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ダイバーズ!のようです

2010/01/29 Fri 02:51

 
289 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:37:41.27 ID:KBj4idQvO
人は誰しも、心に闇を抱えている。

悩み、恨み、悲しみ、妬み……。まぁ、内容は人それぞれであろう。

そしてその闇には大抵、何かしらの悪の芽が咲いているのだ。

それを人知れず摘み取るのが

――我々、『ダイバーズ』の仕事だ。

( ФωФ)ダイバーズ!のようです
 
 
291 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:42:57.60 ID:KBj4idQvO
( ФωФ)「まだまだ寒いのである……」

コートの襟をひっつめ、通りを歩く人影が一人。見た目が渋い上に強面だからか、道行く人はみんな道を開ける。
その状況、本人的には

(´ФωФ)(我輩そんなに強面なんかな……)

――気にくわないようだ。

彼の名前はロマネスク。件の『ダイバーズ』の一人だ。

『ロマさん、ロマさん』

( ФωФ)「聞こえておるよ」

耳にはめたイヤフォンから通信が聞こえる。顔も見たことのない、だがきれいな声のオペレータだ。

『前方100メートル先、グレーのスーツの会社員が今回のターゲットです』

( ФωФ)「了解した」


292 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:45:51.93 ID:KBj4idQvO
ダイバーズの仕事人は大きく二分される。

先ほどのオペレータのように、闇を関知してそれを知らせる仕事の『ブレーン』。
そして我々のように実際に心理世界へと潜り、芽を摘み取る『ダイバー』の二人だ。

( ФωФ)「しかし……またこれは『摘む』ってレベルでは済みそうになさそうであるな」

前述の会社員だが、どう見ても負のオーラに溢れている。
がっくりとうなだれた肩、引きずるような足取り。

('A`)「ウツダシノウウツダシノウウツダシノウ……」

まるでリビングデッドである。

( ФωФ)(仕方ない……。やるのである。)

ため息を一つ吐き、彼は少しずつ会社員の方に寄っていく。



293 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:48:27.87 ID:KBj4idQvO
寄っていく。寄って――


ドン

('A`)「痛っ」

( ФωФ)「あ、すみません」

大丈夫ですか?と手を差しのべる。彼の鋭い猫目が会社員の濁った瞳をとらえたとき――

( ФωФ)「オペレータさん?」

『はい?』

( ФωФ)「侵入完了である」

彼は精神世界へとダイブする。

( ФωФ)「しかし、これはまた……」

ぐるりと見渡してみる。さほど広くなく、階層構造になっている。
現在階層はアニメキャラの世界だろうか。「てぃんくる☆すたぁ」という文字と、そのキャラクターの闊歩する小空間が左手に見える。右側は……

(´ФωФ)「エロ専エリアかよ……。しかもあれ多分100IPA以上あるだろ……」

(IPA=image per area。100IPAは1エリアにつき100イメージ)



294 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:50:48.29 ID:KBj4idQvO
( ФωФ)「ともかく、目的地はここではないのである」

とん、と床を蹴れば軽く宙へ浮き上がる。精神世界ではエリア(地面)以外は無重力なのだ。
いくつかのプライベートエリア(詳細割愛)や、記憶の倉庫を抜け、やっとこ対象を発見する。

( ФωФ)「あれか……」

禍々しい気を放つ小エリアになにかが生えているのが確認できる。だいぶ『芽』というより『木』になっているが、サイズとしては小さい方だ。

( ФωФ)「さて、刈り取るか……」

腰から巨大な鎌を取り出し、木へと接近するが――

(;ФωФ)「ぅおっ」

木の手前一メートルほどで弾き返される。バリアーだろうか。



295 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 14:54:11.82 ID:KBj4idQvO
(;ФωФ)「バリアー……ってことは……」

「きゃはは!そのまさかだよ!」

o川*゚ー゚)o「じゃんじゃじゃーん!天使な小悪魔キュートちゃんだよ!」

(´ФωФ)(また七面倒くさい奴が……)

( ФωФ)「現れた……もんだっ!」

台詞と同時に鎌から衝撃波を放つ。

o川*゚ー゚)o「無駄無駄っ!」

だがすべて、彼女の回りに浮かぶシャボン玉に相殺されてしまった。

ダイブできる人間がすべて善人ではない。当たり前と言えば当たり前のことだ。

彼女のように、他人の心にダイブし、悪の芽を育てる人間を便宜上我々は『フーリガン』と呼んでいる。ちなみに犯罪者だ。

o川*゚ー゚)o「ほらほらー、どーしたのー?」

(;ФωФ)(くっ、小娘め。前回より強くなっておる。いつになくヤバめであるな……)

精神世界というのは、簡単に言えば夢の中。つまり、念じればなんとかなることが多い。
もちろん、支配者だけだが。

『木』のあるエリアはおそらく彼女が完全に支配している。その付近で戦うとはつまり、彼女の方が有利であるということだ。



296 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 15:05:01.21 ID:KBj4idQvO
(;ФωФ)(残り時間は……)

(;ФωФ)(うぉ、ほとんどねぇ!)

やむを得まい。背に腹は代えられないのだ。

( ФωФ)「ふんっ!」

手近なエリアに降り立ち、そこを踏み台に彼女へ一直線に飛んで行く。

o川*゚ー゚)o「邪魔だよぉ」

飛んでくるシャボン玉の嵐を、支障がでない程度にいなしながら、彼はなおも接近を図る。

そして、

( ФωФ)「当たれっ!」

大上段の衝撃派をゼロ距離で放つ。いくら思い通りとはいえ、これなら――

o川*゚ー゚)o「残念賞♪」

――どうにもならなかった。



301 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 15:09:51.92 ID:KBj4idQvO
o川*゚ー゚)o「おじちゃんの負・け。残念だったね~」

彼女の手のひらにシャボン玉が作られる。少しずつ大きさを増すそれを彼に向け、彼女は小さく呟く

o川*゚ー゚)o「さ・よ・な・ら」

( ФωФ)「……いや、我輩の勝ち、である、な」

o川*゚ー゚)o「え?」

その言葉と共に、いくつかのものが砕け散った。
彼女の手のシャボン玉、バリアー、そして、『木』のあったエリア。

o川;゚ー゚)o「う、嘘!バリアーが!?木が!」

( ФωФ)「やはりあの木が力の源であったか……」

息も絶え絶えながらも彼は立ち上がる。

( ФωФ)「さあ、おとなしく捕まるのである!」

o川;゚ー゚)o「やーだよっ!」

しかし彼の伸ばした手は虚空を切る。わずかな差で逃げられたようだ。



302 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 15:14:18.38 ID:KBj4idQvO
( ФωФ)「……ふぅ。あ、オペレータさん?」

『はい。なんでしょう。』

( ФωФ)「任務は完了しました。報告は追ってします」

『了解しました。帰投してください』

それだけ伝えると、彼はイヤホンをはずし、宙を見上げた。
辺りには、先ほど破壊した木の残骸が漂っている。

( ФωФ)「……ま、終わりよければすべてよし、であるな」

そう言うと、彼も精神世界を後にした。


( ФωФ)「大丈夫ですか?」

('A`)「え、あ、はい……」

( ФωФ)「それはよかった。では。」

お辞儀を一つし、彼は歩き出す。

('A`)「……ん?なんか、少し気分が楽だぞ?」



304 :ダイバーズ!のようです:2010/01/28(木) 15:16:26.37 ID:KBj4idQvO
('∀`)「よーし、今日も一日頑張るぞー!」

( ФωФ)(ふふっ)

会社員のしっかりした足取りを見送り、彼もまた町の雑踏へと消えていった。


彼らの、誰も知らない人助けは、今日もどこかで行われている。

( ФωФ)「次はあなた……かも知れないのである」

end



 
総合短編(バトル・アクション・厨二) | コメント(0) | トラックバック(0)
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