スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
166 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:34:05 発信元:123.221.192.183
世の中にフェミニストと呼ばれる人々がいる。

女性の地位向上を目指し、男性優位の社会に物申す人々だ。
しかしフェミニストの団体は数あれど、こんな激しい団体名をもったフェミニスト集団はいないだろう。

「シベリアキョセイクラブ」

この過激団体の目的はこうだ。

「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。

これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土、また世界同時革命とともに完遂される。

我々の闘争は新世代の仮借なき階級闘争である」 宣誓ー19XX年、X月


こんなことを宣言したら、いくら辺境であるシベリアといえどもクレムリンの目を免れ得まい。
だが実際にはクレムリンどころか、村役場でさえ関知しなかった。

男性の誇りを奪う儀式を彼女らは「キョセイ」と読んでいた。
陽気の良い午後の昼下がり、このシベリアの片隅で今日も陰惨なキョセイが行われようとしていた。


167 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/14(日) 00:35:25 発信元:121.2.98.95
とんでもない奴ら過ぎる
 
 
168 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:36:47 発信元:123.221.192.183
彼女達のアジトから、ものすごい勢いで出て行く何者かがいた。

ξ゚⊿゚)ξ あいつが逃げたわ!追うのよ!

o川*゚ー゚)o おいこら、まてー

('A`)    畜生、捕まってたまるか、毎回毎回....

獲物は少年である。
少年は村から続く一本道を必死に逃げていたが、追いつかれると知ると横の草原に飛び込んだ。
そして、必死で草原の中を駆けていった。

が、背の高い草の群落に遭遇すると、根元にけっつまづいてこけてしまった。


('A`)うわあああああああ、やめろ、やめてくれ!

まるでライオンの爪にかかったインパラのように、恐怖と諦めの混じった表情を浮かべている。容赦はない。
少年はずるずるとアジトへと引きずられていく。最初、悲惨な叫び声が聞こえるが、じきに声は弱々しくなり、やがて途絶える。



172 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:42:11 発信元:123.221.192.183
こんなことを書くと、凶悪な逆レイプ集団のように思うかもしれない。
だが、何のことはない。彼らは子供で、兄弟姉妹なのである。

そして、キョセイと言う言葉は単に男性の誇りを奪う、という意味でしかない。

というよりも、彼女らは(及びドクオも)キョセイの意味をよく知らない。

もともと近所の牛飼いの親父が冗談めかして使っていたのを勘違いして、「男性の誇りを奪う、服従させる」の
意味で使っていた。無知とは恐ろしいものである。


一番上がツニャーナ(書記長)、二番目がスナオリャ(副書記長)、そして獲物が末っ子のドクオ。

本当は書記長代理兼特命秘書がいる。しかし彼女はこうした茶番には付き合わず、どこかの木陰でいつも読書に
いそしんでいた。


174 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/14(日) 00:47:27 発信元:121.2.98.95
役場が関知しないわけだw


175 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:51:27 発信元:123.221.192.183
さて木陰で読書をしていた書記長代理兼特命秘書に近づく一人の得体の知れない人物がいた。


ζ(゚ー゚*ζまたお姉さんたちにいじめられたの?


彼女の名前はデレーニャといい、ドクオと双子の姉妹であった。


('A`)いじめられたんじゃない、き ょ せ い されたんだよ


キョセイとは詰まるところ、強制的に化粧を施され、女装をさせられることであった。


ζ(゚ー゚*ζふふふ、やだ....


さすがに本をよく読んでいるだけあって、キョセイの意味を知っていた。
のみならず例の宣言文は彼女の手になるものだった。読書家の彼女は単調な児童文学に飽き足らず、
初期共産主義者やアナーキストの文章を好んで読んでいる変わり者だった。

もっとも姉たちの暴挙には一線を引いていて、特別に要請されると渋々任務を果たしていた。




177 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:59:00 発信元:123.221.192.183

得体が知れない、と書いたのは、普通の人であればドクオであると見分けられないほど悲惨な化粧が
施されていたからであった。おしろいはまるでピエロの化粧のように分厚く、口紅は真っ赤なゴムパッキンを
おもわせるように太く引かれていた。

彼女はドクオの頭に手をやり、一つ一つヘアピンを抜いてやった。
そして持っていたハンカチでドクオの悲惨な化粧を拭ってやった。


だが拭っている最中にドクオはくしゃみをした。

その結果、口紅が鼻の下まで塗り伸ばされた。


ζ(゚ー゚*ζアハハ...もうやだ.....フフフフ お化けみたい

('A`)ちくしょう、何の因果でこんな目に会うんだ



こんな感じで彼の週末はいつも過ぎていった。

(続きは明日以降)


 
422 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:01:39 発信元:123.221.208.163
さて、この恐るべきシベリアキョセイクラブの本拠地はと言うと、シベリアのどこにでもある
和やかな家庭だった。


J( 'ー`)し「ただいま。さあ、子供たち、今日はお父さんが帰ってくる日だわ」

('A`)   「おかえり」

J( 'ー`)し「あら、まだあんたしか帰ってないのね」

('A`)  「シラネ」

 J( 'ー`)し「また姉さんたちにつかまったのね。口紅がまだ残ってるわよ、フフフ」


どぎつい化粧があらかた拭われた後には、まだうっすらと化粧が残っていた。
皮肉な事に今の方がはるかに女っぽく、そしてその道らしく見えるのであった。




423 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:05:35 発信元:123.221.208.163
('A`)   「元はと言えば母さんのせいなんだからな、うらむぞ一生」

J( 'ー`)し 「でも化粧すると...あんたもなかなかなのにねえ

       男の子にしちゃ冴えないのに、皮肉なものね」


もともと母親は子供は全員女の子がいい、と思っていた。だが、残念な事に最後の双子は
片方が男だった。諦めきれない母親は、幼いころのドクオをしばしば女の子に仕立て上げた。
もちろんドクオは激しくそれを嫌がった。

そして、それを見て姉たち(主にツニャーナ)はドクオに女装を強要することを思いついたのである。





そうこうしているうちに、大きな音を立てて玄関が開いた。



424 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:08:48 発信元:123.221.208.163
( ´W`)   「ただいま」

J( 'ー`)し「お帰りなさい。お疲れさまです」

('A`)   「お帰り父ちゃん」

( ´W`)  「おお、ドクオ、元気にしてたか?何だお前... 色っぽいな」

('A`)   「くそう」

( ´W`)  「お前にお土産だ....ほれ」


父親の手に光ったのはベッコウのカチューシャだった。

('A`)   「父ちゃんなんか....嫌いだ」


そう言ってダッシュで2回へドクオは駆け上がった。


( ´W`) 「ああ、間違えた。悪い悪い。お前には本当は鉄道模型を...

     おーいドクオ、戻ってこんか」





425 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:15:47 発信元:123.221.208.163
やがて娘たちも帰ってきた。

o川*゚ー゚)o 「おかえりなさーい」
ζ(゚ー゚*ζ「おかえり、パパ」

下の娘たち二人は父親によく懐いていた。
過激派の姉の手下ではあったが、スナオリャは別にそれほど男性を敵視しているわけではない。
彼女は姉に追従しているだけなのである。

やがてツニャーナも入ってきた。久々に見る父親に、ツニャーナは距離を空けて対峙した。
父親は一歩歩み寄る。

( ´W`) 「おお、ツニャーナ。帰ってくる度に女らしくなってくるなあ」

ξ゚⊿゚)ξ 「...............」

睨んでいるとも眺めているともつかない少女独特の目つきで父親を見ている。

( ´W`)「お前にお土産だ、ほら、カチューシャ...」

ξ゚⊿゚)ξ「いらない」

 J( 'ー`)し「なんてこというの。お父さんからのおみやげよ」

ξ゚⊿゚)ξ「いい」

と言い残し、ぷいっと行ってしまった。

( ´W`)「はっはっは、参ったな、こりゃ」



427 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:25:48 発信元:123.221.208.163
やがて夕食となった。サケのクリームパイにイクラがどっさりと添えられたものが主食だ。父親の好物である。

サケのクリーム煮がパイの中に入っているが、ここの家庭ではピクルスのみじん切りがクリームに入っている。
それが、単調になりがちなクリーム味のアクセントになっている。

もちろんイクラは地場ものの粒の大きい新鮮なやつである。

父親は、食い、飲み、久々の、そしてつかの間の家族団欒を楽しんだ。

父親は川を航行する貨物船の船長をしていた。それで、途中で経由した街の土産話をたくさん家族に話した。
何度も聞いた話もあるが、いちいち指摘しないのが家族の掟となっていた。

やがて話題は学校や日頃の生活の事になり、父親は子供たちに水を向けた。
ドクオは、話す機会が訪れると、日頃の不満をぶちまけた。



430 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:29:52 発信元:123.221.208.163
'A`)  「もうやんなっちゃうよ。俺、学校でも家でも落ち着かないんだ」

( ´W`) 「なんだ、いじめられてでもいるのか?」

('A`)  「毎日、キョセイされてるんだよ、姉ちゃんたちに」


茶の間の空気が淀んだ。


('A`)  「このまえさ、キョセイされたあとに、偶然友達に見かけられたんだ。
     そしたらそいつ、『ギャーッ オバケ』って逃げ出したんだよ。
     気づかれなかったからよかったものの、もう止めてほしいんだよ、キョセイなんか。

     姉ちゃんの同級生にはさ、『お前、あの女の下僕なんだろ』ってからかわれるし、もうやだよ」


さらに続ける。


('A`)  「姉ちゃんは、全ての男をキョセイするなんてのたまってんだぜ」



432 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:34:33 発信元:123.221.208.163
完全に凍てついた空気を破るように憤然とツニャーナが発言する。


ξ゚⊿゚)ξ「だから何?男なんて、この世界からいなくなりゃいいのよ
      手始めにあんたってこと」


デレーニャは笑いをかみ殺していたが、やがて声に出してクスクスと笑い始めた。


ξ゚⊿゚)ξ「何がおかしいの?あんたは私たちのグループ、シベリアキョセイクラブの書記長代理でしょうが」

ζ(゚ー゚*ζ「あのね、今だからいうけど、実はキョセイっていうのは....」

ξ゚⊿゚)ξ「女らしくさせるってことでしょ?近所の牛飼いのオヤジも言ってたわ、キョセイしたウシは大人しくなるって」


父親と母親は顔を見合わせた。そして、彼らも大声で笑い出した。
スナオリャはなんだかよく分からないけど回りにつられてニタニタしていた。

ドクオもよく分からなかった。
が、姉がなにやら物笑いの種になっているのをみて、なんとなく「ざまあみろ」と感じていた。



434 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 18:37:30 発信元:121.2.98.95
ざまぁw


435 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:37:37 発信元:123.221.208.163
ひとしきり笑ったのちに、息も絶え絶えに母親は言った。


J( 'ー`)し「フフフフ..もうやだ、あのね、キョセイっていうのはね.....ねえあなた」

( ´W`)「ちんちんをとっちまうことだ」





オオーーーーーン




どこかで犬が遠吠えをした。


439 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:41:58 発信元:123.221.208.163
これはツニャーナにとって痛恨のミスであったが、団体は解散したわけではない。
シベリアキョセイクラブはシベリア少女連盟と名前を変えて存続した。

そして決死の告発者であるドクオにはさらに激しさをますリンチ(かつてのキョセイが)行われた。
化粧とヘアメイクだけではなく、スカートを履かせるという最高の屈辱を与えられることとなった。


女はバカだ、とドクオは思った。
こんな事をされているのだから女性に幻想を抱かないのは当たり前である。

だがその思いをさらに深くした理由があった。
書記長であるツニャーナは、別の団体のリーダーでもあったからだ。




444 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 18:59:03 発信元:222.149.133.16
彼らが通う学校には、デミターチョフという若い先生がいた。
授業を終えて廊下を歩く先生に、ツニャーナが背後から近づく。


(´・_ゝ・`)「やあなんだい?」

ξ゚⊿゚)ξ「あの、先生の好みの女性のタイプについてちょっとインタビューさせてください」

(´・_ゝ・`)「この前は好きな食べ物についてだったね。またインタビューかい」

ξ゚⊿゚)ξ「月一で会誌を発行してるので。私たち、先生の全てを知りたいんです」

(´・_ゝ・`)「そんなことに精を出していると、またテストで赤点とっちゃうよ」

ξ゚⊿゚*)ξ「てへっ」


と舌をだしてかわいらしく笑った。そう、彼女は過激なフェミニスト団体の書記長である一方で、
学校のアイドル、デミターチョフ先生のファンクラブの会長を兼任していた。



445 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:01:03 発信元:222.149.133.16
先生が去ったあとも、ツニャーナはときめきの余韻に浸っていた。もし漫画家であれば、彼女の
周りにキラキラの星を描いたであろう。

が、それを覚ます不快な一撃があった。


( ^ω^)敵機発見!敵機発見!各機遊撃態勢に移れ!

<ヽ`∀´> ( ・∀・)「アイアイサー!」


クラスメートのブーンとその取り巻きたちだ。
彼らはブーン三連星と称してスカートめくりの徒党を組んでいた。

両手を広げて彼らは近づいてくる。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ブーーーーーーーーン!!!!」


ダッシュしながらツニャーナのスカートをめくった。




447 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:04:30 発信元:222.149.133.16
ツニャーナは廊下じゅうに大きく響き渡る声で言い放った。


ξ゚⊿゚)ξ「死ね!クラスの男子全員死ね!」


ツニャーナの顔は、恋する乙女から冷酷な粛清者の顔に戻っていた。
その鬱憤は弟のドクオが処理することになろう。

シベリアキョセイクラブは彼らに対する猛烈な敵愾心から生まれたのだった。

(父親に対する猜疑心を植え込んだのも彼らだ。
 船乗りなんかみんなホモかスケベだ、とはやし立てられたのに端を発している)




452 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/19(金) 19:14:47 発信元:121.2.98.95
スカートめくりはフラフープでやる派でした



448 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:08:22 発信元:222.149.133.16
まだ怒り冷めやらぬうちに、クラスの学級委員が近づいてきた。
ガリ勉タイプ(秀才ではない)のアサピーだ。
なぜかブーン三連星のスカートめくりとセットになってやってくる。


(-@∀@)「またあいつらかい?ほんと、野蛮な奴らだね」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたも死ね」


目も合わせずに言い捨てた。そして、教室に向かって歩き出した。
なんで男ってこうバカでスケベか、キモいのしかいないんだろう。クラスの全員逝ってよし。
いや、世界中の男は逝ってよし。キョセイ、いや粛清せねば。

もちろん彼女がこう考えるとき、デミターチョフ先生は含めないのであった。



451 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:12:16 発信元:222.149.133.16
そんなダブルスタンダードな姉を見て、ドクオは女はバカだ、と思った。

だが男が賢いとも思えなかった。あれだけ口で罵っている女にスカートめくりやらの
ちょっかいを出し続けるのはバカだと思った。

そしてそのバカ達の板ばさみになっているとも思った。
下校中の事である。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・) 「おい、下僕」

('A`)   「な、なんだよう.....」

( ^ω^)「あの女、生意気なんだお!
      この前なんか、俺たちを女子トイレにおびき寄せて、外側から鍵をかけやがったんだお!
      学校中の晒し者だお!」

<ヽ`∀´>「お前も相当ひどい目にあわされているニダか?」

('A`)   「そ、そんなことは....」

女装させられているなんて死んでも言えない。


453 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:14:57 発信元:222.149.133.16
( ・∀・) 「あいつは、『男の誇りを奪ってやる』なんて事を言うんだぜ?」

( ^ω^)「お前も男だお?一つ反撃するお!」




( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「あいつのパンツをとってこい」


嫌だ嫌だ嫌だ。


どいつもこいつもバカばっかり。家に変えると、ドクオは腹立ちまぎれに母親の衣装ケースを開けた。
そこからパンツを一枚取り出して袋に入れた。

そして翌日それを渡した。さすがにこれはバレて、後日ボコボコにされるハメになった。


455 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/19(金) 19:17:27 発信元:222.149.133.16
こんな感じで彼らの日常は概ね平和に、ときにやや波乱含みで過ぎていった。

そしてわれらがツニャーナは一方でフェミニスト団体の書記長、一方でデミターチョフ先生のファンクラブ会長
という充実した日々を営々と送っていた。




だがそんな日常にくさびを打ち込むようなニュースが流れた。

デミターチョフ先生が異例の人事移動、となったのである。
そして囁かれた理由は、穏やかならぬものだった。


 
504 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:20:18 発信元:222.149.133.16
なぜデミターチョフ先生がこの中途半端な時期に移動となったのか、理由は詳らかにされなかった。
が、その発表と前後して、次のような作者不明の壁新聞が学校のいろいろなところに貼られた。


こんなセンセーショナルな見出しが付けられていた。

「ハレンチなる若教師の実態ー未成年と同棲して妊娠?」


名前は伏せられていたが、それがかえってスキャンダラスな感じを煽っていた。

写真にははっきりとデミターチョフ先生と思しき男性が写っていたからだ。
そして腹の突き出した16歳くらいの娘とアパートの入り口に写っていた。

学校中の先生は火消に奔走した。無論それは火に油を注ぐようなものであった。
生徒達は何かあるとその噂で持ちきりになった。




505 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:23:09 発信元:222.149.133.16
ツニャーナはファンクラブ会長としての責務を果たそうとした。
20人ほどの会員を勇気づけ、先生を信じよう、と呼びかけた。
そして、先生に本当のことを問いただそうとした。

歩きながら先生に近づく。

ξ゚⊿゚)ξ「先生、あの.....先生が遠くに赴任されるって聞いたんですけど...」

(´・_ゝ・`)「まだ発表してないはずだけど、まあそうだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「なんで、この時期に...」

(´・_ゝ・`)「いろいろと事情があるんだよ」

ツニャーナの足はそこで止まった。
先生は構わずどんどん進んでいく。彼女は、振り絞るように声をかけた。


ξ゚⊿゚)ξ「あの

      噂って、本当ですか」

振り向かないまま、先生は言った。

(´・_ゝ・`)「...........答えたくない」


それ以上聞けなかった。



506 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:27:50 発信元:222.149.133.16
教室に戻ると、皆の視線をかき分けるようにツニャーナは席に座った。

そして机に顔を伏せて座り、微動だにしなかった。

そんな空気を打破しようと、ブーン三連星は彼らなりに気を遣った。
不器用な彼らは、あえて無神経を装った。つまり普段どおりの彼らである。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ヤーイ、ざまあ、男なんてみんなそんなもん」


顔を上げずにそれに答える。

ξ゚⊿゚)ξ「うっさいわね....」



言葉にいつもの覇気がない。ブーン達は拍子抜けした。

( ^ω^)「なんだおあいつ...」



やがてデミターチョフ先生の離任式の日となった。先生は、いままでありがとうございました、と簡単に挨拶を述べた。

すでにファンクラブは壊滅状態にあった。それでツニャーナはその日、そのまま下校した。



510 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:33:35 発信元:222.149.133.16
ライ麦畑が途切れたあたりである。
何者かが突然横からタックルしてきた。ツニャーナは道の横に停めてあったトラクターのほろの中に押し込まれた。

そしてタックルしてきた奴が入り口を塞ぐように乗り込んだ。

<ヽ`∀´>「いままでのお返しニダ GO!」

すぐさまエンジンが過回転を起こして発進した。
前を見ると運転席にブーンが、横にマタンキが座っていた。


離れたところで、弟のドクオが一部始終を見ていた。

('A`)「姉ちゃんが....姉ちゃんが....さらわれた











    いよっしゃああああああ!!!」



512 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:37:40 発信元:222.149.133.16
普段のツニャーナだったら騒ぎ立っただろう。
でも、ここのところ落ち込んでいた彼女にはそんな気力は無かった。

低い声で、

ξ゚⊿゚)ξ「どこにいくつもりよ」

としか聞かなかった。三連星はそれに答えなかった。

( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ロリ誘拐~ロリ誘拐~♪」




着いたのは駅である。プラットホームには、スーツケースを片手にしたデミターチョフ先生がいた。まさに列車に乗り込もうというところであった。

ブーンが背中をどつく。

( ^ω^)「最後の挨拶ぐらいきちんとしろお」

そして三連星はブーンといいながら車に戻った。




514 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:41:50 発信元:222.149.133.16
ξ゚⊿゚)ξ「先生....」

(´・_ゝ・`)「ああ、ツニャーナ君か。驚いたな.....
      いままでありがとう。楽しかったよ」

ξ゚⊿゚)ξ「本当の事を言ってください」

(´・_ゝ・`)「あの壁新聞にかかれてるとおりだよ。僕は、年下の娘と一緒に暮らして、彼女は妊娠してる

      でも君には伝えておきたいな、あれは、僕の妹なんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ」

(´・_ゝ・`)「僕の妹が、誰とも知れない奴の子供を孕んだ。うちの親が勘当してさ、僕んとこに身を寄せてたんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「なぜそのことを皆に言わないんですか」

(´・_ゝ・`)「僕が泥をかぶるくらいだったら、いい。
      でも君に話せてよかったよ。お願い、このことは誰にも言わないでおいて」

列車の奥から、妹らしき人物がペコリと頭を下げた。
先生は列車に乗り込み、扉がしまった。


ツニャーナは風に吹かれながら列車が遠ざかるのを見ていた。


517 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/20(土) 12:49:33 発信元:202.229.132.2

先生、男だぜあんた…


516 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:45:53 発信元:222.149.133.16
トラクターのほろの中で、ツニャーナはぼんやりと物思いに耽っていた。

そして、前の方を向いて何か言おうとした。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんたたちは先生を信じる?」

( ^ω^)「何も言わなくていいお」

( ・∀・)「お前が信じてられりゃそれでいいんだよ」

<ヽ`∀´> 「ウリはいかなる時でも祖国マンセーニダ。お前も見習えニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたたち....あ、あり...」

感謝の言葉なんて、彼らに言ったことはない。それゆえ、なかなか出てこない。


518 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:49:45 発信元:222.149.133.16
もっとも、彼らもそんなシュチュエーションはこそばゆかった。

( ^ω^)「お前のスカートめくるのも理由なんて無いお。それと同じだお」

( ・∀・)「そうそう、色っぽくもねえし」

<ヽ`∀´> 「可愛げもないお前のスカートめくる理由なんてないニダ」


ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、お願いだから死んで」

こんなにやさしい感じの「死ね」は、いままで言ったことがなかった。



しばらくして、ツニャーナは重要な事に気づいた。

ξ゚⊿゚)ξ「そういえば、なんであんた運転なんかしてんの?
      そもそもこのトラクター誰のよ」

( ^ω^)「オヤジのだお。見よう見まねでなんとかなるお おっ」

といったまさに次の瞬間、衝撃音がして車は用水路に脱輪した。



519 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 12:54:01 発信元:222.149.133.16
それからツニャーナの男子に対する敵愾心は収まっていった。
三連星は相変わらずだったが、もっと大きな心で対応できるようにもなった。

いままでツインテールだった髪をストレートロングにしたのもその頃であった。


ξ゚⊿゚)ξ「ねえお母さん、お父さんがいつかくれたカチューシャ、ある?」

J( 'ー`)し「どういう風の吹き回しかしら。座って。髪をとかしてあげる」


髪をとかしながら、鏡台に写ったツニャーナに言う。


J( 'ー`)し「ひょっとして、好きな男の子でもできた?」

ξ゚⊿゚)ξ「えー、そんなんじゃないよ」

そこへ父親とドクオが帰って来た。久々の休暇で、親子で釣りに出かけていたのだ。



521 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/20(土) 13:00:08 発信元:222.149.133.16
( ´W`)「ただいま。

     おお、ツニャーナ、よく似合ってるよ、そのカチューシャ」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう

ドクオ、魚は釣れた?」


('A`)「......」

ドクオは魚の入ったバケツを持ちながら、ぽかんと口を開けて見ていた。
ブーン達にさらわれた日以来、姉の様子がおかしい。
得体の知れない気持ち悪さを感じていた。こんなの姉貴じゃない。

特に気持ち悪かったのは、つい1ヶ月前まで自分に乱暴(キョセイ)していた姉が、もう何年も前から
落ち着いているような素振りを見せていることだった。40パーセントの気持ち悪さと50パーセントの
腹立たしさ、そして残り10パーセントの寂しさのようなものが彼の胸に去来した。女はバカの上に
不気味だ、というのが彼の新たなテーゼになった。

確かに、シベリアキョセイクラブは過去のものになった。
が、再びその名を、しかもシベリア中に轟かせることになろうとは、この時思わなかった。





 →後半へ
 
総合短編(青春ドラマ・スポーツ) | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
かわいそうなドックン

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。