スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
 
 ←前半へ

 
928 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:19:56 発信元:61.12.169.119
/ ,' 3「久しいな、内藤」

抜け出た部屋、その真正面、すぐそこに荒巻が居た。
というか、それ以外はごちゃごちゃしたものが置かれ、目を向ける必要性を感じなかった。

( ^ω^)「いやいや、ここお前の自室かお」

/ ,' 3「だってこの市場を仕切ってるのはワシだし……」

皮のソファに寝転がり、手前のテーブルに置かれている太った瓶の口をつつきながら荒巻は言った。

(;^ω^)「市場じゃなくね……? 汚い部屋じゃね……?」

見まわしてみても、黄色の壁に映える黒々とした鉄製の部品や、
ちょっと素人が手をつけたら大変なことになりそうな醤油さしなどしか置いていない。
どう見ても、僕が知っている荒巻の部屋だ。あと狭さと臭さも。

/ ,' 3「ああ……お前は知らないか……」

と言いながら、荒巻はソファの下に手を突っ込む。
パッと取り出したのが一枚の紙で、それはやたらホコリにまみれていた。

(;^ω^)「きったねえお……」

/ ,' 3「これ、商相連合の規制対策」

きったねえ紙を渡された。
同時に座ろうと思ったが、きったねえから座れなかった。

( ^ω^)っ紙「……ああ、バラで解体してやってるってことかお?」


930 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:25:44 発信元:61.12.169.119
商相連合とは闇市を仕切ってる組織のことだ。
荒巻との関係を簡単に言えば、まあ、親会社と子会社みたいなもの。

( ^ω^)「っていうか、そんなことはどうでもいいんだお」

/ ,' 3「えぇ~? 久しぶりに会ったのに冷たいぞっ☆」

突然、気持ちの悪い老け顔で、気持ちの悪いギャルのような声を出す荒巻。
こいつは声帯模写が得意で、どうせさっきの上からの声もほんのお遊びでやっていたのだろう。

( ^ω^)「殺人犯を追ってるんだお、知ってることはないかお?」

/ ,' 3「………知ってるが、お前の態度が気に入らない」

( ^ω^)「ゆるしてちょ」

/ ,' 3「………」

( ^ω^)「………」

/ ,' 3「仕方ないのぉ………」

今のどこにオッケーを出せたのだろうか。

( ^ω^)「どこまで知ってるんだお」

/ ,' 3「いや、普通に誰が殺ったか」

( ^ω^)「な……マジかお」

 
 
931 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:30:23 発信元:61.12.169.119
「ウォォォォォラアアアアァアァァァァァアァァァァァァ!!!!!」

と、丁度いいところでツンの叫び声が聞こえた。
多分ものすごい暴れている、暴れ猿のようなキーキー声が背後の床から響いてくるのだ。

(^ω^ )「………」

/ ,' 3「………」

( ^ω^)「で、誰だお」

/ ,' 3「モナーという男じゃ。なかなか狂った男でのう、うちの小売のお得意さんじゃよ」

そうか、だから荒巻は通報しないということか。
自分の命を取られる可能性は考慮していないのだろう。
彼はあくまで商売人、そこについては僕も責める気など一切ない。

( ^ω^)「そいつはなんで殺しを?」

/ ,' 3「そこまでは知らん。ちょっとキレた時に聞いただけじゃ」

少し厄介そうな気がしてきた。
さすがにまともな人間ではないようだ。

( ^ω^)「あ………お得意さんってことは……」

/ ,' 3「どうした?」

(;^ω^)「……ちょっと、ツンが心配だお」



932 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:36:16 発信元:61.12.169.119
すぐさま僕は後ろの出口に飛びこみ、固い地面に降り立った。
案の定ツンの姿は無く、どちらを向いても人の姿はない。

(;^ω^)「うわ、これやばいかも知れないお……」

立ちあがる時間も惜しい、足を無理に傾けながら、一気に床を蹴った。
階段は手から付き、倒立する形に伸びた体をばねのように縮め、力を一気に外の一点へと投げる。
体の調子は悪くない、外まで跳びはねる体は羽よりも軽い。大丈夫だ。

ξ#゚⊿゚)ξ「あ゛! なにやってたのよ!」

( ´∀`)「モナ?」

カエルのようにべたりと着地した先、じめじめした地面には三人。
ナイフを構えた男と、手が血だらけのまま叫ぶツン、さらに、さっきのショボンに似た男だ。

(;^ω^)「なにやってんだお!」

( ´∀`)「市場に刑士が居たから殺すとこだモナ、内藤」

( ^ω^)「ん?」

どうしてこいつは僕の名前を?

ξ#゚⊿゚)ξ「さっさと加勢しろぉぉぉぉぉぉ!」

ああそうだ、それよりもさっさと捕まえなくては。バッヂ、見えるかな?

( ^ω^)「ああ、渋沢担当室内藤執刑士、そこの変態をぱっと排除させてもらうお」



933 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:41:40 発信元:61.12.169.119
( ´∀`)「あれ? 内藤も刑士だったのかモナ?」

ツンに向かって小刻みにナイフを振り牽制しながら、彼は僕の方を向いた。
なにかベタベタとした印象を受ける奇妙な声だ。

( ^ω^)「語尾的に、お前がモナーかお」

( ´∀`)「どうして僕の名前を知ってるモナ?」

ξ>⊿<)ξ「うっ!」

ナイフの動きに気を取られていたツンの腹にモナーの踵がめり込んだ。

( ^ω^)「………(語尾的に……)」

( ´∀`)「まあいいモナ。刑士なら、殺すしかないモナ」

奴の胴が完全にこちらへ向いた。僕はその場でしゃがみ、靴を脱ぐ。
あそこからなら、だいたい三歩程度で奴は僕の射程範囲にかかる。
口調の粘着感とは裏腹に、力強くここへ向かう足。
予想より少しだけ早い……が、2、1――そこだ。

(`・ω・´)「早いな、なかなかやるじゃないか」

ξ;-⊿゚)ξ「いたたた」

僕が宙に浮く間に、腹を押さえて痛がるツンの様子と、口角を吊り上げる男の姿を確認した。
あと、視界の丁度真下に、ふらつくモナーの姿も。

(  ∀ )「……っぎ?」


936 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 06:45:46 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「っと、この感じ、素人かお?」

我が必殺のサマーソルトキックをモナーの顎に直撃させ、難なく着地した。
すぐに靴を履きなおし、爪先を詰める。
丁度、モナーが仰向けに倒れたのもその時だ。

ξ;゚⊿゚)ξ「んなわけないでしょ……私が止められなかったんだから」

手の出血を破いたシャツで止めながら、ツンがこちらに歩いてきた。
あれは大した怪我ではないし、彼女は本当に苦戦していたのだろうか。

( ^ω^)「それより、こいつ犯人だお」

ξ゚⊿゚)ξ「何の?」

( ^ω^)「連続殺人」

ξ゚⊿゚)ξ「あら」

( ^ω^)「うん」

ξ;゚⊿゚)ξ「あららららららららら!? じゃあ早く連行しま――」

/ ,' 3「駄目じゃよ、刑士が闇市の客を取るとでも?」

いつの間にか荒巻は僕の後ろで、ガラクタを抱えて声をかけてきていた。
これが商人の権利なんて、本当にずるいシステムだなあ、この街は。

( ^ω^)「それとこれとは別だお、そもそも君と僕は取引無しで情報をやり取りしたんだし」



937 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/02/11(木) 06:51:52 発信元:124.146.174.74
待ちガイルか


938 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:00:35 発信元:61.12.169.119
(`・ω・´)「……それが事実なら、俺達は引きましょう、荒巻さん」

黙っていた彼が口を開いた。
公正な判断ができる人間が味方につくといいね、うん。

/ ,' 3「ワシも遊びで商売やってるわけじゃ……」

(`・ω・´)「駄々をこねると子供に見えますよ?」

/ ,' 3「実年齢はまだまだ子供じゃわい」

拗ねる彼の姿は、どう見ても老人のそれなのだが。

(`・ω・´)「いいでしょう、別に。どうせいつかは捕まるわけだ、なら今こうなったところで、ね」

( ^ω^)「……モナー次第では、君達も危険であるとは言っておくお」

(`・ω・´)「俺はいつでも医師の権利を行使することができるからな。関係が無いんだよ」

ああ、自分のことしか考えていないのか。だったら僕にも関係無いな。

ξ゚⊿゚)ξ「トラブらないなら早く連行しましょ、室長の肺が危ないわ」

裏は取れてないけれど、とりあえず傷害の現行犯であるうえに、一応執行妨害でしょっ引ける。
あの部屋がこれ以上ヤニ臭くなるのは嫌だから、さっさとモナーを連れていこう。

(^ω^ )「そうだ、荒ま」

また、あいつは居なくなっていた。
商人の指定範囲内の空間構成歪曲はどう考えてもチートだよ、やっぱり。


939 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:05:47 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「室長! マル被を捕まえてまいりました!」
 _、_
( ,_ノ` )「今時マル被なんて誰も言わんわ」


モナーを室長経由で上に引き渡した。僕らはあとは待ちの姿勢になるだろう。

そちらの聴取次第でこっちがどう動くかが決まるだろうし、とりあえずツンと二人で机の掃除を始めた。

結局、ここに詰まれた膨大な資料はほとんど意味がなかったような気がする。

そもそも、もっと早くから能動的に動いていればここまで被害が出なかったのかもしれない。

荒巻⇒モナーの直行コースなんて、単純過ぎて呆れてしまいそうだ。

確かに僕らが普段手を触れていい場所ではなかったのだが、割り切って行っていればなあ。

そうだ、ショボンにも後でお礼を言っておこう、あの場所を教えてもらったんだし。

うーん、連日徹夜になるのは避けられた、それだけは個人的に喜んでいてもいい、かな。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「ん? どうしたんだお?」

掃除を適当に済ませると、ツンがボーっとしていたことに気付いた。
実際さっきまでは僕も似たような状態だったかもしれない。
あれは拍子抜け、というやつだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「……あいつの『得意なもの』って、何?」


940 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:11:30 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「殺人じゃないかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんか納得いかない……そんな安易なものかしら?」

( ^ω^)「そんなこと言われても………」

そういえば、どうしてあいつは僕の名前を知っていたのだろうか。
ショボンあたりに聞いた? それとも荒巻から?

荒巻は僕の話をするとは思えない、彼と僕は特別親しいわけではないのだ。
というか、僕の姿を知っていたとはどういうことだろうか。
写真でも見たのか? どうして? 何のために?

(;^ω^)「なんか納得いかないお………」

ξ゚⊿゚)ξ「だいたいあれだけの犯行を一人で行える? 誰にも捕まらずに」

( ^ω^)「それは聴取でわかることだお、どうせ一人じゃない、お?」

一人じゃない、協力者。
待てよ、何か引っ掛かる。

ξ;゚⊿゚)ξ「いきなりなに難しい顔してるのよ……」

ツンだって、難しい顔で僕を見ていた。
その手の先には書類に埋もれていたのか、いろいろなものが転がっている。
使いきった化粧道具が主で、中でもポップなカラーの小瓶が目立っていた。

( ^ω^)「………」


942 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:16:16 発信元:61.12.169.119
('A`)「お前ら何唸ってんのよ」

( ^ω^)「あ、いたのかお」

(;'A`)「おいおいおい、俺は朝からデスクワークですよ?」

( ^ω^)「打ち込みゲロ早いからどうせ遊んでたんだお」

('A`)「あら、バレてら」

ξ゚⊿゚)ξ「いいわよねー、仕事に向いた特技ある人は」

('A`)「嫌味か? 悔しかったらアイドルにでもなればいいだろ」

ξ#゚⊿゚)ξ「うっわ、とんでもない皮肉を言うのねあんた……」

('A`)「褒めたつもりなんだが」

( ^ω^)「ツン的にはアウトらしいお」

('A`)「それよりよ、今日飲み行こうぜ?」

( ^ω^)「気が早いお……」

('A`)「大丈夫だって、明日はどうせ休日なんだ、飲みに行くこと自体は誰も責めねえよ」

ξ゚⊿゚)ξ「飲みに行くこと自体は、でしょ? 別にいいけど」

( ^ω^)「じゃあギコとしぃも誘うお」


943 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:21:13 発信元:61.12.169.119
振動音が聞こえる。

僕の頭の上からだ。

そうだ、寝ていたんだ、僕は。

ああ、喉がカラカラだ。

少し頭も重い。

飲み過ぎたのか。

しかし、振動音は止まない。

もうすこしすれば、留守録機能が作動するはずだ。

それまで耐えれば。

ぴー。

『内藤! 一体何時間寝てるのよ! また殺人が起きたの! 走ってきなさい!』

( -ω-) 

( ゚ω゚)  !

すぐさま僕は跳び上がり、着ていた皺だらけのスーツのまま電話を取った。
ツンの指定の場所、殺害現場はバーボンハウスだそうだ。
急がなくてはならない。
余計な思考よりも前に、僕は身体を走らせた。


945 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:26:23 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「いつまでも寝てんじゃないわよ」

( ^ω^)「悪かったお」

現場には既に捜査の手が入っていた。
普段見ていたあの店舗の姿は見る影もない。

( ^ω^)「これは爆弾かお?」

扉は存在すらせず、中は真っ黒な煤にまみれていた。
先日見た景色を想像できないほどに滅茶苦茶で、まるで台風が通り過ぎたかのような。

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ」

( ^ω^)「それにしても、」

それにしても、こんなに目立つやり方を取るとはどういうことだ。
今までの殺人犯ではない? そもそもモナーはどうなった?
あのメッセージは? これほどの規模なら、目撃者が居るのでは?

ξ゚⊿゚)ξ「この件にモナーは関与していないわ」

( ^ω^)「現場のメッセージはあったかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「無いわよ。それに、あなたを叩き起こしたのは事件のためじゃない」

( ^ω^)「どういうことだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ついさっきまで逃走していた犯人のためと、この惨状を頭に入れさせるため」



946 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:30:32 発信元:61.12.169.119
僕はそのままツンに引っ張られ、普段は来ない取調室まで連れてこられた。
取り調べは本来、僕らの領分じゃないんだけど。

ξ゚⊿゚)ξ「座って」

( ^ω^)「お」

顎でパイプ椅子をしゃくるツン。
まるで僕が容疑者みたいじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「これからギコが容疑者を連れてくるから、待ってて」

( ^ω^)「……わかったお」

どうも、僕はついていけていない。
一体ツンは、いや、彼女に限った話でもない。
別の部署の取り調べ室に来たのに、誰も僕を見なかった。

どういうつもりなのだろうか。

まだ重い頭には、思考の余地が無い。

(,,゚Д゚)「連れて来たぞゴラァ」

ギコがやってきた。

( ^ω^)「これは一体―――」

彼の後ろにいたのは、僕のよく知っている女。
そいつは僕の、薄汚れた探偵時代のパートナーだった。


948 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:35:17 発信元:61.12.169.119
川 ゚ -゚)「やぁ、内藤」

彼女の顔は相変わらずの無表情で、真っ直ぐに僕を見つめる。
ギコはそのまま静かに部屋を出ていき、残ったのは机を挟んだ僕とクーだけだ。

( ^ω^) ・・・

何を言えばいいのだろう。

川 ゚ -゚)「驚いたか?」

( ^ω^) ・・・

やはり頭が目に追いついていない。

川 ゚ -゚)「なんとか言ったらどうだ?」

( ^ω^) ・・・

クーが居る、ということは、クーがショボンを殺したのか。
それは、

( ^ω^)「どうして?」

川 ゚ -゚)「その質問、何について聞かれているのか私は判断に迷うんだが」

( ^ω^)「どうして、」

お前が?


949 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:40:16 発信元:61.12.169.119
川 ゚ -゚)「頭を働かせろ、あまりにも単純な話だ」

( ^ω^)「……仕事を変えたのかお?」

川 ゚ -゚)「それはある」

( ^ω^)「……愉快犯かお?」

川 ゚ -゚)「それもあるな、二人目からは」

クーが仕事で殺人をしていた、なんだ、そんな単純なことか。
だったら、それでいい。こうして捕まったんだ、これでこの件は終わりだろう。

川 ゚ -゚)「だが、それは本筋じゃない」

( ^ω^)「意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前のために人を殺してきたんだよ」

( ^ω^) ・・・

まったく意味がわからない。
僕の捉え方に問題があるのか。
生憎だが、僕は誰かが死んで得するような職には就いていない。

( ^ω^)「全く、意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前を愛しているんだ」

僕は、殺人犯は御免だよ。


951 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 07:45:13 発信元:61.12.169.119
( ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚)「なぜお前がここに呼ばれたかわかるか?」

( ^ω^)「見当も」

川 ゚ -゚)「私がそちらに条件を出したんだ。『私が君達に協力する』と」

( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「『彼がこの事件の主犯である証拠をあぶり出すから、話をさせろ』と」

彼女は、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

( ^ω^)「僕と話す口実かお」

川 ゚ -゚)「そうだ。そう言っておけば、形だけでも彼らは私とお前を話をさせなければならなくなる」

( ^ω^)「この前ショボンの店で会ったじゃないかお、あそこに通っていればそのうち――」

川 ゚ -゚)「私はお前にメッセージを送っていたのに、お前は気付かなかった」

( ^ω^) ・・・

こいつは、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

川 ゚ -゚)「お前に私を止めて欲しかった。殺人衝動に駆られた私を、お前の手で。
     パートナーであるお前なら、私は殺されたって構わなかった。だから殺した。
     たくさん殺した。いつか私がお前に殺された反動が甘美なものになるように、
     いろんな死に方を試した。どんな風に殺されてもいいから、ただ、私は、」




952 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:00:16 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「お前はもう、僕のパートナーじゃないお」

川 ゚ -゚)「違う、私の本来のパートナーはお前だけ、お前の本来のパートナーは私だけ。
     だから私をわかってくれると思った。お前なら私の痛む心を理解してくれると思った。
     これは独りよがりではない私たちの共通認識だろう。違うか? 違わないだろう?」

( ^ω^)「違うお、そもそも僕にとってパートナーというものは、個人を指すものじゃないお」

川 ゚ -゚)「二人で決めたじゃないか、同じ香りをパートナーの証にしようと。
     それを私は他の男でも試したのに、お前とは全然違う。
     やはりお前しかいなかったんだ。一人目を殺した時、私は思ったよ」

もう完全に話が通じないじゃないか。
こいつはさしずめ、初めての殺人の依頼を受けて罪悪感に潰れてしまったのだろう。
その時にすがるもの、自分を支えるものが僕だったのは、きっとたまたまだ。

( ^ω^)「お前の言い分はわかったお。でも、どうして知り合いのショボンまで殺したんだお」

川 ゚ -゚)「わからない」

( ^ω^)「……そうかお」

このまま話しても、得られるものはおそらく何もない。

( ^ω^)「…………ギコ、もうこいつと話すことは何も無いお」

戸の裏にいるであろうギコに声をかける。
もうこいつと話す必要なんてないのだ。
ただの気狂いの犯行に意味なんてないのだ。
こいつの言葉を理解する価値なんて、存在しないのだ。


954 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:03:24 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「おかえり」

( ^ω^)「……」

取調室からギコと帰ってくると、ツン達がコーヒーを飲んでいた。

('A`)「お前、大丈夫か?」

大丈夫、二日酔いが酷いだけなんだ。

( ^ω^)「お」

('A`)「顔色滅茶苦茶悪いぞ……」

ああやって、いつも彼女は僕を困らせて、意味不明な行動をして。
全然理解できない、面白い奴だと思っていたのに。

( ^ω^)「大丈夫だお」

そう思っていたのに。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤?」

( ^ω^)「疲れてるだけだお」

('A`)「ふぅ……あー、探偵の権利はこれから剥奪されるかもな」

( ^ω^)「いかなる場所でも捜査することのできる権利、かお。あんなの、本当なら必要が無いのに」

('A`)「そもそも、街の権利体制がまだ確立されていないしなぁ」


955 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:06:12 発信元:61.12.169.119
 _、_
( ,_ノ` )「内藤」

( ^ω^)「なんですお?」
 _、_
( ,_ノ` )「今日は帰れ」

( ^ω^)「でも……」
 _、_
( ,_ノ` )「おいおい、お前は上司にまで気を遣わせるのか?」

そんなつもりは毛頭ないのだけど、
こんな言い方をされては、僕もどうすることもできないじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「あとで部屋行ってあげるから、帰りなさいよ」

ツンの言葉に黙って頷くことしかできないのは、何故なんだろうか。

そのまま僕は家のアパートまで歩いて帰り、手を洗って、
ずっと着替えていないスーツでベッドに潜った。

( ^ω^) ・・・

ああ、気持ちが悪い。

本当に、気持ちが悪い。

いつの間にか僕のまぶたは開かなくなっていて、
僕が意識を飛ばす寸前なんて、もう、よくわからない。


957 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:09:16 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、起きたのね」

( -ω-)「あ……」

ツンの声だ。
ああ、なぜだか安心する。
理由なんてもう、考える必要なんてないじゃないか。

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ちょっと、どうしたの?」

(  ω )「少しでいいから、こうさせて欲しいお」

僕は反射的に、彼女に抱きついていた。
考える頭を投げ捨てたい。もうこのまま、嫌なことは全部忘れていたい。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(  ω ) ・・・

ξ゚⊿゚)ξ「大変だったね、内藤」

(  ω )「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

(  ω )「ありがとうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「……気にしないでよ。私達、パートナーじゃない」

その言葉は今の僕にとって随分、重い意味を持っているような気がした。


958 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:11:44 発信元:61.12.169.119

(  ω )「パートナーって、なんなんだお」

ξ゚ー゚)ξ「え? だからそりゃー私よ、私」

体を離した僕の目の前では、ツンが胸を張って笑っていた。

それがどういう意味なのか、僕にはまだ理解できそうにない。

しかし誇らしげなその表情は柔らかく、安心感を与えてくれているのは事実であるといえる。

(*^ω^)「ぷっ」

ξ゚⊿゚)ξ「えー? なに噴き出してんのよ」

(*^ω^)「なんでもないお」

ξ-⊿-)ξ「ったくもー……」

だったら今ぐらいは。

この温もりに、甘えてしまっても。



( ^ω^)は理解に苦しむようです  おわり





959 :( ^ω^)は理解に苦しむようです:2010/02/11(木) 08:13:25 発信元:61.12.169.119
総合お題より、

285 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2010/01/16(土) 01:26:57.83 ID:u5shXcXG0

元・探偵

286 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日: 2010/01/16(土) 01:28:17.32 ID:AU4bbDeH0

サーマーソルトキック



961 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/02/11(木) 08:17:37 発信元:124.146.175.77
サマソで靴脱いだのはなぜ?
シャキンは医者なの?


962 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/02/11(木) 08:22:47 発信元:61.12.169.119

>>961
本気でぶちかますと多分死ぬからです
シャキンは医師免許持ってる感じ 医師は患者がいれば捕まらない世の中みたいな


 
総合短編(サスペンス・ミステリー) | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。