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川 ゚ -゚)宝物のようです

2009/11/17 Tue 18:22

 
823 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:09:23.25 ID:anmGlj75O
川 ゚ -゚)「………」
ジューッジューッ

私の名前は素直クール。
この世に生を受けて18年。
素直財閥の跡取り娘だ。
財閥と言えば聞こえはいいが、今はすでに没落している。
私に残されたのは、妹たち4人と莫大な借金のみだった。
 
 
没落するまでは優雅なもので、贅の限りを尽くしていた。
広い敷地に豪華な建物、数十人もの使用人、一流シェフの作る料理。
その中で生まれ、当たり前のように育ち、
財閥を背負って立つために様々な学問を修めた。
しかし、一年前状況は一変した。
父が経営していた企業は軒並み潰され、その父も事故で他界した。
その後、母は行方をくらます。
残った財産もすべて分家の大人たちが切り崩し、カケラも残らなかった。
止めようにも、たかだか18にも満たない年端もいかぬ少女は無力だった。いかに本家の人間だろと、だ。
分家の人間たちと連絡がとることすら叶わない。
奴らは先祖代々、そして父が成した富をかっさらい今頃、隠遁生活を楽しんでいることだろう。
当初こそは騒がれもしたものの、素直財閥はしだいに人々の頭の中から消えていった。


824 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:10:39.79 ID:anmGlj75O
そんなこともあり、私たちは数日前から、兄弟だけでごく普通の一軒家暮らしている。
父がもしもの時用に隠し持っていたものだ。
外面と違って極貧生活なのは秘密だ。
私が自暴自棄にならなかったのも、ひとえに彼女たちの存在があったからこそだ。

川 ゚ -゚)「っ!!」

物思いに耽っていたら卵がいつの間にか黒い固まりに変わっていた。

川 ゚ -゚)「おかしいな。スクランブルエッグを作っていたはずなんだが。」

料理というものには慣れない。
なにせこの生活になってから始めたのだ。
これもいい経験か…と一人呟く。

o川*゚ー゚)o「あー!!クー姉!!また、焦がしてる!!卵だってタダじゃないんだからね!!」

唐突に後ろから声がして、びくりとしてしまった。

川 ゚ -゚)「なんだキュートか。今日は早起きだな。」
o川;゚ー゚)o「早起きもなにももうみんな起きる時間だよ?」
川 ゚ -゚)「む…。」

そう言われ時計をみると確かにみんな起きだす時間だ。
ふいに、扉の向こうからゴソゴソと音が聞こえる。




826 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:12:10.85 ID:anmGlj75O
ガチャッ
lw´‐ _‐ノv「おはようござりまする。姉上A、妹下B。」
川 ゚ -゚)「あぁ、おはよう。」
o川;゚ー゚)o「妹下ってどう読むの?クー姉も普通に挨拶してないでつっこもうよ。」
lw*´‐ _‐ノv「いやん///つっこむだなんて強引なのね///」
o川#^ー^)o「なんのことかしら?シュー姉」
lw´‐ _‐ノv「ふっふっふっ、なんでもござらぬよ。」

やれやれ、仲のいい姉妹だ。なんて一人思いながら口元が緩んでしまった。

川 ゚ ー゚)「さて、早く支度をしないとな。」
そういいながら、私はまたキッチンという名の戦場へ足を運んだ。
今度こそスクランブルエッグを成功させねば。

o川*゚ー゚)o「私がやるからいいよ。クー姉は洗濯物をお願い。」
川 ゚ -゚)「む…了解した。」

よほど残念そうな顔をしていたのかキュートは必死に笑いを堪えていた。

川 ゚ 々゚)「あませえの。うおやほ。」
川 ゚ -゚)「うむ、おはようクルウ。」

キッチンからキュートのツッコミが聞こえた気がしたが放っておこう。

川 ゚ -゚)「お前も早く準備しないと時間がないぞ?」
川 ゚ 々゚)「いああh。」

そういうとクルウは洗面所から去っていった。


827 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:15:27.08 ID:anmGlj75O
川 ゚ -゚)「あとはいつもの事だがヒートだけか。」

まぁ、放っといてもそのうち起きるだろうと、私は洗濯機と格闘していた。

川;゚ -゚)「えっと…確か洗剤はクレンザーで…えっと…確かこのボタンを押せば洗濯を開始するはず…」

脱水ピッゴウンゴウン

川 ゚ ー゚)「ふむ…出来るではないか私。」

私は満足気にその場を後にし、キッチンへと向かった。

ガチャッ
o川*゚ー゚)o「ご飯できたよ?ちゃんとできた?」
川 ゚ ー゚)「私を誰だと思っている。一家の長たる長女だぞ。これくらい造作もない。」
o川;゚ー゚)o「なんだか心配だから見てくる。」

失礼な奴だ、と眉をひそめながら扉をあけ洗面所へ向かうキュートを見送った。
数秒の間をおいて、キュートの叫び声が 聞こえる。

o川#゚ー゚)o「クー姉!!できてないじゃない!!まったくもー、わかんないなら聞いてよね。」
川;゚ -゚)「す、すまない。」

洗濯機を操作し、キッチンへ戻ってくるキュート。
ここから妹によるお小言タイムだ。なさけない。

o川;゚ー゚)o「だいたい、クー姉。長女だからっt「「寝坊したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」」

バンッと思い切りのいい音と共に扉が開いた。



828 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:16:37.90 ID:anmGlj75O
扉の前を陣取っていたキュートは背後からの奇襲に対応できず、クリーンヒットした。

ノパ⊿゚)「」朝だぞぉぉぉぉぉ!!!!!みんなおはよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!

元気がよすぎて鍵括弧からセリフがとびたしている少女が現れた。ヒートだ。
ヒートは足元に転がるキュートに気がついたようだ。

ノパ⊿゚)「キュート!!誰にやられた!!しっかりするんだぁぁぁぁぁ!!朝だぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
o川メ゚ー゚)o「あ…あ…」
ノパ⊿゚)「あ?」
o川メ゚ー゚)o「あんたがやったんでしょうが…あと、朝は…関係…ない…。」ガクッ

最後の力を振り絞ってそれだけ伝えるとキュートは力尽きたようだ。
ツッコミの鑑である。

ノハ;⊿;)「キュートぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
川;゚ -゚)「落ち着けヒート!!今すぐ私が必殺技を使ってキュートを治療してみせる!!」
ノハ;゚⊿゚)「あ、あれを使うのか!!姉貴!!」

そう、私の一つだけの取り柄。特技。
唯一、絶対と崇める必殺の一撃。


札 束 ビ ン タ だ 。


829 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:21:38.43 ID:anmGlj75O
ノハ;゚⊿゚)「し、しかし、あれは札束がないとできない!!今の姉貴には無理だ!!!!」
川#゚ -゚)「できるできないじゃない!!するんだ!!」
ビクリとヒートが体を震わせる。
一拍間をおいて、なんたって、と続ける。
川 ゚ -゚)「私はお前たちの姉なのだからな。」
ノパ⊿゚)「姉貴…」
lw´‐ _‐ノv「姉…」
川 ゚ 々゚)「…あませえの」
料理もできない。洗濯もまともにできない。
それでも、長女として、愛する家族を守る者として、私はやらなくてはならない。

川 ゚ -゚)(私を不幸のどん底に墜とした神よ。貴様に頼るのは癪だが、妹を助けるために力を貸してくれ。)

祈るように、そして願うように、私はモーションに入る。
唯一と崇める己の秘技。
緩慢な時間の中で己の感覚が研ぎ澄まされていく。
右手には厚さ1cmの紙の束がある。
それを肩の最頂点に達した刹那、振り下ろす。そうイメージする。

川 ゚ -゚)゜「っ!!」

目を見開き、息を溜め、一気に

振 り 下 ろ す

川 ゚ -゚)o彡゜「必殺!!」

「「エ ア 札 束 ビ ン タ(ただのビンタ)」」

渇いた音が部屋中にこだました。


830 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:24:43.28 ID:anmGlj75O
o川* ー )o「………」

彼女は反応しない。また、私は失うのだろうか。
今までの札束ビンタの中で一番のものだったと思う。
それでも、それでも足りないというのか。大切な家族すらも守る事ができない無力。
私は、心が折れかけていた。

o川* ー )o「ん…」

ピクリとキュートの指が動いた。全員が息を呑む。

o川*゚ー゚)o「あれ?私寝てたの?いけないもうこんな時間じゃない!!」

隣でヒートがわなわなと震えている。

ノハ;⊿;)「キュートぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!よかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!助かったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

思いっきりキュートとに抱きつくヒート。
それをみて私はホッと胸を撫で下ろした。

o川;゚ー゚)o「な、なんなの?ヒー姉?いたたたた!!そんなに締めつけたら痛いから!!」
lw´‐ _‐ノv「締めつけたら痛いだなんて、なんて卑猥な…」ボソッ
ノハ;⊿;)「ごめんよー。ごめんよー。」
o川#゚ー゚)o「シュー姉。また、なんか言ったでしょ。」
lw´‐ _‐ノv「朝米がうまいでおじゃるなー。」
o川;゚ー゚)o「米って…」
川 ゚ -゚)「まぁまぁ、みんな朝食を摂ろうじゃないか。」

それを合図に、妹たちはみんな各々の席につく。


831 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:29:54.27 ID:anmGlj75O
自分の席につき気付く。
川 ゚ -゚)「冷めてるな」
o川*゚ー゚)o「それなら大丈夫。あれで温めればいいよ。」
キュートが指を指した先には拾ってきた電子レンジがあった。
川 ゚ -゚)「なるほど!!…で、使い方は?」
o川*^ー^)o「クー姉たらー。入れてここのボタンを押すだけ。」
川 ゚ -゚)「把握した。」
⊂( ^ω^)⊃ブーン⊂( ^ω^)⊃ブーンチンッ
o川*゚ー゚)o「ほら、あったかくなったでしょ?」
川 ゚ ー゚)「うむ、便利なものだな。」
o川;゚ー゚)o「いけない!!早く食べないと遅刻しちゃう!!」
ノパ⊿゚)「うぉぉぉぉぉ!!!!!!食べるぞぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
lw´‐ _‐ノv「すでに戴いてる。」ポリポリ
川 ゚ 々゚)「うさみかたてぃ。」
o川*゚ー゚)o「いただきます。」

私たちは、失ったものは多いが、それでももっと大切なモノを手に入れた気がした。
そんなことを思いながら眺めているとキュートに声をかけられた。

o川*゚ー゚)o「クー姉、食べないの?」
川 ゚ー゚)「ああ、食べるとも。」

素直家五姉妹の貧乏人生は始まったばかりだ。
しかし、私はどんな困難が立ちふさがってもこの幸せを守りきってみせよう。
姉妹五人でいつまでも笑っていられるように。

川 ^ー^)「いただきます。」

おしまい


832 :川 ゚ -゚)宝物のようです:2009/11/17(火) 12:33:05.76 ID:anmGlj75O

以上です。

お題は
札束ビンタ
ほら、あったかくなったろう
素直五姉妹貧乏人生

でした。

 
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