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382 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/18(木) 23:37:34 発信元:118.15.55.37
川 ゚ -゚)「本気出せば漫画家なんて余裕だろう」

彼女の名はクー。ただのニートである。
彼女はただいま少年ジャソプに載っている漫画賞に注目していた。

川 ゚ -゚)「デツカ賞……入選すれば賞金200マソとは」

川 ゚ー゚)「……勝ったな、この勝負」ニヤリ

これは、大したうつけもののお話である。


川 ゚ -゚)が漫画家を目指すようです、が……


 
 
384 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/18(木) 23:41:46 発信元:118.15.55.37
彼女には自信があった。


「ガキンチョの頃からアホみたいに漫画を読み続けていた」

「だから漫画を描くのも簡単」

「むしろ楽勝」

「完璧なストーリーが自分の中にある」

「後はそれを原稿用紙に描けばいいだけ」


クーの頭の中はそんなんでいっぱいだった。


387 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/18(木) 23:46:25 発信元:118.15.55.37
川 ゚ -゚)「よっしゃ、いっちょ描いてみるか」

ジャージを脱ぎ、外用の服を着装し、近所の画材屋さんへと自転車を飛ばす。
川 ゚ -゚)「カネはあんまりないが、
     まぁとにかくペンと原稿用紙は買わないとな」

所持金は3千円。でも、入選すれば十二分におつりはくる。
クーはガチでそう考えていた。

程なくして原稿用紙とGペン、ペン軸、製図用インクを購入し自宅に戻った。

川 ゚ -゚)「フ……フフフ」

まさか自分が漫画を描くことになるとは。

実のところ、漫画は小学生の頃ちょろっと描いただけだが、
今のクーにはデカすぎる野望と希望あふれる未来(という名の妄想)を前に、
身の程を知るとかいう発想は微塵も浮かぶことはなかったのだ。

川 ゚ ヮ゚)「賞金は私のモノだぁ!」


390 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/18(木) 23:50:30 発信元:118.15.55.37


川 - )「……」

「全ては思いのまま」

そのはずだった。だが、この目の前の現実は何か。
原稿用紙を出す、Gペンをペン軸に着ける。
ここまでは思惑通りであった。


しかし


見事道具を購入し終えたはずのクーに


戦慄走る


393 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/18(木) 23:55:37 発信元:118.15.55.37
川;゚ -゚)「マンガの底が見えない!!!!!!!!!!!!!!!」
過去何百という漫画を読みまくった自身の経験から、
漫画を描くということは簡単、という結論に至ったクー。

川;゚ -゚)「31ページで!?起承転結!?コマ割!?構図!!?」

川;゚ -゚)「描ける!? ネームから!? 下書き!? スクリーン!?」

川;゚ -゚)「……否!」

想像の5倍、10倍、いや、それ以上の作業量が待っている事を知った。

川;゚ -゚)「なん……だと……!?」

川;゚ -゚)「素数を数えて落ち着け!」

川; - )「1……3……4……」

絶望がクーのゴールか?


397 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 00:00:53 発信元:118.15.55.37


川;゚ -゚)「直線も上手く引けないなんて」シャッシャッ

川;゚ -゚)「くそぅ、ジャソプ連載作家は化け物か!?」ガリガリ

川;゚ -゚)「このままじゃ締め切りが……」ギリギリ

締め切りまであと2週間を切った。
このままでは間に合うはずもない。

川 ゚ -゚)「……少々歯がゆいが、ヤツに頼むか」

ちょっぴりの悔しさを押さえ、クーはヤツに救援を乞うことにした。

トゥオルルルルン……トゥオルルルルンピッ『もしも川 ゚ -゚)「おい今暇か」

『え? 今はちょっ川 ゚ -゚)「なら今すぐ私の家に来い」

『……あの川 ゚ -゚)「待ってるぞ」ピッ


399 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 00:05:38 発信元:118.15.55.37


しばらくして、ヤツが来た。

(;'A`)「なんだよ……何の用だよ」

川 ゚ -゚)「実はな、今漫画描いているんだが」

('A`)「おやおやそれは」

彼の名はドクオ。彼もまた漫画家志望の青年である。
クーとは幼い頃からの腐れ縁とかなんやかんやで高校時代から付き合っている。

ドクオは発作的に漫画家という夢を抱いたクーとは異なり、
中学生の頃から出版社に持ち込みをしていたできる子である。

ちなみに今は週栄社に担当もついた。まさに漫画家の卵。

川 ゚ -゚)「ちょっと背景とか効果線とか頼む」

('A`)「まぁちょっとならいいけど……って」

渡された原稿用紙に、ドクオは未曾有の衝撃を受けることになる。

(;'A`)「ほとんど全部白紙て」

川 ゚ -゚)「うん、そうなんだ。すまないと思ってる。
     でも私はドクオを信じるよ。お前も私を信じてくれるだろ?」

(;'A`)「発想が おかしい」


400 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 00:09:29 発信元:118.15.55.37


ドクオは泣いた。ひたすら泣いた。
彼もまたデツカ賞に送るため漫画を描いている所であった。

クーに頼まれた日から、彼に安眠の時間はほとんど無くなっていった。
自分の漫画とクーの漫画の同時作業、地獄である。

(;'A`)「なんで下書きとかしてないんだよ」カリカリ

川;゚ -゚)「私だって(自分なりに)努力したんだ! それに」

川#゚ -゚)「やらなきゃなんにも進まないだろうが!」

(;'A`)「自分理論を振りかざしといて、俺に頼むなよ……」カリカリ

こうして、二人は朝も夜も関係なくひたすら漫画に取り組んだ。

そして……


402 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 00:14:21 発信元:118.15.55.37
川 ゚ -゚)「できた!」

('A`)「ほとんど俺の作画だけどなぁ」

川 ゚ -゚)「いいんだよ細かいことは」

荒削りの画、適当なストーリー。できたものはお世辞にもいい出来とは言えない。
だが、それでもクーは満足だった。

(;'A`)「いや、作画はほとんど俺だからね? 天の声よ」

川 ゚ -゚)「うるさいなぁ」

(;A;)「あーなんか目にゴミが…ウェェン」

川 ゚ -゚)「とりあえず郵便局行こうか」

二人はそれぞれの夢を詰めた封筒を持ち、郵便局にダッシュした。

川 ゚ -゚)「これで賞金は私のものだな。
     おまけにジャソプ掲載の可能性すらある」

('A`)「う~んどうだろうね。デツカ賞ってすごい人ばっかりだから」


404 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 00:18:49 発信元:118.15.55.37
数ヵ月後、結果が少年ジャソプ本誌にて発表された。
ドクオは見事準入選に選ばれ、作品が少年ジャソプに掲載されることになった。

一方で、クーは……

川  - )「歯牙にもかからないとは……」

('A`)「しょうがないよ。今回は時間無かったもの」

川;゚ -゚)「そっ、そうか! 決して私の才能が無いわけではないと!」

('A`)「う~んまぁそうなんじゃない。
    でも次はちゃんと自分で描けよぅ」

川 ゚ -゚)「じゃあ今度は持込用にまた描く!」

こうして二人の漫画バカは、更なる漫画の深淵に足を踏み込むことになる。

後に、クーは美少女戦隊モノで一発当て、
ドクオは、少年誌と思えぬハードな展開の漫画を大ヒットさせることはまぁ別の話である。

<おわり>



 
総合短編(コメディ・ほのぼの) | コメント(3) | トラックバック(0)
コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
ドックンはできる子
No title
なんという富樫と武内
No title
×富樫
○冨樫

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