くっ……仕方あるまい。元はと言えば私がお前に押しつけた仕事。なればもう、私からは何も言うまいよ」

ζ(゚ー゚*ζ「娘の不徳を、どうかお許しください。せめては王を説得し、お父様のご心労を軽くすることでご恩返しをしたく思います」



403 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 8/12:2010/04/06(火) 02:50:29 発信元:59.135.38.147
―――

ζ(゚ー゚*ζ「失礼致します」

/ ,' 3 「来たか、娘よ」

ζ(゚ー゚*ζ「昨夜の無礼な物言いにも関わらず、今宵もお呼びいただき誠に恐縮でございます」

/ ,' 3 「前置きはよい。それより、早うそちの夢の話を語り、余の耳を楽しませるがよい」

ζ(゚ー゚*ζ「はい……」

/ ,' 3 「どうした、何ゆえ押し黙っておる。まさか、もう話すことが尽きたのではあるまいな」

ζ(゚ー゚*ζ「そのことなのですが……王様。今宵、私がお話をする前に、一つお約束をしていただけないでしょうか」

/ ,' 3 「なんだ、それはもしや褒美のことか? 心配せずとも、元よりそちの語らいには相応の物を与えるつもりでおるわ」

ζ(゚ー゚*ζ「そうではございません。実は、今宵の話には、王を不快にさせるものが含まれているやも知れないのです」

ζ(゚ー゚*ζ「ですからもし、私の話が王の耳に苦く聞こえましても、どうかその枕元の剣を抜かないと約束してくださいまし」

/ ,' 3 「なんだと? ……まぁ、良かろう。ならば、そちの言うとおり剣は収めておいてやろうか」

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございます。それでは今宵も、語らせていただきます」



407 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 9/12:2010/04/06(火) 03:01:04 発信元:59.135.38.142
【素直狂う】


ζ(゚ー゚*ζ「今宵、王へお話致しますは、愛ゆえに人を、そして己をも傷つける娘のお話でございます」

/ ,' 3 「何やらきな臭い娘だな。それは一体いかような娘なのか」

ζ(゚ー゚*ζ「私の言ったままにございます。その娘は、愛する相手と、愛する者を持つ己とを傷つけずにはおけぬ、危険な愛情の持ち主なのです」

/ ,' 3 「むぅ……昨夜までの娘も信じがたい様相であったが、その娘はまた一段と線を違えておる訳か」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。一歩間違えれば、殿方も自分も命を落としかねない綱渡りのような関係です」

/ ,' 3 「そのようなことが相手に知れ渡れば、そもそも相手にもされぬだろうに」

ζ(゚ー゚*ζ「私もそう思います。ですが、私の夢に見たかの国では、傷つけることさえ愛の一種として確立されているようなのです」

/ ,' 3 「分からぬ、余にはそのような関係が何ゆえ成立するのか分からぬわ」

ζ(゚ー゚*ζ「それは、殿方も娘を愛していればこそなのでしょう。でなければこのような狂愛、互いの身を滅ぼすだけなのではないでしょうか」

/ ,' 3 「左様か。まこと、そちの言う夢の国の理は、理解し難いものよ」

ζ(゚ー゚*ζ「果たして、そうでしょうか?」

/ ,' 3 「何?」

ζ(゚ー゚*ζ「私は、このような狂愛を間近に存じ上げております」


408 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 10/12:2010/04/06(火) 03:05:09 発信元:59.135.38.149
/ ,' 3 「何だと? そちの言うような関係が我らの間近にあるだと?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。恐れながら私は、この娘の狂愛を王の姿と重ねておりました」

/ ,' 3 「何っ!?」

ζ(゚ー゚*ζ「王様。私は、父より全てを伝え聞いております。王がなぜ夜伽の相手を

      探しているのかも、そしてなぜ夜伽の相手をした娘が帰って来ないのかも」

ζ(゚ー゚*ζ「さらに言えば、離縁されたことになっているお妃様が、本当はどこへ行ってしまわれたのかも」

/ ,' 3 「貴様っ……それは、余を脅しているつもりか!?」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ。私はただ、狂愛に溺れる王様を、お救いしたいだけなのです」

/ ,' 3 「余が狂愛に溺れているだと? 不遜だぞ、小娘が!!」

ζ(゚ー゚*ζ「不遜はもとより承知の上。ですが、私が言わねば誰が王の曇った心を正せるでしょうか」

/ ,' 3 「言わせておけば抜け抜けとっ……」

ζ(゚ー゚*ζ「申し訳ありませぬ。ですが、どうかそのまま、私の話を聞いて下さいまし」



410 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 11/12:2010/04/06(火) 03:09:59 発信元:59.135.38.143
ζ(゚ー゚*ζ「王はお気づきになられてはいないやも知れませぬが、王様のその御心は間違いなく娘と同じ狂えし愛情です」

/ ,' 3 「黙れ……!」

ζ(゚ー゚*ζ「いいえ、黙りませぬ。王はお妃様を愛していたがゆえに、他の殿方へ心をなびかせたお妃様が許せなかったのです」

/ ,' 3 「黙らぬか!」

ζ(゚ー゚*ζ「けれど、狂愛は相手に思われていなければ成立しないと、私は先ほど申しました」

ζ(゚ー゚*ζ「ゆえに王様は、叶わぬ狂愛と嫉妬の果てに、お妃様を手にかけられた。違いますか?」

/ ,' 3 「黙れと言っておろうが!!」

―――シュラッ

ζ(゚ー゚*ζ「……!!」

/ ,' 3 「もう良い。臣下の娘だからと甘い顔をした余が間違いであった。貴様も他の娘と同様に、砂漠の禿鷹の餌にしてくれよう」

ζ(゚ー゚*ζ「刃は抜かぬという約束をお忘れでございますか? 一度誓ったことを破られるとは、一国の王たる者の所作とは思えませぬ」

/ ,' 3 「黙れ! そちの戯れ言などもう聞かぬ。一瞬で楽にしてやるゆえ、せいぜい夢の娘と今生の別れでも果たすがよいわ!」

ζ(゚ー゚*ζ「ならば、別れついでに今一つだけ、私の夢の娘の話をさせていただきましょう」



411 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/04/06(火) 03:13:02 発信元:125.54.170.35
(´・ω・`)の娘とは思えぬ



413 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ 12/12:2010/04/06(火) 03:15:52 発信元:59.135.38.145
【誤解殺気】

ζ(゚ー゚*ζ「その娘の眼光は鷹のように鋭く、今まさに私の首を刎ねんとする王のごとき殺気を、日々放っておりました」

ζ(゚ー゚*ζ「しかし、その娘の本来の気性は、表情とは裏腹に、非常に穏やかなのです」

ζ(゚ー゚*ζ「けれど、人を選ばぬその殺気と、美しくも恐ろしげな面のおかげで、娘はいつも誤解されてばかりでございました」

/ ,' 3 「……」

ζ(゚ー゚*ζ「その様は、まるで今の王様の姿と瓜二つ。怒りに身を任せ優しき気性を投げ打つ、王そのものでございます」

/ ,' 3 「……余が、優しいだとぉ?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。私は臣民への慈しみを持っていた頃の王を、よく存じ上げておりますゆえ」

/ ,' 3 「……」

ζ(゚ー゚*ζ「娘は学友たちの協力で、今は救われております。ですが、王が救われるのは今この時を置いて他にございません」

ζ(゚ー゚*ζ「王様。私は、あなたへ謝罪を求めている訳でも、悔い改めて欲しい訳でもございません」

ζ(゚ー゚*ζ「ただ一つ、亡くなられたお妃様と娘らを、ないがしろにしていただきたくないだけなのです」

ζ(゚ー゚*ζ「せめて、皆に墓標を作って弔うことは叶わないでしょうか。それはきっと、王の御身を救うことにも繋がりまする」

ζ(゚ー゚*ζ「不肖な私の唯一の願い、聞き入れてはいただけませぬでしょうか。お願い致します」

/ ,' 3 「……」



418 :/ ,' 3 新ジャンル千夜一夜のようですζ(゚ー゚*ζ:2010/04/06(火) 03:25:11 発信元:59.135.38.143
以下、次回へ続く

一応今回登場した新ジャンルの関連リンク貼っときます

素直ヒートhttp://imihu.blog30.fc2.com/?mode=m&no=1764

素直クールhttp://gxc.google.com/gwt/x?client=ms-kddi_blended-jp&u=http%3A%2F%2Fwww16.atwiki.jp/sucool/&wsi=bef645c69d739444&ei=nim6S8SkEYnesALqq4y2Cg&wsc=tw&ct=pg1&whp=30
 (※ →PC用  →携帯用

素直シュールhttp://gxc.google.com/gwt/x?client=ms-kddi_blended-jp&u=http%3A%2F%2Fwww14.atwiki.jp/gaseousform/&wsi=bef645c69d739444&ei=Dyq6S5CDDp7AtAKw0Oy0Bw&wsc=tw&ct=pg1&whp=30
 (※ →PC用  →携帯用

誤解殺気http://imihu.blog30.fc2.com/?mode=m&no=1970

素直狂うのwikiだけ見つからんかった
 (※ →素直狂う って萌えね? PC用サイト)




 →(2)へ

  ↑ 千夜一夜 インデックスへ戻る

 
 
総合短編(ファンタジー・時代劇) | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。