('∀`)鬱ナせぇるすまん 『 インターネットの熱い罠 』
2011/04/05 Tue 00:38
※以下、ブーン系小説板 『 ('∀`)鬱ナせぇるすまん 』 スレより
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1301580434/
3 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/31(木) 23:27:21 ID:t0EbswtI0
私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(ν#・ω・)ν 「オマエはまた契約取れなかったのか!」
( ;゚¥゚)「す、すいません!」
( ゚¥゚) 二世喪 茄世朗 42歳 会社員
【インターネットの熱い罠】
オーホッホッホ・・・・・・
4 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/31(木) 23:28:16 ID:t0EbswtI0
シベリア物産営業課にて
(ν#・ω・)ν 「馬鹿野郎っ!だからオマエはいつまで経っても平なんだよ!」
( ;゚¥゚)「すいません!本当に申し訳ありません!」
二世喪は部長のほわっちょに賢明に頭を下げる、毎日謝ってる気がする
( ^Д^) 「あ~あ、また二世喪さん怒られてるよ」
(’e’) 「もはや朝の日課ですね」
( ^Д^) 「ああいうのを会社のお荷物って言うんだよ、オマエもあんな風にはなるなよ」
(’e’) 「はぁ」
(ν#・ω・)ν 「もういいよ戻れよ自分のデスクに……朝からオマエの顔はもう見飽きたよ……」
( ;゚¥゚)「すいません……」
二世喪はトボトボと自分の机へと戻る、二世喪のデスクは窓際にある
( ;゚¥゚)「ハァ……」
デスクに着くと二世喪はひとつため息を吐いた
5 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/31(木) 23:28:53 ID:t0EbswtI0
電車にて
( ゚¥゚) 「ハァ……」
つり革につかまり電車に揺られながら二世喪は今日一日を振り返る
( ゚¥゚) (今日も契約取れなかった……また明日どやされる……)
年下の上司に毎日怒鳴られなじられ、もう二世喪は日々の生活の辟易していた
( ;゚¥゚)(ハァ……どうしたものかねぇ……)
今の会社に入社して20年、あの頃は景気も良く二世喪みたいなダメ社員でもシベリア物産のような大手にも簡単に入社できた
しかし時が経つにつれ周りの目はきつくなった
( ;゚¥゚)(あの頃は良かったなぁ……)
電車の中は混んでいなくて人はまばらだった
( ;゚¥゚)(ハァ……胃が痛い……)
そんな二世喪にある男が話しかけてきた
('A`) 「オーホッホッ、なにそんな暗い顔をしてるのですかぁ?」
6 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:29:26 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「(なんだこのオヤジ……)いや別になんでも無いですよ」
('A`) 「今は景気が悪いですからねぇ、
しかも回復する見込みもないですしそういう顔にもなりますよね、サラリーマンは大変ですねぇ」
( ;゚¥゚)「はぁ」
二世喪のことはお構いなしに男はべらべらと喋り出す
('A`) 「でもそんな暗い顔してると幸せが逃げて行きますよぉ、もっとハツラツとしたらどうです?」
( ;゚¥゚)「そうですか……」
面倒臭い、ほっといて欲しい
このオヤジ頭おかしいんじゃないかと二世喪は思った
ちょうどその時、電車がシベリア駅へと到着した
( ;゚¥゚)「では私はこれで……」
二世喪はそそくさと電車から降りた
( ;゚¥゚)「なんだったんだあのオヤジは……」
二世喪は改札口へと向かう、が
('A`) 「ちょっと待ってください」
男も電車を降りていた
7 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:29:53 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「なんなんですかあなたは!私がなんかしましたか!」
('A`) 「いえいえそういうことではありません、実はワタシはこういう者なのです」サッ
( ;゚¥゚)「ココロのスキマお埋めします、モウツドクゾウ……なんのこっちゃ」
('A`) 「ワタシはココロにスキマを抱える現代人を救済するセールスマンなんです」
( ゚¥゚) 「救済?ははーん宗教だな、お断りしますよ、私は無神論者なんでね」
('A`) 「いえいえ、宗教とは関係ありません、ワタシは純粋にあなたみたいな人の力になりたいのです」
( ;゚¥゚)「怪しいなぁ……」
二世喪は警戒した、もしかしたら新手の詐欺かもしれない
('A`) 「まぁ必要になったら呼んでください」スタタタッ
そう言うと喪鬱は改札へと向かった
( ;゚¥゚)「……」
8 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:30:16 ID:t0EbswtI0
その後二世喪は駅前でバスに乗った
( ゚¥゚) 「……」
家の近くでバスを降りる、我が家へと向かう足どりは重い
( ゚¥゚) 「ハァ……」
数分歩くと我が家に着いた、鍵を開け中に入る
( ゚¥゚) 「ただいま……」
誰も出迎えには来ない、二世喪はひとつため息を吐く
靴を脱ぎキッチンへと向かう
( ゚¥゚) 「居るのか?」ガチャ
| l、|*OヮO*).l| 「あぁ?帰って来たの?」
キッチンのテーブルで妻が頬杖をついていた
明らかに機嫌が悪そうだった
9 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:31:13 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚) 「帰ってきたよ、悪いか?」
| l、|*OヮO*).l| 「悪いわよ、ハァ……」
帰って来て早々嫌な顔をされてカチンと来たが文句は言わない、まず口げんかでは勝てない
( ゚¥゚) 「で、夕飯は?もう出来てるんだろ?」
| l、|*OヮO*).l| 「出来てないわよ、見りゃわかるでしょ?」
( ;゚¥゚)「出来てないのかよ!?なにやってんだよオマエは」
| l、|*OヮO*).l| 「あなたさ、今何時だと思ってるの?」
( ;゚¥゚)「今は……」
腕時計を見る、針は6時過ぎを示している
( ゚¥゚)「6時7分だけど、なんか問題でも?」
| l、|#OヮO*).l| 「なんか問題でもじゃないわよ!問題大ありよ!」
( ;゚¥゚)「え?え?」
| l、|#OヮO*).l| 「なんでこんなに早く帰ってくるの!?おかしいでしょ!もっと仕事してればいいじゃない!」
急に妻のスイッチが入った、意味が分からなかった
10 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:32:00 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「お、落ち着け!まずは落ち着け、なんで怒ってるんだよ、理由を言ってくれ理由を」
| l、|#OヮO*).l| 「帰ってくるのが早すぎるのよあなたはいつも!普通だったら9時ぐらいまで仕事してるでしょう!
それなのにあなたはいつも6時ちょい帰って来て!もううんざりなのよあなたの顔を見るのが!」
( #゚¥゚)「くっ……!」
さすがにカッときて言い返そうとする、しかし喉まで出かかった言葉を飲み込む
( ;゚¥゚)(ここでなんか文句言ったらますますあいつは激怒するハズ……ハァ……)
( ;゚¥゚)「しょうがないだろ今は不景気で残業なんて出来ないんだからさ」
嘘だった、二世喪が残業しないのは仕事が出来ないダメ社員だからだ
今の時間、プギャーやセントはまだ会社で汗をかいてるハズだ
| l、|;OヮO*).l| 「はぁもう嫌……なんでこんな男と結婚したんだろう……」
さすがにこれには我慢できなかった、怒りがこみ上げてくる
( #゚¥゚)「ふざけるなよ!誰のおかげで生活出来てると思ってるんだ!」
たとえ仕事は出来てなくても家族のために頑張ってるつもりだった
それなのにこんな愚痴を言われたらたまったものではない
| l、|;OヮO*).l| 「う……」
珍しく激昂した二世喪を見て妻がひるんでいた
11 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:32:59 ID:t0EbswtI0
州#凹_凹)「さっきからうるさいよ二人とも!」
中学生の娘ケイコが部屋に入ってきた、今は受験シーズンでピリピリしている
( ;゚¥゚)「ああごめんケイコ、ちょっとママと喧嘩しち……」
| l、|;OヮO*).l| 「パパったらひどいのよ!ご飯が出来てないだけ急に怒鳴り散らして」
( ;゚¥゚)「え!?」
二世喪は耳を疑った、話がまるで違う
| l、|;OヮO*).l| 「誰のおかげで生活してるんだってママを怒るのよ!私だって頑張ってるのに……うう……」
州;凹_凹)「うわひどい、最低……」
( ;゚¥゚)「違う!オレはそんなこと言ってない!」
| l、|;OヮO*).l| 「そう悪いの全部私!パパは悪くないの、ロクに家事も出来ない私が悪いのよ……ううう……」
妻が嗚咽を漏らし始めた、どうせ嘘泣きだ、腹が立ってくる
州;凹_凹)「ママ泣かなくていいよ!私はママの味方だからね!」
12 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:33:39 ID:t0EbswtI0
ケイコが妻を慰める、そして二世喪をキッと睨む
州#凹_凹)「パパ酷いよ!ママの苦労を全然理解してないよ!」
( ;゚¥゚)「理解してるよ!パパはそう言うことを言ったわけじゃないんだよ!」
何が私だって頑張ってるだ、二世喪は知っている
妻が家事もろくすっぽせず昼から夕方まで韓国ドラマやワイドショーを見てることを
そのため洗濯かごには汚れた衣類が溢れ、家の中にはゴミが散らばっている
州#凹_凹)「パパ、こういうのをなんて言うか知ってる?男尊女卑って言うんだよ!」
( ;゚¥゚)「男尊女卑!?」
州#凹_凹)「そう、女をないがしろにして馬鹿にしてるんでしょ?差別だよ!女性差別だよ!」
差別? 男尊女卑? 話が飛躍しすぎだ、こういうところは妻にそっくりだった
州#凹_凹)「パパ、ママに謝ってよ」
( ;゚¥゚)「謝るたってオマエ……」チラッ
| l、|*OヮO*).l| 「……」
妻がこちらを見ていた、早く自分の負けを認めろと目でメッセージを送っている
13 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:34:09 ID:t0EbswtI0
( #゚¥゚)「ふざけんな!オレは悪くない!絶対謝らないからな!」
二世喪は持っていた鞄を放り投げる
そして玄関へと向かう
| l、|;OヮO*).l| 「ちょっとあなたどこ行くのよ!?」
( #゚¥゚)「オレの顔が見たくないんだろ!だからどこかで飲んできてやるよ!」
州-凹_凹)「なにが飲みに行くよ、酒なんて飲まないくせに」
二世喪は下戸だった、酒を一口舐めるだけで悪酔いしてしまう
( ;゚¥゚)「ば、馬鹿にするな!パパだってひとつやふたつ馴染みの店ぐらいあるさ」
| l、|*OヮO*).l| 「はいはいじゃあ早く飲みに行けば?面倒くさいわね、ケイコご飯の支度するから手伝って」
州-凹_凹)「はーいママ」
二人は二世喪に興味を失ったのか夕食の準備を始めた
( ;゚¥゚)「くっ……」
家族に邪険に扱われ悲しくなった二世喪は急いで玄関へと向かった
14 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:34:43 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「ハァ……」
家を出た二世喪はトボトボとバス停へと向かう
( ;゚¥゚)(どうしよう……)
飲みに行くあてなど本当は無かった、つい口から出てしまったのだ
そのため駅前でなにか暇をつぶすためバスに乗ろうとしてるのだった
( ;゚¥゚)「ハァ……」
バス停へと着いた、人は誰も居ない、この時間にここから駅へと向かう人間などほとんどいない
二世喪はバス停のベンチに腰を下ろす
( ;゚¥゚)「……」
二世喪は悲しくなってきた、会社でも家でもゴミのように扱われ空しかった
( ;-¥-)「どうすりゃいいんだよくそお……」
二世喪は頭を抱えて呟いたその時―――
('A`) 「オーホッホッホ、お困りのようですね二世喪さん」
( ;゚¥゚)「うわっ!あなたは!」
いつの間にか隣に喪鬱毒造が座っていた
15 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:35:08 ID:t0EbswtI0
BARバロ巣
( ´W`)つ□ タンッ
( ;゚¥゚)「すいません、わたし酒はダメなんですよ」
('A`) 「大丈夫です、それはお酒ではなくコーラですから」
( ;゚¥゚)「そうなんですか、どうも……」
つ□とチビリ
バス停で喪鬱と会ったあと二世喪は、彼に連れられてこの店へとやってきた
('A`) 「それで二世喪さんはなぜバス停に居たのですか?」
( ;゚¥゚)「それはその……」
さすがに妻の喧嘩して出て来たなどとは言いづらかった
('A`) 「安心してください、ワタシはあなたを助けようと思ってるのですから」
( ;゚¥゚)「はぁ」
この男はいまいち信用出来ない、それでも今の気持ちを誰かに聞いてもらいたくてしょうがなかった
16 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:35:58 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「実は家族と喧嘩しまして……」
('A`) 「ほう、それは何故ですか?」
( ;゚¥゚)「それはですね……」
二世喪は家で起きたことをすべて話した、喪鬱はひとつひとつ相槌をうちながら聞いている
('A`) 「なるほど、それで家を飛び出したのですね」
( ;゚¥゚)「そうなんですよ、ハァ、もう私の居場所はどこにも無いんですよ」チビリ
コーラを口に含む
( ;゚¥゚)「仕事場でも上司や同僚に疎まれて窓際に追いやられてますよ
まぁこれは私が仕事出来ないのが原因なんですけどね」
一度話すと次々と愚痴がこぼれてくる
( ゚¥゚)「昔は良かったですよ、景気も良かったですし私みたいなボンクラでも大手に入社できましたからね」
('A`) 「あの頃は新卒の取り合いだったみたいでしたからねぇ」
( ゚¥゚)「ええ、仕事が出来なくても上司たちも大目に見てくれました、それと今の妻も景気が良いころに籍を入れましてね」
17 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:36:22 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚)「最初は家事やらを真面目にやって頑張ってくれましたよ、でも……」
('A`) 「でも?」
( ;゚¥゚)「景気が傾き始めたら急に態度をコロッと変えましてね、悪態は吐くわ家事はやらないわで大変ですよ」
('A`) 「ほうほう、それは大変ですねぇ」
( ;-¥-)「景気が冷え始めたころから会社や家庭で疎んじられてしまい、わたしにはもう居場所がありませんよ……」
つ□とチビリ
('A`) 「居場所など自分で作ればいいのですよ」
( ;゚¥゚)「無茶言わないでくださいよそんな簡単に出来るわけないでしょう!」
('A`) 「まぁたしかに、今の時代、自分の居場所を作るのは容易ではありませんね」ガタッ
喪鬱は立ちあがる
( ゚¥゚)「どうしたんです喪鬱さん?」
('A`) 「あなたに居場所を提供しましょう、さっそく行きましょうか」
18 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:36:51 ID:t0EbswtI0
二世喪は喪鬱に連れられてシベリア駅前にやってきた
( ;゚¥゚)「二世喪さんどこに連れてく気なんですか?すごい心配なんですけど……」
('A`) 「オッホッホッ、安心してください二世喪さん、別に危ないところに行くわけではありません」
すると喪鬱は駅前にあるビルを指差した
('A`) 「あそこのビルの中に目的の居場所があります」
( ;゚¥゚)「あそこに……」
薄汚れた雑居ビル、気味が悪かった
('A`) 「さぁついて来てください」トコトコ
信号が青になり喪鬱は道路を渡って行った
( ;゚¥゚)「……」
二世喪は喪鬱について行くことにした、どうせ家に帰っても家族に嫌な顔をされるだけだ
こうなったら行くとこまで行こう……
19 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:37:21 ID:t0EbswtI0
ガチャ
('A`) 「どうも~」
( ・3・) 「おぅわー毒造さんいらっしゃ~い!」
( ゚¥゚) 「……」
そこに居たのは背の低い小太りの男だった、甲高い声で二世喪たちを迎え入れる
( ・3・) 「今日はなにしに来たNO?」
('A`) 「今日はダディさんのお店にお客さんを連れて来たのですよ」
( ゚¥゚) 「どーも二世喪です」
( ・3・) 「僕はぼるじょあだYO!よろしくNE!」
('A`) 「ダディさんのお店はたしか11階でしたよね?」
( ・3・) 「そうだYO!それじゃあいってらっしゃ~い」
喪鬱と二世喪はエレベーターに乗り込んだ
20 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:38:00 ID:t0EbswtI0
エレベーター内にて
( ゚¥゚) 「いまから行く店はどういう店なんですか?」
('A`) 「現代の科学を用いた新しい店ですよ、まぁ11階に着いたら分かりますよ」
( ゚¥゚) 「そうですか……でも高いんじゃないですか?私あまりお金は持ってないですよ……」
('A`) 「大丈夫です、ワタシの紹介ですので二世喪さんは無償です」
( ゚¥゚) 「ありがとうございます……」
無償と言われても心配だった、いったいどういう店なのかを知るまで安心は出来ない
( ;゚¥゚) (うう極道とかが出てきたらどうしよう……)
エレベーターが9階を通過した、11階までもうすぐだ
('A`) 「安心してください二世喪さん、別にぼったくりバーみたいなところに連れて行くわけではありませんから」
( ;゚¥゚) 「はぁ」
そうこうしているうちに目的の11階へと到着した
21 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:38:31 ID:t0EbswtI0
|(●), 、(●)、| 「いらっしゃい喪鬱さん!」
( ;゚¥゚) 「うわっ!!」
エレベーターの扉が開くとそこには顔が異常に大きいちんちくりんの男が居た
('A`) 「久しぶりですねぇダディさん、どうですか新しい店は?」
|(●), 、(●)、| 「ありがたいことにすごい繁盛してますよ!」
('A`) 「それは良かったですねぇ」
( ;゚¥゚) 「……」
店の中はドアがたくさん並んでいた
いったい中でなにをやってるんだろうか……
('A`) 「こちら今日お連れした二世喪さんです」
|(●), 、(●)、| 「どうも二世喪さん!オーナーのダディ・クールです!」
( ;゚¥゚) 「どうも……」
二世喪はダディと握手をする、男はアラブ系の顔をしていた
22 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:39:15 ID:t0EbswtI0
|(●), 、(●)、| 「ではどうぞこちらへ」
( ;゚¥゚) 「あのちょっといいですか?」
|(●), 、(●)、| 「なんでしょうか?」
( ;゚¥゚) 「ここはいったいどういう店なんですか?まだなにも聞いてないんですよ
それとあのドアの向こうにはなにがあるんですか?」
二世喪はダディに尋ねた、場合によってはこのまま引き返そうと思っていた
するとダディでは無く喪鬱が答えた
('A`) 「実はネットカフェなのですよ」
( ;゚¥゚) 「ネットカフェ……」
ネットカフェ―――有料でパソコンが使える施設のことだ
安い値段で長時間使用出来ることで多くの人間が利用している
( ;゚¥゚) 「……」
拍子抜けだった、なんとなく危険な臭いがしただけにネットカフェとは予想外だった
つまり居場所とはネットカフェの個室で、ここで時間を潰せということなのか……
( ;゚¥゚) 「ハァ……」
('A`) 「ただし、ここはただのネットカフェではないのです」
23 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:40:07 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚) 「なんでしょうか?」
('A`) 「あなたは人の優しさに飢えているのです、会社でも家庭でもないがしろにされココロが疲れているのですよ」
( ;゚¥゚) 「……」
('A`) 「だから二世喪さん、このクラブで人と触れ合ってココロを癒してください、それでは」
そう言うと喪鬱はエレベーターに乗り込んだ
('A`) 「また会いましょうねぇ、オーホッホッ」
そう言ったあと扉が閉まり、エレベーターは下降して行った
( ;゚¥゚) 「……」
|(●), 、(●)、| 「では二世喪さん行きましょう」
( ;゚¥゚) 「あ、はい……」
二世喪はダディに連れられてNo.15と書かれた部屋に入った
24 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:40:55 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚) 「……」
個室に入る、部屋の中は椅子、テーブル、パソコン、説明書しかなくかなり簡素だった
比較的広く人ひとりが過ごすには申し分なかった
( ゚¥゚) 「ふぅ……」
椅子に座る、パソコンを見るとディスプレイの上にカメラが装着されていた
( ゚¥゚) 「さてと……」
説明書を手に取る、そこには店の概要、パソコンの使い方、そして注意書きが記してあった
二世喪は注意書きに目を通す
・法を犯す行為はやめてください
・相手が不快になる行動はやめてください
・パソコン等を破壊する行為はやめてください
・なるべく自らの素性を明かさないでください
( ゚¥゚) (素性を明かさない……)
たしかに見ず知らずの人物と会話するのだ、なるべく個人情報は教えないほうが良いだろう
二世喪はパソコンのスイッチを入れた
25 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:41:47 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚) 「……」
しばらくするとディスプレイに明かりが点いた、まだパソコンが新しいため鮮明だった
( ゚¥゚) 「ふむ」
デスクトップにある『トーク・ルーム』をクリックする
すると参加者の一覧が出て来た
( ゚¥゚) 「……」
参加者の名前が縦一列に並んでいる、横には待機中と通話中という表示がある
とりあえず待機中の参加者を探すため下へとスクロールする
( ゚¥゚) 「うむ……」
名前以外の情報は何もない、誰が出るかは運次第なのだろう
( ゚¥゚) 「これでいいか……」
ピンときたのをクリックする
( ゚¥゚) 「……」
『通信を開始します』と出たので『はい』を押した
26 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:42:22 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚) 「ん?」
どこかの部屋の映像が映し出された、本棚、壁に掛けられた時計、見えるのはそれぐらいだ
( ゚¥゚) (人がいない……)
誰も映っていなかった、待機中と表示されていたのに
( ;゚¥゚) 「なんか嫌な予感……」
まさか地雷を踏んでしまったか―――そんな不安が二世喪の頭をよぎる
その時……
|゚ノ ^∀^)『ワァッ!!!!』
( ;゚¥゚) 「ひゃあああ!!!」ガタッ
画面の下から突然少女が現れて二世喪は驚いた
|゚ノ ^∀^)『びっくりした?えへへ』
( ;゚¥゚) 「……」
ディスプレイの向こう側にはおさげの少女が立っていた、まだ高校生ぐらいだろうか……
27 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:43:00 ID:t0EbswtI0
|゚ノ ^∀^)『ハローわたしレモナ!よろしくね!』
( ;゚¥゚) 「よ、よろしく……」
|゚ノ ^∀^)『おじさんは?』
( ;゚¥゚) 「わたし?わたしは……」
二世喪と言おうとしたがグッと飲み込む、あまりこちらの素性を明かすなと書いていたのを思い出した
( ;゚¥゚) 「……寺地、わたしの名前は寺地だよ」
適当に思いついた名字を口にした
|゚ノ ^∀^)『テラチさんね、テラッチはここ初めて?』
( ;゚¥゚) 「あ、はい、そうですね……」
|゚ノ ^∀^)『そんな緊張しなくたって大丈夫だよ~、もっとラフに行こうよ」
( ;゚¥゚) 「はぁ」
娘ほど年齢の離れた少女に諭されて、なんとなく恥ずかしかった
28 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:43:35 ID:t0EbswtI0
|゚ノ ^∀^)『テラッチはなんでここに来ようと思ったの?』
( ;゚¥゚) 「それは……」
|゚ノ ^∀^)『フフフ、まぁ大体分かるけどね、テラッチもハブられてるんでしょ?』
( ;゚¥゚) 「え?ハブられてる?え、いやあの……」
|゚ノ ^∀^)『図星だね、ここは実生活でハブられてる人が集まるとこなんだよ、そうして互いの傷を舐め合うの』
( ;゚¥゚) 「はぁ」
|゚ノ ^∀^)『わたしも高校に居場所が無いの、だから外にも出ないで部屋に引き籠っててね……』
( ;゚¥゚) 「……」
急に自分語りを始めた、二世喪は戸惑う
( ;゚¥゚) (まぁたまにはこういう子と話すのも悪くないだろ)
二世喪は彼女の言葉に耳を傾けた
29 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:44:24 ID:t0EbswtI0
それから数時間、思いのほかレモナとの会話は楽しかった
( *゚¥゚) 「もういやになっちゃうんだよねうちの部長と来たら、なんでもかんでも部下のせいにしてさ」
|゚ノ ^∀^)『いるいる、そういうゴミのような人間、そういう奴って大抵自分の無能を棚上げにしてるのよね』
( *゚¥゚) 「そうそう」
日頃溜まってる会社や家庭での愚痴を吐く
こうやって思い切り不満を吐露するのは気持ち良かった
( *゚¥゚) 「家に居てもさ、カミさんも娘も冷たくて胃が痛くなるだけだしね」
|゚ノ ^∀^)『別れちゃえばいいじゃない!スパッとさ!』
( *゚¥゚) 「さすがに別れるのはねぇ、お金もかかるだろうし……」
|゚ノ ^∀^)『社会人も楽じゃないんだねぇ、もうずっと引き籠ってようかなぁ』
( *゚¥゚) 「おいおいなに言ってんだい、そんなんじゃこの世の中生きていけないよ~」
|゚ノ ^∀^)『冗談だよ~、言ってみただけだよぉ』
( *゚¥゚) 「ハハハ」
30 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:45:01 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚) 「うわっやばい!」
時計を見るともう午後11時を過ぎていた
( ;゚¥゚) 「もうそろそろ帰らなきゃ!ゴメン!」
|゚ノ ^∀^)『もう帰っちゃうの?つまんないなぁ』
( ;゚¥゚) 「そう言われても……」
|゚ノ ^∀^)『うそうそ冗談よ、またテラッチがここに来たら会えるわよ』
( ;゚¥゚) 「そうなの?」
|゚ノ ^∀^)『うん、わたしはいつもテラッチを待ってるよ』
( ゚¥゚) 「そう……」
二世喪は立ち上がる
( ゚¥゚) 「それじゃあまた今度ね」
|゚ノ ^∀^)『またね~』
二世喪は部屋を出た
31 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:45:36 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚) 「ハァ……」
二世喪はビルを出るとひとつため息を吐いた
( *゚¥゚) 「レモナちゃん可愛かったなぁ……」
レモナとのやりとりを思い出す
娘ほど年の離れた少女とのひとときは意外と楽しかった
( *゚¥゚) 「……」
ここまで人とまともに会話したのは久しぶりだった
会社でも家でもこんな話したりはしない
( *゚¥゚) (やっぱ人とのふれあいは大切だな……)
久々の人とのふれあいが嬉しかった
( ;゚¥゚) 「うわっ!バスの終点に遅れる!」
最後のバスに乗り遅れぬように二世喪は急いだ
|A`) 「……」
|A`) 「二世喪さんお喜びのようですねぇオーホッホッ」
32 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:46:16 ID:t0EbswtI0
それからというもの二世喪は『トーク・ネット・クラブ』に足繁く通った
|゚ノ*^∀^)『アハハ!おかしいよそれ~』
( *゚¥゚) 「そこでわたしは言ってやったんだよ!オマエはタワシか!てね」
|゚ノ*^∀^)『アーハッハッ!テラッチの話おもしろいね!』
仕事のあとは毎日のようにここで時間を潰した
職場や家庭での愚痴をここで吐きだす
|゚ノ*^∀^)ノシ『またねテラッチばいば~い!』
( *゚¥゚)ノシ 「また明日」
そして3時間が経過すれば帰る、その繰り返しだった
( *゚¥゚) 「ううさぶっ……」
家族は相変わらず冷たいけれど、二世喪は今の生活に満足していた
( *゚¥゚) 「早く帰ろっと」
33 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:46:37 ID:t0EbswtI0
シベリア物産営業課にて
( *゚¥゚)~♪
(’e’) 「最近なんか二世喪さん、すごい機嫌がよさそうですね」
( ^Д^) 「ああそうだな」
(’e’) 「なんかあったんでしょうかね」
( ^Д^) 「どうだっていいわあのおっさんのことなんて、機嫌がよくても仕事出来て無ェじゃん」
(’e’) 「気になるなぁ……」
その時、定時を告げるチャイムが鳴った
( ゚¥゚) ガタッ!
(;’e’) 「立ちあがった」
( ゚¥゚)「お先に失礼します!」ササッ
二世喪は急いで部屋を出た
34 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:47:02 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)(急げ急げ!)
彼女に会いたいと思いでいっぱいのため、知らぬうちに二世喪は早歩きになる
( ;゚¥゚)「あっ……」
外に出て二世喪は言葉を漏らした
しんしんと雪が降っていたのだ
( ;゚¥゚)(もうすぐ4月だというのに雪か……)
たしかに今日は寒かった、春だというのに肌寒いが続いている
( ;゚¥゚)「うぅさむ」
路地を見ると薄らと雪が積もっていた
( *゚¥゚)(こんな寒さもレモナちゃんのためならへっちゃらさ)
体を縮めこませ、駅へと急いだ
35 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:47:30 ID:t0EbswtI0
数日後 BAR バロ巣にて
('A`) 「どうです二世喪さん、例のクラブは楽しんでもらえてますか?」
( *゚¥゚)「モチロンですよ喪鬱さん!もう毎日通ってますよ!」
('A`) 「オーホッホッ、それは良かった、紹介した甲斐がありましたよ」
( *゚¥゚)「やっぱ人間というのは誰かと触れ合っていなければいけないんですよ
そうでなければストレスでダメになってしまいますよ」
('A`) 「ほう」
( *-¥-)「たとえディスプレイ越しであっても言葉を交わすというのは大切なことなんですねぇ」
つ□とグビリ
( *゚¥゚)「マスターもう一杯」
( ´W`)つ□タンッ
('A`) 「よっぽど気に入ったみたいですねぇ、色んな人と通話するのはそんなに楽しいですか?」
( *゚¥゚)「いいえ僕がいつも話すのはいつも一人です、それも娘ぐらいに離れた10代の女の子ですよ」
('A`) 「ほうほう」
36 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:48:20 ID:t0EbswtI0
( *゚¥゚)「なんというか話が合うんですよ!やはりハブられてる同志、不思議と共鳴するんでしょうかねぇ」
('A`) 「一応店側としては一人に集中せずに色んな方々と交流してほしいのですけどねぇ」
( ;゚¥゚)「え?ダメだったんですか?」
('A`) 「いえいえそういうわけではゴザイマセン、店側としてはお一人に集中するのはおススメしないというだけです」
( ;゚¥゚)「そうなんですか?何故ダメなんです?」
('A`) 「実はたまに実際に会いに行ってしまう人がいるのですよ、つい熱を入れ過ぎて惚れてしまうのでしょうなぁ」
( ;゚¥゚)「はぁそういう人がいるのですか」
('A`) 「店としてはそういうのは避けたいのですよ、あそこは決して出会いカフェではありませんからねぇ」
( ;゚¥゚)「いやぁわたしは大丈夫ですよ、わたしはその女の子を女としては見てません、娘と話すような気持ちで接してます」
('A`) 「そうならいいのですけどねぇ」
( ゚¥゚)「こっちは居場所を教えてないんですよ、だから会えるわけ無いじゃないですか、おっともう時間だ」スクッ
二世喪は立ち上がる
( ゚¥゚)「ではわたしはいつも通りあの店に行きます、では」
そう言うと二世喪は足早に店を出て行った
('A`) 「……」
37 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:48:43 ID:t0EbswtI0
ウィーン……
( ゚¥゚)「……」
|(●), 、(●)、| 「いらっしゃいませ二世喪さん!」
エレベーターの扉が開くとそこにはオーナーのダディ・クールが立っていた
( ゚¥゚)「あぁダディさんこんばんは、部屋開いてますか?」
|(●), 、(●)、| 「ええモチロンです!どぞこちらへ!」
そう言ってダディは二世喪を案内する
( ゚¥゚)「あのダディさんちょっと良いですかね?」
|(●), 、(●)、| 「なんでしょうか?」
( ゚¥゚)「今日も支払いをしなくてもいいのですか?」
かれこれここに通い始めて3週間になるが今まで一度も金を払ってはいなかった
|(●), 、(●)、| 「モチロンです!なんてったって喪鬱さんの紹介ですからね!」
( ゚¥゚)「喪鬱さんの紹介だから……」
なんで喪鬱さんの紹介ならタダなのか、と訊こうとしたが、部屋に着いてため言うのをやめた
38 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:49:32 ID:t0EbswtI0
( ゚¥゚)「さてと……」
パソコンを下へとスクロールし、レモナの部屋をクリックする
( *゚¥゚)「レモナちゃん……」
年甲斐もなく胸がときめく、まるで学生だ
( *゚¥゚)「お……」
|゚ノ*^∀^)『ハローテラッチ!」
レモナが映像が映し出された、しかし二世喪はある違和感を覚えた
( ;゚¥゚)「あれ?どうしたのレモナちゃん?」
その違和感の正体はすぐに判明した
|゚ノ ^∀^)『どうしたってなにが?』
( ;゚¥゚)「いつもの部屋と違うじゃん、どうしたのいったい?」
おかしいと感じたのはレモナの居る部屋だった
彼女がいるのはいつもの部屋ではなく殺風景で薄汚れた部屋だった
39 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:50:04 ID:t0EbswtI0
|゚ノ*^∀^)『今わたしね、シベリアに居るんだよ!』
( ;゚¥゚)「え?なんで」
|゚ノ*^∀^)『テラッチに逢いたいために決まってるじゃん!今駅前のビジネスホテルに居るんだよ!』
( ;゚¥゚)「な……」
まさかホテルの小部屋だとは思いもしなかった、それに……
( ;゚¥゚)「でもなんでシベリアなんかに……オレ一言もシベリアに居るなんて言ってないよ」
|゚ノ*^∀^)『ふふふ、だってテラッチ昨日言ってじゃない』
( ;゚¥゚)「なんて」
|゚ノ*^∀^)『「今日は雪が降ってるから寒くてしょうがないよ」って、昨日雪降ったのってシベリアだけだよ』
( ;゚¥゚)「うぐ……」
たしかにそう言った覚えがある、昨日は季節外れの大雪になった
( ;゚¥゚)「……」
迂闊だった、ふとした一言が相手に自分の居場所を特定される事態になってしまった
40 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:51:01 ID:t0EbswtI0
|゚ノ*^∀^)『ねぇ逢おうよテラッチィ、わたしテラッチのこと大好きだよぉ』
いつもより甘ったるい声で二世喪に懇願する
( ;゚¥゚)「だ、だめだよそんなこと!オレみたいなおじさんなんかとそんなことしちゃ」
|゚ノ*^∀^)『恋愛に年の差なんて関係無いよ!わたしはテラッチのことを愛してるの!』
( ;゚¥゚)「弱ったな……」
このままレモナに逢いに行けば立派な犯罪、淫行だ
二世喪は必死に断ろうとする
( ;゚¥゚)「考え直してよレモナちゃん!オレは逢いに行けないよ……」
|゚ノ#^∀^)『なんでよ!テラッチならわかってくれると思ったのにヒドイよ!』
( ;゚¥゚)「ヒドイって言われても……」
|゚ノ ^∀^)『あーそーなんだ、テラチさんもわたしのこと見捨てるんだ、あーあ、わたしは結局一人ぼっちか』
( ;゚¥゚)「なに言ってるのレモナちゃん、見捨てるとかないから……」
|゚ノ ^∀^)『いいの、レモナは一人ぼっちよ、ママやパパに見捨てられ、挙句にテラッチにさえ見捨てられちゃった』
41 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:51:26 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「いや、あのだから」
|゚ノ ^∀^)『あーあ』サッ
レモナの右手首がチラリと見えた
そこには幾筋の傷跡があった
( ;゚¥゚)「う……」
さすがの二世喪にもあの傷の意味するものはわかった
( ;゚¥゚)(リストカット……)
今ここで自分がレモナの誘いを断ったらまた彼女は手首を切るかもしれない、二世喪は不安になった
|゚ノ ^∀^)『ハァ……』
( ;゚¥゚)「……」
('A`) ≪実際に逢いに行ってはいけませんよ二世喪さん≫
( ;゚¥゚)(で、でも喪鬱さん……)
結局二世喪は喪鬱の約束を守れなかった
42 :インターネットの熱い罠:2011/03/31(木) 23:52:22 ID:t0EbswtI0
( ;゚¥゚)「ううう寒い」
あのあと二世喪はレモナと逢う約束をして店を出た
今は彼女が泊まっているビジネスホテル「ロールシベリア」に向かっている
( ;゚¥゚)「ふぅ……」
レモナの誘いを断れなかった二世喪には少しだけ罪悪感があった
こんな中年があんな若い子に手を出していいのか、と
( *゚¥゚)「でもな……まさか誘われるとは思わなかったな」
しかしレモナに誘われたことは満更でもなかった
まだ自分も女に好かれるだけの魅力があったのかと嬉しかった
( *゚¥゚)「レモナちゃん……」
歩いてると次第に罪悪感が薄れ、反対にココロがワクワクしてきた
( *゚¥゚)(淫行だなんてそんな、バレなきゃいいんだよバレなきゃ……)
待ちきれなくなり足早になる、そんな二世喪を遠くから見てる男が居た
|A`) 「……」
喪鬱毒造だった
|A`) 「約束を破ってしまったようですね、もうどうなっても知りませんよ」
43 :インターネットの熱い罠:2011/04/01(金) 00:01:44 ID:nfOf6Vtc0
( ゚¥゚)(ここか……)
レモナが泊まってるホテルは思ったより小奇麗だった
フロアにはサラリーマン風の男が何人か居る、出張でシベリアに来たのだろうか
( ゚¥゚)(早く行かなきゃ)
レモナが泊まってる部屋は6階の607号室、二世喪はエレベーターに乗る
( ゚¥゚)「……」
2階、3階とエレベーターが通過する、二世喪の胸はどんどん高鳴ってくる
( *゚¥゚)(ハァ緊張するな……)
ここ数年、二世喪は妻とはご無沙汰だった、それ以前に寝室が別々だ
( *゚¥゚)「あ……」
エレベーターが6階に到着した、扉が開く
44 :インターネットの熱い罠:2011/04/01(金) 00:13:54 ID:nfOf6Vtc0
二世喪はエレベーターから出る、6階の廊下には誰も居ない
( *゚¥゚)「607号室、607号室……」
レモナが居る607号室を探す、なるべく足音をたてぬように歩く
( *゚¥゚)「……」
給湯室、トイレ、洗濯室を通過する、そして目的の部屋を見つけた
( *゚¥゚)「あった……」
607号室、この中にレモナが居る、そして自分を待っている―――心臓が大きく跳ねた
( *゚¥゚)「ひょいと」
ドアの前にお菓子の空き箱が落ちていた、その箱を開けると中には607号室のキーが入っていた
( *゚¥゚)(レモナちゃん今行くよ!)
意を決して二世喪は部屋の中に入った―――
そして二世喪が607号室に入ったあと、近くの女子トイレからある人物が出て来た
|゚ノ ^∀^)「……」
出て来たのはレモナだった、そして607号室にむかって一言つぶやいた
|゚ノ ^∀^)「バーカ」
45 :インターネットの熱い罠:2011/04/01(金) 00:43:22 ID:nfOf6Vtc0
( ;゚¥゚)「レモナちゃん……」
部屋の中は片付いていた、二世喪は部屋の奥に入る
( ;゚¥゚)「あれレモナちゃんは……」
部屋には誰もいない、どうしたのかと思ったが耳をすますとシャワーが流れる音が聞こえる
( ;゚¥゚)「シャワーしているのかな」
その時、机の上に置かれてる紙が目に入った
そこにはこう書かれていた
『体を綺麗にしてるから服を脱いで待っててネ! レモナ』
( *゚¥゚)「レモナちゃん……」
二世喪は着てる服を脱ぎ始める、上着、ズボン、靴下……
( *゚¥゚)「さてと……」
さすがにパンツは穿いたままにして、二世喪はベットに腰掛けた
( *゚¥゚)(もうすぐ……もうすぐレモナちゃんが……)
これからのことを想像して二世喪のココロは高鳴る、
しかしそれもぬかよろこびで実際にレモナはバスルームには居ない
そして二世喪は気付かない、天井の片隅に隠しカメラが設置されてることを……
46 :インターネットの熱い罠:2011/04/01(金) 00:46:28 ID:nfOf6Vtc0
『( *゚¥゚)』
スマイリングムービー生放送!!
スレタイ:お っ さ ん 騙 し て ホ テ ル に 誘 っ た っ た w w w
『( *゚¥゚)』
ちょwwwwおっさんwwwwパンツ一丁wwwww
うはwwwマジだwwwwwwwww
なwwさwwけwwねwwぇwwwww
おっさんェ……
禿げた頭、メタボなお腹、そんで不細工な顔、これがハットトリックやでwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
やめろよこういうの、マジで引くわ
↑やめろよこういうの、マジで吹くわ
↑オマエ馬鹿だろ
↑いやお前が馬鹿
違うオレが馬鹿だ!
↑なんだお前が馬鹿か
うわ動いたw
おっさんマジ惨めwwww
↑実はこいつのオヤジ
うわぁ……加齢臭がこっちまで臭ってきそう……
( *゚¥゚)(レモナちゃん……)
二世喪のこの惨めな姿はネットを介してシベリア、いや世界中に配信されていた―――
47 :インターネットの熱い罠:2011/04/01(金) 00:51:35 ID:nfOf6Vtc0
('A`) 「どうやら二世喪さんはレモナさんとココロを通じあえたと勘違いしてしまったようです
本当はパソコンのディスプレイよりも厚い壁があるというのに……
そして今あのひとは世界中に己の恥ずかしい姿をを撒き散らしています
未来永劫、あの恥は消えることは無いでしょう、いやはやネットは怖いですなぁ」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・
【インターネットの熱い罠】 完
48 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/04/01(金) 00:52:40 ID:nfOf6Vtc0
今日は以上です
新スレ一発目、なかなか新鮮な気持ち
質問、指摘等あればお願いしますお
49 :以下、名無しにかわりましてフーンがお送りします:2011/04/01(金) 12:52:25 ID:vdTv.WLYO
初見だがおもしろかった
50 :以下、名無しにかわりましてフーンがお送りします:2011/04/01(金) 20:03:14 ID:.F.yKa.wO
新スレおめそして乙
コメント
No title
これいつ終わるの?